座りっぱなし環境から解放される立ち姿勢を取り入れたワークスタイル。意外なメリットが多く、近年は国内でも注目されています。

お話を伺ったのは
岡 浩一朗さん

岡 浩一朗さん

1970年生まれ。早稲田大学スポーツ科学学術院教授。子どもから高齢者までの生活習慣改善支援、特に運動の習慣化、および「座りすぎ対策」に関する研究に従事。ホームページはコチラ

立ち姿勢を取り入れると仕事の効率もアップ!

「座りすぎは喫煙と同じくらい健康に悪影響」という言葉、聞いたことがありますか? 欧米諸国で広まっているこの考え方が日本にも浸透し、近年ついに、厚生労働省とスポーツ庁が健康保持増進対策の一例として、職場での「座りすぎ防止」を挙げました。
グーグル、フェイスブックなど米国の企業がスタンディングデスクの導入を始めたのを皮切りに、「立って仕事する」ことが注目されはじめています。

立って仕事する

写真提供/株式会社オカムラ

でも、立って仕事をするなんて、余計に疲れてしまいそうですが…?

「私の研究室もスタンディングデスクを導入しています。デスクは上下に昇降するもので、ずっと立っているわけではなく、好きなときに座れる環境です。
これに慣れると、実際には座りっぱなしより筋肉疲労も起こりにくく、肩こりや腰痛も軽減、何より気分転換になる。座ることが悪いのではなく、座りすぎることが問題だということがよくわかります」(岡浩一朗先生)

日本人は世界一「座りすぎ」の国民!

日本人が平日に座っている時間は世界20カ国中最も長く、1日7時間であることがオーストラリアの研究機関の調査で判明。「私は7時間よりもっと長いかも」と不安になった人もいるのでは? 岡先生によれば、40~64歳の日本人が対象の調査では、1日の総座位時間は8〜9時間だったとか!

平日座っている時間 世界20カ国の比較

出典:Am J Prev Med. 2011;41(2):228-235.

日本人の座位時間は420分=7時間。世界20カ国の平均は約5時間なので、日本は他の国々より2時間も長く座っていることに。

デスクも会議も「立ち姿勢」を取り入れている企業が続々!

あの楽天が移転した際にも、新社屋にスタンディングデスクを導入。全社員1万人分のデスクを電動で昇降可能なタイプにしたのは有名な話です。
その他の有名企業や大学でも、この数年じわじわとスタンディングデスクの採用が増えています。楽天で採用されたデスクは、オフィス家具メーカー、オカムラのもの。

「立ち環境を取り入れたオフィスでは、社員の足のむくみの減少や、背中や腰の疲労感が軽減され、健康促進につながるなどの健康メリットのほか、集中力や仕事効率に影響する眠気が抑えられたり、職場のコミュニケーションが促進されるなど、たくさんのメリットを確認しています」(オカムラワークデザイン研究所・浅田晴之さん)とのこと。
これからも導入企業が増えそうです。

「立ち仕事×座り仕事」の環境

写真提供/株式会社オカムラ

オフィス家具メーカーのオカムラでは、自社製品の上下昇降デスク「スイフト」を自社オフィスにも取り入れ、「立ち仕事×座り仕事」の環境を実現しています。会議や打ち合わせもスタンディング環境で行なっているそう

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撮影/露木聡子 グラフ制作/ビーワークス 構成・原文/蓮見則子
※MyAge2020年冬号掲載/OurAge 2021.03.01掲載

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