キャリア、人間関係、結婚・出産etc.…20代後半から30代のyoi読者には、コンプレックスの種がいっぱい。そこで、“セルフラブ”を体現し、毎日を自分らしく楽しむ元CHAIのメンバー・YUUKIさんが、yoi読者にモヤモヤへの向き合い方をアドバイスするこの連載。毎回テーマに合わせてYUUKIさん自身が制作したアート作品とともにお届けします。第5回目は「年下との接し方」に関するコンプレックスについて。
お悩み:年下との接し方にいつも迷ってしまう。自分が時代遅れの考え方をしていないか不安です…。
「会社で年下と接するときに、『この考えは古いかな?』『老害と思われないかな?』『これを言ったら、私世代の価値観を押し付けることになるかな?』などと悩んでしまいます。どうすれば年下とヘルシーな関係を築けますか? 古臭い人にならないためのヒントが欲しいです」(29歳、会社員)
「あなたの考えを聞かせてほしい」というオープンな姿勢でい続ける。

YUUKI:悩みを打ち明けてくれて、ありがとう! まず、相談者さんは「この考えは古くないかな?」「これは自分の価値観の押し付けではないかな?」と自分自身に対して疑問を持てること、すごく素晴らしいと思います。それは自分の中に新しい考えを取り入れる隙間を作れている証拠だから。そうした心がけは、年齢や立場に関係なく、どんな人に対してもよいと思います。
私自身、友人の年齢層が広く、上も下もひと回り以上離れている人がいます。当然、話しているとジェネレーションギャップを感じることもあるけれど、そういうときは素直に「それってどういうこと?」と質問するようにしています。「あなたの考えを聞かせてほしい」というオープンマインドな姿勢で接すると、「私のまわりではこれが流行っています」「私はこう思います」と相手も意見を言ってくれるから。
とはいえ、相談者さんのように会社で上下関係がある環境だと、特に年下は本音を言ってくれないこともあると思う。それでも、焦らずにオープンマインドでい続けてみてほしい! 少しずつ信頼関係が築けてきたら、相手も本音を話してくれるようになるはずです。

新しいものを毛嫌いせずに、一旦受け入れる。
YUUKI:年下とオープンにやりとりできるようになると、「先輩のその好みは時代遅れですね」と言われてしまうことがあるかもしれません。正直、そんなことを言われたら、楽観的な私もガーンと落ち込むはず(笑)。でも、そのときにただ落ち込んで終わるのではなく、さっき話したように「じゃあ、今はどういうものがみんなに人気?」と相手に恥ずかしがらずに尋ねること。そして、どんな新しい意見も価値観も一度ちゃんと受け入れ、それを面白がる心がけが、相談者さんが言うところの「古臭い人」にならないための鍵だと思います!
もちろん、これまで培ってきた経験があるので、年下の意見に「ん? それはちょっと…」と感じることもあるだろうけど、そのときに「NO」を反射的に叩きつけて拒否するのは、すごくもったいない! だって、過去の考え方や方法論を振りかざして「僕らの若い頃は…」と言って相手の意見に耳を傾けない大人って魅力的じゃないし、相談者さんもそんな人にはなりたくないよね? だからこそ、繰り返しになるけれど、どんな考えも一度“受け入れること”が大切だと思います。その“理解しようとする姿勢”を示すことできたら、ときに意見が食い違うことがあっても、年下とよい関係を築けるんじゃないかな。

「老害」「若作り」…そうした言葉にとらわれず、変化を楽しむ姿勢でいる!
最後に、相談者さんのメッセージに書かれていた「老害」という言葉が少し気になって。私が年齢を揶揄する意味と感じる言葉に「若作り」というものもあるけど、こういった年齢を重ねることにまつわるネガティブな表現にとらわれないことも大事だと思います。だって、「老害かも?」ってずっと怯えながら過ごすのはちょっとしんどくない? それよりも、「自分自身や周囲、世の中が変化していくことを楽しもう」というマインドでいるほうが、心地よく生きられると思います。そうやって堂々としている人のほうが、きっとまわりにも魅力的に映るだろうし。相談者さんが、年下と素敵な関係を築けることを応援しているよ!

今回のアートのカイセツ。
『咲いて枯れて種となる』
「世界のスピードと自分のスピード。追いつけ追い越せで、忙しない。立ち止まってもいい、助けを求めてもいいから、歩みを止めないこと。咲いた頃を思い出せば、枯れるのは怖いかもしれない。けれど種となり、いつ何度でも芽を出せばいい。身体が老いても、心は老いないから。また、種子から始めよう」(YUUKI)
イラスト・撮影/YUUKI 取材・文/海渡理恵 企画・構成/福井小夜子(yoi)