誰もがなる病気だから、知っておきたい!
「白内障」

老化現象のひとつであり、早い人では40歳代から、そして70歳代では約50%、80歳代ではほとんどの人に見られる白内障。予防法や最新の治療法を知っておいてソンはなし!

教えてくれたのは
ビッセン宮島弘子さん

ビッセン宮島弘子さん

1981年、慶應義塾大学医学部卒業。慶應義塾大学病院眼科で研修後、3年間、ボン大学で白内障の新しい手術を学び帰国。2003年より東京歯科大学水道橋病院眼科教授。日本眼科学会専門医。’18年よりアジア太平洋白内障屈折矯正手術学会理事長

◆どんな病気?◆
「白内障は、加齢に伴い誰にでも起こりうる目の病気です。まぶしい、視界がかすむ、暗いところでものが見えづらい、目が疲れるなどの症状があり、徐々に見え方が悪化。進行すると目の瞳孔部分が白く変化します」と解説するのは、ビッセン宮島弘子先生。

白くなるのは眼球の水晶体。水晶体とは、直径約9mm、厚さ約4mmの透明かつ柔軟性のある目の中のレンズのこと。おもにタンパク質と水分でできており、この水晶体のタンパク質が変性して、濁りが生じるのが白内障です。濁りが増えると視界にかすみがかかったようになり、症状が悪化すると焦点が合わなくなります。

白内障のしくみ

◆なぜなるの?◆
なぜ水晶体は白く濁るのでしょう?
「水晶体の中央には、古い細胞が集まって形成される“核”という密度の濃い部分があります。この核を中心に、長い時間をかけて水晶体が硬くなっていくのに伴って酸素や栄養が届きにくくなり、タンパク質が変性してしまいます。これが、老化を原因とする加齢性白内障です」(ビッセン先生)

白内障のタイプには「皮質白内障」「核白内障」「後嚢下(こうのうか)白内障」があり、 濁りが生じる部位が異なります。

【白内障の3つのタイプ】

皮質白内障
水晶体の皮質部分の外側から、くさび状に濁りが生じる。
症状/まぶしい、暗いところで見づらい、ものが二重に見える

皮質白内障

核白内障
水晶体中央の核から濁ってくる。
症状/一時的に近くがよく見えることがある。暗いところでものが見えにくくなる

核白内障

後嚢下白内障
水晶体の硝子体に面している後嚢側の皮質から濁ってくる。
症状/進行が早い、視力が急激に低下、ものが二重に見える

後嚢下白内障

《白内障の症状チェック》
●暗いところでものが見えづらい
●目がかすむ
●ものがぼやけて見える
●細かい字が読みにくい
●疲れ目が治らない
●ギラギラとまぶしく見える

片方ずつ見え方をチェック

人は普段、左右の目からの情報を頭の中で統合して見ているため、視野に異常があっても脳で修正されて気づくのが遅くなることも。ほかの目の病気のチェックも兼ね、2~3カ月に一度は歪んで見える部分や暗く見える部分、視野の欠ける部分がないか、目がかすまないかなど、片方ずつ見え方をチェックしましょう。

◆どんな手術をする?◆
白内障の手術は、濁ったレンズ=水晶体をきれいな人工のレンズに置き換える作業です。現在、最も多く行われているのが「超音波乳化吸引術」。水晶体を包む水晶体嚢という透明の膜に穴をあけ、中の皮質と核を超音波で砕いて吸い出します。その後、嚢の中に眼内レンズを挿入し、中で広げて終了です。手術時間は15 ~30 分程度です。

「人工の眼内レンズは、生きたレンズである水晶体とは違って、特定の距離( 40cm前後、1~3m、5m以上など)にピントが合うようになっています。手術が終わって視力が安定したら、見え方に合わせたメガネなどを別途作る必要があります」

水晶体の濁りが少ない時期はまぶしさを強く感じる

水晶体の濁りが少ない時期はまぶしさを強く感じます。濁りが増えるとものが見えづらくなり、さらに濁りが濃くなると視界にかすみがかかったように見えます。

次回は、白内障と老眼の違い、予防はできる? など、失敗しない!「白内障」治療(後編)をご紹介します。

イラスト/浅生ハルミン 取材・原文/上田恵子
※OurAge 2020.09.03掲載

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