年末の大掃除を計画したり、新年&新年度に向けて模様替えをしたいと思っている皆さん。「好きなものを集めたら、いつの間にか部屋がごちゃごちゃ」…そんな悩みはありませんか? 今回は収納スペースが少なくても趣味のアイテムや大好きな観葉植物を生かし、すっきり暮らしているMOJIKAさんを取材。SNSでも人気のセンスのいいインテリアの秘訣を伺いました!
収納スペースが少ない家でも、快適に暮らせるコツがある
──MOJIKAさんの家は計算されたような間取りですが、リノベーションされたのでしょうか?
MOJIKAさん 実はここ、賃貸なんです! 結婚を機に引っ越したのですが、日当たりのよさが決め手で選びました。植物が大好きなのですが、一人暮らしの頃の家は日当たりが悪くて植物が元気をなくしてしまったことがあったんです。植物が生き生きと育つ自然光が入る家は、わたしにとって必須条件でした。
この家は50平米、2DKのデザイナーズ物件。収納は少ないですが、そのぶん、自分なりの工夫をすることで快適な暮らしを実現できると考えました。住んでみると、本当に選んでよかったなと思っています。
──収納スペースが少ないなか、工夫が光る「見せる収納」を始めたきっかけは?
MOJIKAさん 以前は引き出しにものをしまい込むスタイルだったんですが、「どこにしまったっけ?」といった問題が多くて…。必要なものがすぐに取り出せないストレスがあったんです。それで、家にあるものはすべて必要なのだから「見せる収納にしよう!」と切り替えました。
見せる収納にしてからは、無駄買いが減ったと思います。持っているものがひと目でわかるので、「これあったよね」と気づけるようになりました。
──「見せる収納」をするうえで大切にしていることを教えてください。
MOJIKAさん やっぱり大切なのは、使いやすい動線に置くこと。あとは、好きなものを置くことです。
整頓されていることだけを目指していると続かないので、趣味を優先するほうが楽しめるのではないでしょうか。わたしの場合は、植物とカラフルなアイテムが好きなので、それらをいかに魅力的に配置するかを考えるのは楽しいひととき。
夫もわたしの影響で植物が好きになり、最初はひとつだけだった鉢植が今では7個に増えました。好きなものが増えていくのも、喜びの瞬間です。「この子はどこに置こうかな〜」と想像している時間も幸せ。
ONとOFFを分けた部屋づくりで、生活がラクになった!
──動線についての工夫を、詳しく教えてください!
MOJIKAさん ここの家に引っ越した当初、どうやって快適な空間をつくればいいのか、かなり悩みました。2階建て、2DKの間取りは部屋ごとに役割を決められる反面、どう使うかをしっかり考えないと、逆にスペースが無駄になってしまうんです。
そこで「1階はON、2階はOFFの空間」と役割を分けました。1階は水回りがあるので、洗濯や料理などの作業に集中できるスペースに。特に階段下のデッドスペースを活用して、ドレッサーを配置したことで、身支度や片づけがスムーズになりました。ちょっとした工夫で動きがまとまり、暮らしやすさが格段にアップすることを実感したんです。
また、2階は低めのソファやベッドを置いてリラックス空間に。最初は動きやすさを優先しようとしましたが、思い切って「ゆったりくつろげる空間」に振りきったことで、今では心から落ち着けるお気に入りの場所になっています。
──各エリアが明確に分かれていることが、暮らしやすさにつながっているんですね。
MOJIKAさん このスタイルだと、収納する場所が明確なので片づけがとてもラクなんです。エリアをきちんと分けているおかげで、インテリアコーディネートもしやすくなったと思います。
おしゃれで心地よい空間をつくる4つのマイルール
──収納スペースが少なくても、好きなものとすっきり暮らすための方法を教えてください。
