放置NG!コロナ禍でリモートワークが中心になり、モニターを見続ける時間が増えたことで、目の疲れに悩まされている人が急増中!つらい目の疲れ、どうしたら改善する? そのコツを眼科医の井上佐智子先生がアドバイス!

羽根木の森アイクリニック院長
日本眼科学会専門医。慶應義塾大学病院非常勤助教。近視や遠視、白内障、緑内障などの眼科診療全般を行うとともに、エイジング外来も設け、美容皮膚治療や食事・生活習慣指導なども行う
Q.ドライアイが急激にひどくなりました…
A.ストレスで涙の量が減っている可能性も
「心身的ストレスがあると涙の量が減ってドライアイが急にひどくなる場合が。ストレスがたまっているなら、うまく発散しましょう。眼科の点眼薬で治ることが多いのでまずは受診を」

それでも改善しない場合は、涙点プラグ治療を
「目頭近くの上下にある、涙が排出される涙点にシリコン製などのプラグ(栓)をさし、涙の排出を軽減する方法が涙点プラグ。涙が目にとどまり、ドライアイ改善効果が高いです」
Q.急に視力が落ちた気がする!
A.スマホの見すぎによる仮性近視かも
「スマホなど近くを見続けていると、一時的にピント調節機能が落ちる仮性近視、いわゆる"スマホ老眼"になる場合があり、これにより視力が急に落ちたと感じる場合も。早めに眼科へ」
Q.充血がひどくなった!
A.ドライアイか結膜炎の疑いがあります
「充血がひどいならドライアイか結膜炎の疑いが。どちらも眼科の点眼薬で改善します。市販の血管収縮剤が配合された充血を改善する点眼薬は、使いすぎるとひどくなる場合があるので要注意」
Q.視界がチカチカする
A.閃輝性暗点(せんきせいあんてん)飛蚊症(ひぶんしょう)などの場合が
「視界がチカチカするのは、偏頭痛の前兆として起こる閃輝性暗点か、視界に糸くずのようなものが見える飛蚊症、または眼球に傷がついている場合などが考えられます。まずは眼科で検査を受けて」
Q.老眼が加速した気がします
A.リモート環境のせいではなく加齢で進むもの

「40歳を過ぎると誰でも老眼は始まります。老眼で近くが見えにくくなって支障を感じるなら、メガネやコンタクトレンズをしている人は度数を落とすか、遠近両用のものに変えると楽になります」
40歳からは気をつけよう!「 緑内障」
40歳になったら気をつけたい目の病気が緑内障。「緑内障は、視神経に異常が起こり、視野がしだいに欠けていく病気。40歳以降から始まることが多く、放っておくと失明のリスクが高まるので注意が必要です。なんらかの理由で眼圧が上昇することで起こりますが、眼圧が正常なのに発症する場合もあり、日本人にはその眼圧が正常なのに発症するタイプのほうが多いです。
家族に緑内障のかたがいる人は、自分もかかる可能性が高くなります。点眼薬で進行を抑えられることが多いので、なによりも早期発見・早期治療が重要です。健康診断の眼底検査や眼圧検査などで緑内障の疑いを指摘されたら、すぐ眼科で精密検査を受けましょう。健康診断を受けていない人は、年1回は眼科検診を受けるのがおすすめ」
ほっておけないリモート目疲れ Marisol ONLINEで読む
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イラストレーション/本田佳世 取材・文/和田美穂
※Marisol 4月号2021年掲載/Marisol ONLINE 2021.6.16 掲載