人生100年時代、目はQOLを保つための大事なパートナーです。正しい知識を持って白内障対策を!

ビッセン宮島弘子さん
ビッセン宮島弘子さん

1981年、慶應義塾大学医学部卒業。慶應義塾大学病院眼科で研修後、3年間、ボン大学で白内障の新しい手術を学び帰国。2003年より東京歯科大学水道橋病院眼科教授。日本眼科学会専門医。’18年よりアジア太平洋白内障屈折矯正手術学会理事長

Q 白内障になる前に予防的に手術できる?

A
欧米ではすでに白内障治療が老眼治療になっていて、症状が出ていない50代の患者さんへの治療が半数の割合になってきています。強度の近視でメガネもコンタクトも使えない、老眼も始まったという人のQOLを上げるためですが、まだ日本では、病気ではない目にメスを入れることには否定的な意見が多いですね。

Q 手術後は、何に気をつけて過ごせばいい?

A
白内障の手術は安全性が高いものですが、唯一のリスクといえるのが感染症。これを防ぐには、目と目の周辺を清潔に保つ必要があります。1週間は洗顔やシャンプーをしないようにしましょう。首から下のシャワーや湯船はOKです。メイクアップも1週間は控えましょう。

歩いてくる人の顔がはっきり見えるとうれしい

歩いてくる人の顔がはっきり見えるとうれしいもの。手術後、買い物やデスクワークなら翌日から可能になります。
メガネを作るタイミングは、術後1カ月以上たって見え方が安定してからがおすすめです

Q レーシックを受けた人でも手術は可能?

A
もちろん可能です。ただ、本来は丸い人間の角膜を、レーシックの手術では削っているため、眼内レンズの度数を決める際、一般の人とは違う計算式が必要になります。しかし、この20年ほど計算式についての研究がされてきて、現在は正確な数字が割り出せるようになったので何も心配はいりません。

イラスト/浅生ハルミン 取材・原文/上田恵子
※OurAge 2020.09.23掲載