口の中の健康状態は、虫歯や歯肉炎、歯槽膿漏といった口内トラブルだけではなく、全身の健康に影響することをご存じですか?

ジョンソン・エンド・ジョンソンのオーラルケアブランド「リステリン」が、口腔ケアに関するさまざまなトピックについて専門家とともにお伝えする「オーラルヘルスアライアンス」。6月に開催されたその3回目では「銀座並木通りさゆみ矯正歯科デンタルクリニック81」院長の坂本紗有見先生が、オーラルケアと美容、健康をテーマに講演してくれました。今回はその中から、「オーラルケアと全身の健康について」をテーマにレポート!

坂本 紗有見 先生

銀座並木通りさゆみ矯正歯科デンタルクリニック81院長

坂本 紗有見 先生

1986年に東京歯科大学卒業後、東京歯科大学歯科矯正学講座入局。'93年に日本矯正歯科学会認定医を取得し、'96年に坂本歯科副院長に就任。2005年より、現・銀座並木通りさゆみ矯正歯科デンタルクリニック81院長に。日本美口協会代表理事。日本矯正歯科学会 認定医。日本成人矯正歯科学会 常務理事。日本アンチエイジング歯科学会 常任理事。

まだまだ認知されていない「口内環境と全身疾患の関係」

オーラルケアが全身の健康にも美肌にもつながるって知ってた?【知って驚くオーラルケア最新事情 Vol.2】_1

上の図でオーラルケアと関係あるもの…それは全部です!
今年の5月29日に、政府が“国民皆歯科健診”を検討しているとのニュースが報じられたのも、口の健康が全身の健康、病気の予防に密接にかかわることが明らかになっているため。“口腔ケア”は、将来的に医療費の削減につながるとして、政府も注力して進めている重要トピックなんです。

オーラルケアが全身の健康にも美肌にもつながるって知ってた?【知って驚くオーラルケア最新事情 Vol.2】_2

「口元のケアに関する調査」(株式会社be-king調べ)
調査期間:2018年12月23日~2018年12月29日 対象:全国の20代~50代男女 N=1,132

こちらは2018年に行われた「口元のケアに関する調査」(上記グラフ)。糖尿病、高血圧症、心筋梗塞、肥満、蓄膿症、肺炎、アルツハイマー、認知症、早産などの疾患やトラブルと、口腔ケアが関係があることを知っているか尋ねたのに対し、健康や生活習慣について意識しはじめる40代以上でも回答の平均は半分未満。20代にいたっては31%という低い数字でした。

歯周病菌は口腔内にとどまらず、体じゅうに流れて全身疾患を引き起こす!

オーラルケアが全身の健康にも美肌にもつながるって知ってた?【知って驚くオーラルケア最新事情 Vol.2】_3

なぜ口の健康状態と全身の病気が関係するのでしょう? それは、歯周病菌が口の中だけにとどまらず、歯茎の血管に入り込んだり、唾液とともに体じゅうに流れることによってさまざまな疾患を引き起こすからなのだそう。



歯周病菌は空気を嫌う菌なので、歯茎や歯肉の中に入り込んで、血液を経由して全身へ流れ、流れ着いたところで疾患を起こします。また、誤嚥(ごえん)によって歯周病菌が肺に入り、肺炎を起こして死亡する方も少なくありません」と坂本先生。歯周病菌を口の中で増やさないことがいかに大切かを思い知らされますね。



また近年は、歯周病がある人は認知症になりやすいという研究結果も発表されたそう。

「歯周病は強烈な臭いを発します。認知症の患者さんがいるお部屋は独特の臭いがすることから、認知症専門医の長谷川嘉哉先生が口腔環境と認知症の関係について研究。2018年には、国立循環器病研究センターが虫歯・歯周病と脳卒中・認知症との関連を検証する研究を開始しましたし、2020年には、九州大学などの研究チームが、認知症の原因物質が歯周病菌によって脳に蓄積する仕組みを解明しています」(坂本先生)

口腔内に潜むアクネ菌を殺菌することでニキビケアになる

マスクが原因の肌悩みがあるかを尋ねた回答グラフ

ドクターシーラボ調べ 対象:全国の20代~40代女性 N=7,177人

一方こちらは、2021年4月に実施された、20代〜50代女性を対象にした「敏感肌に関するアンケート」の調査結果。多くの女性が、マスク時の肌トラブルに悩んでいることがわかります。

「女性の関心はどうしても、オーラルケアよりスキンケアに向きがちです。しかし、海外の研究では、口腔内に潜むアクネ菌を殺菌することで、マスクなどで菌が皮膚に広がることを防ぎ、ニキビがケアできる可能性があるとの報告があります。口腔内の菌は、ケアしないでいると全身のあちこちでトラブルを起こしてしまいます。どうしても治らないニキビに悩んでいる方は、もちろん皮膚科に行くことも大事ですが、一度、口腔殺菌をしっかりしてみることも有効かもしれません」(坂本先生)

仮説ですが、口呼吸を治して鼻呼吸にすることでアトピーや皮膚疾患が改善するともいわれているのだそう。口内環境と肌には、思った以上に密接な関係があるのかもしれません。

文/宮平なつき 資料提供/ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社コンシューマー カンパニー