MOJIKAさん わたしも、素敵なインテリアを集めても、どうしても部屋になじまず悩んでいたこともあります。でも、4つのポイントを意識するだけで、自然と部屋がまとまり始めました。好きなものを無理に手放したり、極端な断捨離をしなくても大丈夫なので、ぜひ試してみてください。
Point 1. エリアごとに色のトーンを合わせる
そのエリアごとにテーマカラーを決めると、カラフルなアイテムが多くても自然に調和しやすくなります。例えば、パステルカラーの小ものを集めたリビングや、アースカラーで統一した寝室など、色の「仲間」をつくる感覚です。
わたしも最初は色合いがまとまらず、悩んでいました。そこで、家の中の好きなものをいったん集めてみて、色々と置き換えていくうちに「色のトーンを合わせると調和が生まれる」と気づいたんです。この発見をきっかけに、部屋ごとのカラー計画を立てるようになりました。
Point 2. 素材の質感をミックスする
素材の質感をあえてミックスさせることで、空間に奥行きと個性をプラスできます。同じ質感ばかりだと単調になりがちなので、異なる素材を組み合わせてバランスを取るのがポイントです。
例えば、我が家のリビングでは、収納棚にステンレスのクールな質感を取り入れる一方で、収納ボックスにはラタンやウッド調のナチュラルな素材を選んで温かみをプラス。また、棚の上には艶感のある小ものとマットな質感のアイテムを混ぜています。
壁がコンクリート調のクールな雰囲気なので、温かみのある素材を積極的に取り入れることで、全体のバランスが取れるよう工夫しています。このミックス感がインテリアをより魅力的に見せるカギだと思います。
Point 3. 見せる収納はメリハリを意識
見せたいものと、隠したいものをきっちり分けるのもポイントです。例えば、インテリアとしてなじむ雑貨やお気に入りの小物は目に見える場所に置き、日用品や生活感の出るものは目線より低い位置に収納するようにしています。すべてを見せてしまうと雑然とした印象になりやすいので、適度なメリハリが大切。
また、夫が集めている趣味のアイテムはガラスディスプレイケースにまとめています。そうすることで、お互いの好みが混ざり合っても調和が取れる空間になりますよ。アニメのフィギュアも今はホビーショップのようなポップ感を演出してくれて、わたしもお気に入りになりました。
Point 4. 目線の高さに変化をつける
目線の高さに変化を加えることで、空間が広く感じられたり、視覚的にリズムが生まれます。同じ高さの家具や装飾が並ぶと、部屋が平坦で単調に見えがちなので、異なる高さのアイテムを組み合わせることがポイントになります。
例えば、我が家では低めのベッドが印象的な寝室に、高さのある観葉植物を配置しています。高さを意識してアイテムを配置するだけで、狭いスペースでも開放感が生まれ、視覚的にも心地よい空間に仕上がりますよ。
飽きない部屋をつくるために「プチ模様替え」をする
──今の部屋にマンネリを感じたときはどうしていますか?
MOJIKAさん プチ模様替えは気分転換にもなりますし、部屋の雰囲気を変えるいい方法です。例えば、ベッドカバーやカーテンを新調したり、ラグを買い替えたりします。特に、目に入りやすい大きなアイテムを変えると、印象がガラリと変わるのでおすすめです。
もっと手軽に変化をつけたい場合は、小さなアートや雑貨を追加したり、植物を一鉢増やしてみたりするといいですよ。我が家ではリビングのテーブルや棚の上を使って季節感を意識した飾りつけを楽しんでいます。
──季節感を取り入れるのは、定期的な模様替えになるのでいいですね。
MOJIKAさん そうなんです!春は花のアイテムを、夏は爽やかなブルー系の雑貨を置いたり、秋や冬はクリスマスやハロウィンの装飾を加えるなど、季節ごとの雰囲気を取り入れています。こうした小さな工夫をするだけでも気分が上がりますし、飽きがちな空間に新鮮さをプラスできますよ。
ぜひ、年末年始の大掃除のタイミングや、新年・新年度の模様替えの参考にしていただけたらうれしいです!
撮影/三浦晴 構成・取材・文/高浦彩加