マスクで口を覆う生活が続くなか、改めて自分の口のニオイに気づいた…という人も少なくないよう。オーラルケアブランド『リステリン』は、口腔ケアに関するトピックについて消費者や医療従事者に伝えることを目的とした「リステリンオーラルヘルスアライアンス」を、専門家4人とともに発足。定期的にサミットを開催しています。

6月に行われた第3回目のサミットでは、発足者の一人、「銀座並木通りさゆみ矯正歯科デンタルクリニック81」院長の坂本紗有見先生が、オーラルケアと美容、健康をテーマに講演。その内容を3回にわたってレポートします。第1回目は、女性にとってはちょっと…いえ、かなり気になる「年代別の女性の口内状況と口腔ケア」について!

坂本 紗有見先生

銀座並木通りさゆみ矯正歯科デンタルクリニック81院長

坂本 紗有見先生

1986年に東京歯科大学卒業後、東京歯科大学歯科矯正学講座に入局。'93年に日本矯正歯科学会認定医を取得し、'96年に坂本歯科副院長に就任。2005年より、現・銀座並木通りさゆみ矯正歯科デンタルクリニック81院長に。日本美口協会代表理事。日本矯正歯科学会 認定医。日本成人矯正歯科学会 常務理事。日本アンチエイジング歯科学会 常任理事。

ショック! 口臭の強い人の割合は男性よりも女性が多い!?

坂本先生によると、「今は新型コロナウイルスの影響で、口腔環境が悪化している人が増えています」とのこと。

「在宅時間が増えたために会話が減って口が乾いたり、外出や人に会う機会が減るため歯磨きを怠ったり、ストレスで歯を食いしばったり、さらには歯医者に行かなくなった人が増加したことなど、原因はさまざまですが、口腔環境が悪化している人が増えているというのは多くの歯科医院が感じていること。また、マスク生活が長引いた結果、口呼吸が増え、ドライマウスも加速しています。口が乾くことで唾液の抗菌作用や自浄作用の恩恵を受けなくなるため、口腔内の細菌が増加傾向になり、お口のトラブルが増える要因になっていると考えられます」(坂本先生)

そんななか、「口臭白書2019」の調査で口臭を測定したところ、スコアの基準値をオーバーした人の割合が、男性 8.3%に対し女性は17.9%。なんと女性のほうが男性の2倍以上という衝撃のデータが…。

「口臭が強い」人は、男性より女性のほうが多いってホント!?【知って驚くオーラルケア最新事情 Vol.1】_1

※ブレス・ハザードプロジェクト「口臭白書2019」より抜粋

「えっ、口臭が強い人って男性のほうが多いんじゃないの…?」と、この結果を見て驚いた女性も少なくないのでは。でも、坂本先生いわく、「日々の診療や人間関係で感じるのは、口臭の強い女性は決して少なくないということ」。日本人は家族のあいだでもそれを指摘できないことが多く、クリニックに診察にいらしたご夫婦で、夫が『妻に口臭が強いことを伝えてください』と相談するケースもあったそうです。

「口臭が強い」人は、男性より女性のほうが多いってホント!?【知って驚くオーラルケア最新事情 Vol.1】_2

※ブレス・ハザードプロジェクト「口臭白書2019」より抜粋 

また、女性の中でも、年代別で見ると口臭の強い人の割合は40代以上の中高年層が突出して多いことが同調査でわかりました。さらに、中高年層の男性よりも若年層の女性のほうが多い傾向にあるという結果にも驚きです。

しかし、女性が口腔ケアを怠っているというわけではなく、口臭、すなわち口腔トラブルの要因として、女性ホルモンが関係していると坂本先生はいいます。

女性ホルモンの変化によって口腔トラブルも変わる

「口臭が強い」人は、男性より女性のほうが多いってホント!?【知って驚くオーラルケア最新事情 Vol.1】_3

※厚生労働省医政局歯科保健課 歯科口腔保健推進室
歯科口腔保健に関する最近の動向(平成31年)より

上の表は、女性の年代別の口腔トラブルとその原因をまとめたもの。これを見ると、ライフステージごとに女性ホルモンと口腔環境が深く関係していることがわかります。特に注意すべきポイントについて坂本先生が解説してくれました!

【思春期】
女性ホルモン分泌が活発になり、歯肉炎を起こしやすい時期。初経を迎える前後くらいから口腔環境が変わり、生理の前後に歯茎が腫れたりすることもあり、そのせいで口臭が強くなる傾向が。また、この世代は口呼吸の習慣がある人も多く、口腔内が乾燥して細菌が繁殖しやすいため、むし歯・歯肉炎にかかりやすくなる。女性は甘いものが好きな人が多いので、その点でも男性より若干虫歯になりやすい傾向が。

【成人期】
成人の7割が歯周病を抱え、中度歯周病が一気に増加。この時期は虫歯も増える傾向が。高校卒業後は歯科医による学校歯科健診がなくなり、セルフケアのみの生活になることや、食生活の乱れ、飲酒の開始、睡眠不足などの生活習慣の乱れが原因と考えられる。

【妊娠期・出産期】
女性ホルモン(エストロゲン)を好む歯周病菌が繁殖しやすくなり、口内炎や歯肉炎を起こしやすい時期。また、食事回数の増加や、つわりによる胃液の逆流で口腔内が酸性に傾くため、むし歯も発生しやすい環境に。つわりで歯磨きができないことも、口腔環境の悪化につながる。
 


【更年期】
男女比で1:3と、圧倒的に女性に多いのがドライマウスで、口内の乾燥が強い口臭を引き起こす。特に更年期は、女性ホルモンの減少が唾液分泌量の低下を招くため、ドライマウスや歯周病になりやすい。40代以降の女性に口臭の強い人が増えるのもそのため。また、閉経すると骨密度が急速に減少し、顎の骨ももろくなって歯を支える組織が弱り、歯周病が重症化する誘因に。
 


【老年期】
加齢とともにさらに唾液が減少すると、口腔内はさらに細菌が繁殖しやすい環境に。また、噛む力、飲み込む力、唇を閉じる力が弱くなり、嚥下機能が低下して誤嚥性肺炎にかかりやすくなると、命に危険が及ぶ場合も。

「年代別に口腔ケアを変える」ことが大事!

