
国立病院機構久里浜医療センター内視鏡部長。医学博士。慶應義塾大学病院 消化器内科 便秘外来も担当。腸管の異常形態である「ねじれ腸」や「落下腸」を発見。著書に『慢性便秘症を治す本』(法研)など
便秘を解消する大腸マッサージは、起床時や就寝前など いつでもやりやすいときに!
「大腸マッサージは一日のうちいつやってもかまいませんが、横になって行うものが多いので、夜寝る前や朝起きたときならスムーズにできるでしょう。 特に朝は排便しやすいので、朝行うと効果的。夜は立って行うマッサージを最初にしてから、横になって行うマッサージをし、朝はその逆でするのがおすすめ。食後すぐや飲酒後は避けましょう。腰が悪い人や、お腹に腫瘍や動脈瘤などの病気がある人は悪影響が出ることもあるので、主治医に相談を」
マッサージをするポイント
マッサージするときは、以下紹介するマッサージ ③では下図③の「S状結腸」を意識。マッ サージ④では、下図④の大腸全体を持ち上げるイメージで行いましょう。

ねじれ腸タイプにおすすめマッサージ
マッサージ③ 下腹部トントンマッサージ
便が直腸に入る手前の最後の難関、S状結腸を刺激。おへそから恥骨のきわまでのS状結腸を丁寧に揺らして。

1 マッサージ2(前回の記事参照)の姿勢のまま、親指以外の指をピンと伸ばし、右手の指先をおへその右、左手の指先をおへその左に当て、左右交互に小刻みに押しながら指先が恥骨に触れる位置まで少しずつ位置を脚のほうに下げていきます。


2 指先が恥骨に触れたら、同様に、左右交互に小刻みに押しながらおへその横まで少しずつ位置を上げていきます。指先を上から下へ行ったり来たりさせるマッサージを1分間繰り返します。
ねじれ腸タイプ&落下腸タイプにおすすめマッサージ
マッサージ④ 大腸押し上げマッサージ
大腸全体を持ち上げて揺らすマッサージ。落下腸にも効果的。落ち込んだ大腸を持ち上げるイメージで。

1 上のマッサージ③と同じ姿勢で、恥骨のすぐ上、左右の脚の付け根に両手を当てます。お腹が少しへこむくらいの力で、両手の指先を立ててお腹を持ち上げるように揺らしながら、おへその下まで少しずつ指を移動させます

2 両手の指先を右脚の付け根に当て、1と同じ要領でお腹を持ち上げるように揺らしながら、おへその脇まで指を移動させます。左脚の側も同様に行います。1、2のマッサージを1分繰り返します
イラスト/ハヤシコウ 取材・原文/和田美穂
※OurAge 2020.07.07掲載