香水だけでなく、自宅での生活をより豊かにする香りにも関心が高まる昨今。今回は注目が集まるブランドのインセンス(お香)にスポットを当てました。癒しの時間に寄り添う香りだけでなく、在宅ワーク時のモチベーションを上げるための香りなど、目的はさまざま。自分らしく過ごせる、唯一無二の聖域に寄り添うとっておきのアイテムを見つけて。
「Vyrao(バイラオ)」のインセンス
バイラオ インセンス Verdant ¥8800/クラビティ
昨年日本上陸したロンドン発のフレグランスブランド「Vyrao(バイラオ)」。設立したのは、ファッションコンサルタントからヒーラーに転向したヤスミン・スウェル。代替療法の伝統的なレシピを元に調香師のリン・ハリスが香りを手がけ、個性的でモダンなフレグランスやキャンドル、インセンスをリリースしています。今回紹介するインセンスはサステナブルな発想から生まれたもの。栽培時の水使用量が少なく農薬も必要としない環境に配慮した竹素材を使用しています。グリーンと柑橘の気配が濃厚な「Verdant」は自宅でのんびり過ごす時だけでなく、朝目覚めの瞬間にもピッタリ。みずみずしいアイリスとオレンジフラワーのノートが爽やかな心地に誘います。
「SENN(セン)」のインセンス
SENN INCENSE 燈 tomoshibi / 熄 uzumibi ¥2860/SENN
2020年6月に誕生したライフスタイルブランド「SENN(セン)」。自分と向き合い、本当に必要なものだけを選ぶ“Less is beauty”の思想を軸に、エッセンシャルなものづくりと五感を研ぎ澄ます体験を提供しています。肌本来の美しさを引き出す“減らす美容”の考えに基づいたスキンケアプロダクトを主軸とし、季節を知る二十四節気の音楽プレイリスト、心と体を感じる瞑想、視点を広げる本、内側から美しくなる食のワークショップなど、自分の心や感情に向きあう“余白を生ける”体験などにも注目が集まっています。
そんな「SENN」から登場したインセンスが「燈 tomoshibi/熄 uzumibi」の香り。心の灯りをととのえる、自分と向き合う時間に捧げるお香として誕生しました。調香を担当するのは日本の伝統的な香道作法と西洋の香文化を融合させた現代聞香を創始し、香り文化を発信する「かほりとともに」の主宰、沙里さん。製造は新しいお香の魅力を提案する「東京香堂」が担当しています。
今回ご紹介する「燈 tomoshibi/熄 uzumibi」は、2種類の香調を楽しめるセット。「燈 tomoshibi」は香り高いユズ、しなやかな竹がキーに。ベースには凛としたサイプレスを忍ばせ、爽やかな香り立ちが魅力。
「熄 uzumibi」は深みのあるクスノキや、悠然としたオークモス(樫苔)を中心に。心を鎮め落ち着かせてくれます。ふんわりと香るマンダリン(橙)やフェンネルは、炉端のぬくもりを感じさせます。朝起きてから夜寝るまで、どんなシチュエーションにも寄り添ってくれる香りです。
「APFR(アポテーケ フレグランス)」のインセンス スティック
APFR インセンススティック POSSESS ¥2200/アポテーケ フレグランス
2011年に菅澤圭太さんによって設立された日本のフレグランスブランド「APFR(アポテーケ フレグランス)」。世界中の伝統的な香料、生薬文化、自然哲学思想、食、音楽、芸術に影響を受けながら香りのクリエイションを行っています。モダンなデザインに日本に古くから伝わるこだわりを取り入れて表現した世界観にも多くの人々が魅了されています。
ブランドのシグネチャーアイテムのひとつである「インセンス スティック」は自社工場にて一点一点ハンドディッピングしたもの。現在30種類以上の香りがラインナップされている人気アイテムだ。今回おすすめするのはスパイシーでウッディな「POSSESS」の香り。品のいいサンダルウッドを基軸に、ピリリとしたナツメグやクローブ、ジンジャーをブレンド。エレガントなジャスミンや、濃厚なバニラのエッセンスをさりげなくプラスし、香りに奥行きを与えています。柔らかで、ぬくもりのある香りは肌寒い季節にピッタリ。
問い合わせ先
・ アポテーケ フレグランス apothekefragrance.jp/
・ クラビティ 03-6555-2442
・ SENN sen-n.com
撮影/植田 翔