こうしたライフステージごとの女性ホルモン&口腔環境の変化に合わせて、女性の“お口の悩み”は変化していきます。そのため、「年代によって口腔ケアを変えていくことが大切です」と坂本先生。なかでも重要な、「20代~30代」「妊娠・出産時」「更年期」の3つのライフステージで気をつけるべき対処法のポイントとは?

【成人期(20代〜30代)のお口ケアのポイント】

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定期健診を受けにくくなり、生活習慣の乱れもあって、歯周病や虫歯が急増する20代。加えて、20代は他世代と比較して口腔ケアの実施割合が低いことが上のグラフからもわかります。また、“歯医者は歯が悪くなってから行くもの”という刷り込みがあるためか、平成28年度の調査では、20歳以上で定期的に歯科通院している方は52.9%と、二人に一人という結果も…。

「歯肉炎や歯周病にならないようにするには、悪くなる前に予防することがとても重要。早期発見すれば、通院の負担も医療費も少なくて済みます。でも若い方の中には、定期健診に行かず、ガムやのど飴、口臭予防用の溶けるタブレットなどで、一時的に口臭やトラブルをごまかす対処をしている人が多いのも現状。こうした食品は、その場しのぎで根本的な解決にはなりません。

20代~30代は、まず歯科の健診を定期的に受け、歯肉の下の汚れをしっかりクリーニングすることが第一。もちろん、歯磨きやフロス、マウスウォッシュという毎日の“3ステップ”のセルフケアも大事です。若い頃は、歯周病で歯がなくなるなんて想像もできないかもしれませんが、確実に汚れや歯石は蓄積し、ある日突然、症状となって現れてきます。40代になって急にキレイな歯に戻すことはできないのです(坂本先生)

【妊娠・出産時のお口ケアのポイント】

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上のグラフのように、妊娠・出産時期に歯周病にかかっていると、早期低体重児出産の危険率は、産婦の高年齢やアルコール摂取より約8倍であることがわかっています。坂本先生は、生まれてくる子どものためには、妊娠・出産期だけでなく、お母さんが初経を迎えたときからのオーラルケアが必要だと説きます。

ちなみに、妊娠・出産時のオーラルケアは、つわりで歯磨きを受け付けない場合は、マウスウォッシュでうがいをして口内環境を改善するのがおすすめだそう。

【更年期(40代以降)のお口ケアのポイント】

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鶴見大学歯学部ドライマウス専門外来より

上のグラフを見ると、ドライマウスは40代以降に急増。そして、女性のほうが男性よりかなり多いこともわかります。ドライマウスは、口臭や歯周病などさまざまなトラブルの原因になります。しかし、唾液の減少が進む更年期でも、歯ブラシだけでケアしている人は多いのだそう。

マウスウォッシュでのうがいはもちろん、フロスや歯間ブラシなどのポイントブラシをマウスウォッシュに浸して、お口全体を殺菌するなどプラスのケアをしてください。口腔内の唾液腺をマッサージして唾液の分泌を促進することもおすすめしています」(坂本先生)

また、ドライマウスの人がやりがちなNGケアは、夜寝るときにマスクをすること。苦しくなって口が開いて乾燥し、かえって口内環境が悪化してしまいます。口の乾燥が気になる人は、鼻呼吸用のテープで軽く口を止めて寝る、または日中に口を閉じることを意識して口まわりの筋肉を鍛えるといいそうです。

「3~4カ月に1回のプロフェッショナルケア」と「毎日のセルフケア」を

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全世代に共通するケアのポイントは、3~4カ月に一度のプロフェッショナルケアと、歯磨き・フロス・マウスウォッシュのセルフケアの両軸をしっかり行うこと。セルフケアは、「歯ブラシ、フロス、マウスウォッシュの3ステップケア」習慣づけること。それが、キレイな口腔環境を保ち、口臭を防止することにつながります。

「一度しっかりケアしたあとに歯周病菌が悪さをしてくるのが3〜4カ月後なので、3~4カ月に1回の定期的な健診とクリーニングを推奨しています。歯科医院でのプロフェッショナルケアは、定期健診だけでなく歯のクリーニングも必ず。自分ではケアできない歯肉の中や歯肉ポケット内の細菌の除去をしてもらえます。

次に歯科医院に行くまでの3カ月は90日間。一日3回の食後にケアすると、この間に270回、口腔ケアをする機会があることになります。この数字を見ると、プロフェッショナルケアだけでは足りず、セルフケアがどれだけ重要であるかも理解できると思います」(坂本先生)

しばらく歯医者さんに行っていないな~…と思ったあなたは、さっそく歯科健診を予約して。セルフケアも「歯ブラシ、フロス、マウスウォッシュの3ステップケア」を始めましょう。早くケアを始めるほど、健康な口内をキープできる期間も長くなるはずです。

文/宮平なつき 資料提供/ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社コンシューマー カンパニー

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