閉経前後の更年期には、さまざまな不調が続出。そこで、更年期に不調が起こりやすい要因と、不調が出たときの対処法を産婦人科専門医の高尾美穂先生がご紹介。

教えてくださったかた
高尾美穂先生

高尾美穂先生

女性のための総合ヘルスクリニック「イーク表参道」副院長。産婦人科専門医。医学博士。スポーツドクター。ヨガマスターとしてヨガ指導も行う。女性の体の悩みへの明解なアドバイスがテレビで反響を呼び話題に。

閉経前後の不調=更年期障害とはかぎらない

 更年期の不調が起きるのは、身体的要因以外にも要因があるそう。

「更年期の不調には性格や環境も影響し、生まじめな人や、自己犠牲型の人は更年期障害が起きやすいとされています。それに親の介護や、家族との死別、子供の独立などなんらかの社会的要因も加わると、心が折れてしまい、更年期障害が出やすいといわれています」

このような要因で、閉経前後には不調が起きやすくなるが、アンケートで多かったのが、自分の不調が更年期障害によるものなのか、ほかの病気なのかがわからないという疑問。

「閉経前後はさまざまな病気になりやすくなる年代なので、不調が出ても更年期障害とはかぎりません。動悸がするなら甲状腺の病気などの場合が、めまいならメニエール病などの場合も。まずは動悸なら内科や甲状腺科、めまいなら耳鼻科と、症状がある器官の専門病院にかかり、検査で病気がなかったら更年期障害を疑って婦人科に行くのがおすすめ。エストロゲン不足が原因だとわかれば、婦人科でHRTを受けてエストロゲンを足せば、症状が改善する場合も多いですからね」

女性イメージイラスト

また、閉経後になりやすい病気は“先手必勝”だと高尾先生は話す。

「例えば年をとると心筋梗塞などの心血管疾患になりやすくなりますが、前段階として中性脂肪値や悪玉コレステロール値が高くなったりと、健康診断の数値になんらかの異常が出ます。特に閉経後はこのような異常が出やすくなりますが、その時点で薬などで治療をしておけば、将来の心筋梗塞を予防できます。心筋梗塞は突然起こるようでいて、必ずその前に数値に異常が現れるので、その段階で対策をして病気の芽を摘むことが大切。そのためにも日ごろからかかりつけ医をもっておき、検診を受けておくのがベストです」

さらに生活習慣を整えることも重要。

「最近コロナ禍によるストレスのせいか、睡眠不足で不調が起きている人も多数。ちゃんと寝ていないと更年期うつにもなりやすいので、更年期の不調を防ぐには、まずは十分に寝ることです。それだけで体調がよくなることは多いんです。私自身、昔、当直のある職場だったときは睡眠不足でしたが、今は8時間寝ているので体調は絶好調。皆さんもまずは生活の見直しを」

高尾先生イラスト

しっかり“眠る”だけでも、実は改善することがたくさんあります。(高尾先生)

更年期の主な不調と症状とは…
●頭痛
●めまい、ふらつき、浮遊感
●のぼせ、ホットフラッシュ
●冷え
●のどの違和感
●腹部の張り
●手指のこわばり
●尿もれ、頻尿
●イライラ、落ち込み、抑うつなど
●だるい、疲れやすい
●動悸、息切れ
●肌の乾燥、かゆみ
●肩コリ、首コリ、背中の痛み、腰痛
●眠りが浅い、不眠
●腟乾燥、性交痛

更年期症状が悪循環になっていることも

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 取材・原文/和田美穂 イラスト/中村久美 
※エクラ2021年6月号掲載/Web eclat 2021.05.17掲載

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