

北里大学研究所病院 糖尿病センター長
日々多くの患者と向き合い、食べる喜びを損なわない糖尿病治療を追求した結果、1食あたりの糖質量を20〜40gに制限する緩やかな糖質オフ「ロカボ」に行き着く。
肉と油はたっぷり、糖質だけ緩やかにオフ!
緩やかな糖質制限食=ロカボ(ローカーボ)を提唱する山田先生のおすすめダイエットおかずは、なんと鶏の唐揚げ! 肉(たんぱく質)と油(脂質)を豊富にとるのが大切だそう。
「なぜなら、それらはエネルギー消費を上げるから。たんぱく質をしっかりととることで筋肉量も増え、基礎代謝が上がるので、おなかいっぱい食べても自然とやせられるんです」
気をつけたいのはごはん、パン、いもなど糖質の多い食材。
「たんぱく質や脂質では食後に血糖値は大きく上がりませんが、糖質をとると急激に上がります。これを抑えるためにインスリンというホルモンが出るのですが、大量の糖質摂取によりインスリンを大量に出すと、脂肪細胞のエネルギー取り込み口が大きく開き、結果、太ってしまうのです」
けれど、極端な糖質カットはストレスが大きいもの。
「そこでおすすめなのが“ロカボ”です。1食の糖質量を20〜40gに抑えるだけなのでとてもシンプル。肉も油も野菜も食べ放題。ストレスなく、学生時代の体重に近づきますよ」


● すべての肉・魚介
● 卵
●枝豆
●乳製品(コンデンスミルクなど加糖されているもの以外)
●野菜(大量に食べる場合は注意が必要なものも)
●アボカド・オリーブ・ココナッツ
●きのこ
●こんにゃく
●ナッツ類
●焼酎・ウイスキー・ウォッカ・ジン・ライム・ワイン(甘口のものは注意)
●しょうゆ・酢・こしょう・みそ


●米
●パン・麺・餃子の皮など小麦製品
●さつまいも・じゃがいも・やまいも
●春雨
●大豆・枝豆以外の豆類
●かぼちゃ・とうもろこし・れんこん
●果物(バナナ・ぶどう・りんごなど)
●紹興酒・ビール・日本酒
●砂糖・ケチャップ・市販ソース・白みそ・みりん
※食・楽・健康協会HPより抜粋
ごはん、パンのほか、いも類などもちょっと気をつけて。ほっくりした食感のもの、甘味を感じるものは注意です。ソースやケチャップなど調味料の糖質も侮れない!
「糖質の多い食事」と「ロカボの食事」をした後の血糖値のイメージ

糖質の多い食事をとると血糖値が急上昇&急降下。これがよくある食後倦怠感の原因で、太りやすい以外にも弊害が。
日本人は元来インスリンを出す力が弱く、インスリンを作るすい臓を酷使していると糖尿病の原因にも
やっぱり主食も食べたい人は?
糖質は最後にorロカボ食品を活用
「糖質を最後に食べる“カーボラスト”がおすすめ。たんぱく質、脂質を先にとると血糖値の上昇が抑制されます。
その効果が出るのに20分ほどかかるので、肉、魚、野菜をゆっくり食べ、最後に主食を少しがいいですね」。
また今は、ロカボマーク(下)のついたものをはじめ、低糖質な主食がいろいろあります。山田先生も携わる「ロカボオフィシャルサイト」もぜひ参考に

撮影/伊藤奈穂実 取材・原文/福山雅美 撮影協力/UTUWA
※LEE 2021年2月号掲載/LEEweb 2021.01.09掲載