本格的な冬が近づき、お部屋の暖房も必須になるこの季節。緊急事態宣言は解除されましたが、今年も感染対策をしつつの冬本番になりそうです。こまめな換気が大切ですが、「寒いから」「電気代が高くなるから」といった理由で窓を開けての換気をためらう人も多いのでは?

そこで、エアコンや空気清浄機などのメーカー「ダイキン」が、冬場の上手な換気方法とエアコンの節電法を教えてくれました!

ウィズコロナ時代の冬は、正しい「換気と加湿」で温かく&おトクに感染予防!_1

基本を押さえて、冬こそ効率的で快適な換気を実現

換気の基本的なポイントは3つ。
①24時間換気システム(※住宅内の空気環境を維持する設備。2003年の改正建築基準法ですべての住宅に設置することが定められています)を正しく使う
②窓を開けて空気の通り道を作る
③窓がひとつしかないなど、空気の流れができづらい場所では、台所の換気扇を活用する

この3点に加えて、冬特有の対策を組み合わせるのがおすすめだといいます。その対策とは…?

冬場の朝や帰宅時は、まずエアコンの暖房を入れて、部屋が暖かくなってから窓を開けて換気すること。その際、エアコンはつけっぱなしでOK! 冷えた壁や床、天井をまず暖めておくことで、窓開け換気をしても部屋の温度が下がりにくくなっているからです。エアコンのタイマー機能を使って、帰宅時間や起床時間に合わせて部屋を暖めておくのもいいですね。

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窓開け換気をするときの回数は、夏なら1時間のあいだに5分間の換気を2回。寒い時季には、5分より少し短めの換気を1時間に2回することを目安にしましょう。上のイラストのように、冬場は夏場と比べて室内と室外の温度差が大きいもの。暖かい空気は冷たいところに逃げようとするため、窓を開けると空気が自然に外に流れやすくなります。そのため、冬は短い時間でも十分に換気できるのです。どうしても寒くて窓を開けられないときは、空気清浄機を使って「みなし換気」をするのも有効です。

そして、エアコンをつけたまま換気をする場合は、できるだけエアコンから離れた窓を開けること。エアコンの暖かい空気が近くの窓から出てしまうと、部屋を効率的に暖めることができず、電気代が上がる原因に。

換気と一緒に「湿度をコントロール」するのがコツ!

さらに、湿度をコントロールすることで、体感温度もアップし、快適に過ごすことができるのだとか。下の画像を見ると、室温が低くても湿度が上がることで体感温度はアップすることがわかります。これからの季節、うまく加湿器を利用したいですね。

最近はさまざまな加湿器がありますが、タイプ別に有効な置き場所があるんだそう。
スチーム式の加湿器は、エアコンの風の通り道に置くと、水分を部屋の隅々にまで運ぶことができます
加湿機能付き空気清浄機は、エアコンの正面側の壁のあたりに置くと、エアコンの風と空気清浄機の風がうまく循環するため、効率よく加湿できます

加湿器の置き場所としてNGなのは窓際。屋外の気温で冷やされた窓ガラスで水蒸気が結露してしまうため、せっかく加湿しようとしても部屋の湿度は上がりません。

湿度が高いと肌が温かく感じる画像比較

湿度が高いと温かく感じる。
同じ温度でも、湿度が上がると肌は温かく感じます。
※比較写真は体表温度の差を示したもの(入室15分後のデータ)

エアコンを賢く使って電気代を節約!

冬は夏に比べて室内と室外の温度差が大きいことから、エアコンに負荷がかかるので電気代が高くなりがちです。少しでも節電するには、エアコンの上手な使い方をチェック!

●風向きルーバーは下向きにして、床付近から暖める
冷たい空気は下に、暖かい空気は天井付近にたまりやすいので、部屋全体を素早く暖めるには、まず風向きを下にするのが大事。床に向かって出された暖かい空気は自然と天井に向かって上がっていくため、部屋全体を暖めることができます。

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●スイッチのオン・オフで温度調節を行わない
エアコンは寒い部屋を一気に暖めるときに多くの電気を使います。一方、設定温度まで暖めたあと、設定温度を維持しているときは少ない電気ですみます。部屋にいるときは、スイッチの入切を控え、エアコンの温度調節機能に任せるのがおすすめ。

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●フィルターのこまめな掃除で電気代の無駄をカット
これは知っていてもなかなかできない人も多いのでは? でもフィルター掃除をすることで、年間25%も電気代を節約できるのです! 2週間に一度、フィルターを水洗いするか、ほこりを掃除機で吸い取りましょう。汚れがひどいときは、中性洗剤を溶かしたぬるま湯で洗い、日陰でよく乾かして。

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●室外機の前はスペースを広くとる
エアコンは、室外機から外の空気を吸い込んで、ヒートポンプという仕組みで空気の中に存在している“熱“を取り込みます。その“熱“で暖めた空気で部屋を暖め、熱が奪われた冷たい外気を室外機から外へ吐き出しているのです。室外機にカバーをしたり、まわりに物を置いてしまうと、室外機が吐き出した冷たい空気をまた室外機が吸い込むことになり、空気中の“熱“を取り込む効率が落ちてしまうので、室外機のまわりには物を置かないように注意!

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コロナ禍の冬は“換気+エアコンつけっぱ+加湿“がおすすめ!

ちなみに、マンションの広めのリビングを使った空間で2つの調査をしたところ、「エアコンのつけっぱなし」と「換気時の加湿」について節電にもつながる結果が!(※1つの住宅を使用し、天気や気温などの条件が近い複数の日に実施。調査結果はあくまで今回の条件に基づくものであり、住宅やエアコン、気候によって結果は変わります)

調査①:冬の窓開け換気時に、エアコンをつけっぱなしとこまめにオン・オフした場合、どちらが消費電力量が少なくすむ?
エアコンをつけっぱなしにした場合の電気代は、94円。一方、こまめにオン・オフした場合は108.5円でした。換気をするたびにエアコンの電源をオン・オフするよりも、つけっぱなしにしたほうが電気代は1日で約14.5円安いという結果に。5分換気する程度であれば、エアコンはつけっぱなしにしておいてよさそう!

調査②:冬の窓開け換気時に、加湿をする場合としない場合では、どちらが快適?
調査の結果、加湿をした場合は、加湿をしなかった場合に比べて約10%も湿度が高くなりました。加湿をすることで、快適な湿度の目安となる40%以上を保ちやすいとのこと。換気と加湿はセットでぜひ行いたいですね。

空気が冷たく、乾燥しがちな冬は、夏以上に上手な換気方法を知っておくことが肝心。こまめな換気は感染予防にもつながります。室温を下げずに、電気代も上手に節約。賢い換気&加湿で、快適な冬を過ごしましょう!

構成・文/長岡絢子 資料画像/ダイキン工業 Photo by Jelena990/iStock/gettyimages