放置NG!コロナ禍でリモートワークが中心になり、モニターを見続ける時間が増えたことで、目の疲れに悩まされている人が急増中!つらい目の疲れ、どうしたら改善する? そのコツを眼科医の井上佐智子先生がアドバイス!
ふだんのリモート環境が、あなたのリモート目疲れを加速させている可能性もあるので、まずはその見直しを。

羽根木の森アイクリニック院長
井上佐智子先生
日本眼科学会専門医。慶應義塾大学病院非常勤助教。近視や遠視、白内障、緑内障などの眼科診療全般を行うとともに、エイジング外来も設け、美容皮膚治療や食事・生活習慣指導なども行う
リモート目疲れを解消するアイデア
リモート環境の見直しをする

①照明は明るすぎず暗すぎず
照明は、明るすぎても暗すぎても目の疲れを招くので適度な明るさに。暗い部屋で、パソコン画面の光だけで作業すると特に目に負担がかかるのでNG。
②エアコンの風が当たらないところで
エアコンの風が目に直接当たると、目が乾燥してドライアイの原因に。パソコンデスクは、エアコンの風が直接当たらない場所に設置するのが正解。
③直射光をさえぎる
画面に光が映り込むと目が疲れるので、映り込まないように窓にはブラインドやカーテンをつける。
④加湿器を常備する
部屋が乾燥していると目も乾きやすいので、加湿器で適度な湿度をキープ。特に湿度が下がる冬は、加湿器の常備を。
⑤「肘の角度は90度以上」
肘が深く曲がると手首に負担がかかり、肩こりの原因に。また前のめり姿勢の予防のため、角度は90度以上を意識して。
⑥椅子に深く座り、足をつける
椅子に深く座り、足裏が床にぴったりつくと姿勢が安定し、疲れにくい。足裏がつかない場合は、足台を使用してみて。
⑦視線が下になるようディスプレイを配置
画面が目線より高い位置にあると、まぶたが開きすぎて目が乾きやすい。画面は目線より下に。

【下向き】
画面が目線より下にあると、まぶたで覆われる範囲が増え、目が乾きにくいのでドライアイ予防に。

【上向き】】
上向きだと、まぶたが開きすぎてドライ アイになりやすいだけでなく、目に力が入って疲れやすい。
⑧画面は明るすぎない設定。ブルーライトカットフィルムを貼る
画面が明るすぎるとブルーライトの刺激が強くなり、目が疲れやすい。明るさは少し落として。ブルーライトをカットするフィルムを貼るのが理想的。
【ほかにもこんな習慣づけが効果的】
リモートワーク中、以下のようなちょっとしたことを心がけるだけでも、目の疲れは格段に軽減するから、ぜひ実践を!

1時間に1回は休憩する
家でひとりでリモートワークをしていると、休憩をはさ むのを忘れてしまいがちだが、1時間に1回は休憩をとるよう心がけて。毛様体筋の緊張が緩み、目の疲れ予防に。1時間おきにアラームをかけて休憩するのもおすすめ。

時々は意識的に遠くを見る
パソコン画面など近くばかりを見ていると毛様体筋が収 縮しっぱなしになるので、時々窓の外の建物や看板など、遠くにピントを合わせることも習慣に。毛様体筋が緩んで緊張を防げる。休憩をとるたびに行おう。

休憩中にスマホを見ない
パソコン作業の休憩中にスマホを見る人も多いと思うけれど、これでは目が休まる暇がなく、さらに目を疲れさせるだけなのでNG。休憩中はスマホを見ないようにし、遠くを見たり、目を閉じて目を休めるのがおすすめ。
イラストレーション/本田佳世 取材・文/和田美穂
【Marisol 4月号2021年掲載】※Marisol ONLINE 2021.5.12掲載