便秘についての認識が間違っていると、治らないばかりか、思わぬトラブルを招く場合も! 誤解の多い便秘Q&Aの後半です。

教えてくれた先生
正岡建洋さん
正岡建洋さん

慶應義塾大学医学部 内科学(消化器)専任講師。慶應義塾大学病院 消化器内科にて便秘外来を担当。専門は、消化器内科、食道、胃、十二指腸、機能性消化管障害など。日本消化器病学会専門医。過敏性腸症候群診療ガイドライン作成委員

Q トイレでいきみすぎるとよくない?

A いきむと血圧が上がり、脳卒中などを招くこともあるので要注意。

「便秘だからといって、無理に便を出そうとしてトイレでいきみすぎるのはNG。切れ痔などの原因になるだけでなく、いきむと血圧が急激に上がるので、脳卒中の原因にもなりかねません。つねにいきまないと出ないという人は、医療機関で便秘薬を処方してもらい、いきまなくても排便できるようにすることがおすすめです」

Q 糖質制限をすると便秘になりやすい?

A 食物繊維が不足して便秘になる人もいるようです。

「ダイエットのために糖質制限をするのがはやっていますが、ご飯などの糖質を極端にカットすると一緒に含まれている食物繊維もカットされてしまうため、便秘になる人が多いようです。ダイエットには有効だとはいえ、極端に糖質制限をするのは、便秘を防ぐためにはおすすめしません」

トイレットペーパーと便イメージ

Q ストレスがあると便秘になる?

A 交感神経が優位になり、腸の動きが悪くなるので便秘になりやすい。

「体のほかの臓器と違って、腸は自律神経の副交感神経が優位になったときに活発に動きます。ストレスがあると交感神経が優位になり、腸の動きが悪くなるので便秘になりやすいのです。便秘対策には、ストレスをうまく発散してため込まないのも大事です」

次回は、「生活習慣」のなかで心がけるとよい、便秘を解消する“大腸活”テクをご紹介します。

イラスト/ハヤシコウ 取材・原文/和田美穂
※OurAge 2020.06.29掲載