双子のマナとカナ、ユウキ、ユナの4人から成る、NEO - ニュー・エキサイト・オンナバンド、CHAI(チャイ)の連載『CHAISM(チャイズム)』。今回は、約2年ぶりとなる北米ツアー「WINK TOGETHER NORTH AMERICA TOUR」を終えて帰国したばかりのメンバーに、ほぼ2カ月間に及んだツアーの日々を振り返ってもらいました! 4人が現地で見て、聴いて、味わって、感じたこととは?

愛にあふれた北米ツアーで見た、忘れられないきらめく景色

「泣きながらドラムを叩いていた」。CHAIが2年ぶりの北米ツアーで見た景色。【連載】CHAISM vol.9_1

——皆さん、おかえりなさい! 約2年ぶりとなる北米ツアーはいかがでしたか? 印象に残っている景色やでき事を教えてください!

全員 ただいま〜! すっごく楽しかった!

マナ この2年間は、歓声がない中でライブをしていたから、アメリカで久しぶりにファンのみんなの歓声を聞けてすごく感動した!

カナ 自分の歌声が聴こえなくなるくらいのボリュームで、お客さんがシンガロング(一緒に歌うこと)してくれて。そのときに、「みんなと対話してる...!」って強く感じることができて最高だった。

ユナ ひと言で表せないくらい濃密な2カ月間だったから、ツアー初日がもう遠い昔のことに感じるくらい。初日の公演でステージに上がった瞬間、大歓声を浴びたときは鳥肌が立ったし、お客さんのエネルギーを目一杯受けたことで、私たちもエネルギー全開でライブをすることができたよ。お客さんと私たちの持つパワーの相乗効果で、すごく素敵なライブ空間が作れたと自負してる♡

ユウキ 私はコロナ禍に入ってから、無歓声の中でライブをすることに慣れつつあったの。でも、今回の北米ツアーで、お客さんのリアクションを直接浴びたり、表情や音楽に乗って体を揺らす姿を目の当たりにして、ライブの醍醐味を思い出すことができた。
あと、みんながスマホのライトを掲げて曲に合わせて揺らしてくれた景色が忘れられない! あまりの美しさに驚いたけれど、スマホがない時代はライターを灯したりしてたって話も聞いて。そういう体験を通して、ライブの楽しみ方は無限大だと気づくことができたし、今後のライブづくりのヒントをもらった気がする。

ユナ ニューオーリンズ公演の『Donuts Mind If I Do』の曲のときだよね。私もその光景を見た瞬間に、すべての人への感謝の気持ちが一気にあふれてきて、泣きながらドラムをたたいていた。受け取った愛を源に、いい音楽を作って、またみんなに会いに行きたい!

「泣きながらドラムを叩いていた」。CHAIが2年ぶりの北米ツアーで見た景色。【連載】CHAISM vol.9_2

マナ あと、印象的なでき事といえば...私たちの衣装やグッズを積んでいたトレイラーが盗難にあったことかな。

ユウキ たった2分間、目を離したすきに…。トレイラーまるごと盗まれてしまったんだよね。

マナ 事件が起きたときはショックだったけど、一緒にツアーも回ったアーティストのMitskiがすぐに9ドネーションを立ち上げてくれたり、大勢の人がSNSでこの事件について発信&サポートしてくれたおかげで、ツアーを続けることができたよね。

ユナ 本当にみんなに感謝してる。トレイラーを盗まれたのはオースティンという街だったんだけど、翌日にはその街から移動しないといけなくて。でも、次に向かう場所には衣装がそろいそうなショップがあまりないってことで、慌てて衣装の買い出しに走ったよね。
みんなで急遽チュールを手縫いして衣装を作ったんだけど、いざステージに上がってみたら、ブチブチブチっと糸がほどけちゃって…。困っていたら、ツアーに同行していた音響スタッフさんが「俺はミシンが使えるんだ!」って言ってくれて! 急いでミシンを買いに行って、手縫いの部分を補強してもらったんだよね。

マナ そう、そう。あと、以前からCHAIが衣装として着用していたオーストラリアのブランド「SUKU HOME」が、事件のことを知って新しい服を送ってくれたりもして! 本当にありがたかった。みんなの力で困難を乗り越えることができました。













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“伝えること”の素晴らしさを思い出した北米ツアーでのでき事

「泣きながらドラムを叩いていた」。CHAIが2年ぶりの北米ツアーで見た景色。【連載】CHAISM vol.9_3

———以前、この連載で「私の体とファッション」をテーマにトークしたとき、海外ツアーの経験によって「ありのままの自分を表現することの大切さ」に気づいたことを明かしてくれました。今回のツアーでも、“気づき”につながったことはありますか?

ユウキ コミュニケーションを楽しむことの大切さを再確認させてもらった! というのも、アメリカ滞在中、道を歩いているときに見知らぬ人から「Excuse me, I like your jacket!」と声をかけてもらうことがすごく多かったの。わざわざ車の窓を開けて、「I love your jacket!」と叫んでくれる人までいて(笑)。ただ道ですれ違っただけの私に、「あなたのジャケット素敵!」なんてきちんと言葉にして伝えてくれる。そんなコミュニケーションにすごく刺激を受けたんだよね。
アメリカのお客さんは、音楽の楽しみ方もエネルギッシュ。ライブでも、「あなたが好き」「楽しい」「最高」ってストレートに伝えてくれて。私も誰かに対して「素敵!」と思ったときは、ちゃんと言葉にして伝えたいなって思いました。

「泣きながらドラムを叩いていた」。CHAIが2年ぶりの北米ツアーで見た景色。【連載】CHAISM vol.9_4

———コミュニケーションスタイルだけでなくあらゆる面で、アメリカは日本とは異なる文化を持っていますよね。文化の違いに合わせて、日本とアメリカの公演の演出や内容を変更することはありましたか?

ユウキ 具体的に変えたのは、いつもライブで披露している自己紹介ラップくらいかな。日本で公演するときは、日本語と英語を織り交ぜたラップをしていたけど、北米ツアーではすべて英語にして、CHAIを“伝える”ための努力をした。ちなみに今は、もっと英語を話せるようになるために勉強しているよ!

マナ 私も! 今回のツアーで、自分の考えをうまく伝えられなかったり、出会ったアーティストたちとも言葉の壁がなければもっと仲良くなれたのにと思うことがよくあって、めちゃくちゃ悔しかったから。もっと自由に英語を話せるようになりたい!













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三者三様の表現とキャリア。“違い”に見た進化のヒント

N.E.O. (Live in Brooklyn) – Special Ver. with Su Lee

———日系アメリカ人のシンガーソングライター・Mitskiさんの「Mitski 2022 tour」に参加したり、韓国出身のSu LeeさんがCHAIさんのツアーに参加されたりしましたが、お二人とツアーを回っていかがでしたか。

マナ
 少しダークな印象の曲が多いMitskiのライブって、まるで彼女が主人公の舞台を観ているような演出をしているの。特に印象的だったのは、全身をかきむしるシーン! 恐怖すら感じるところが、本当に素晴らしかった。

ユナ Mitskiのライブはすごくメッセージ性が強くて、心のままに表現をするアーティストだよね。お客さんも熱狂的で、彼女の音楽がみんなの心の支えになっていることがライブを観ていてすごく伝わってきた。ステージ上ではカリスマ性を発揮しているけど、バックステージで話すとすごく繊細で美しい心を持った人。彼女からたくさん刺激を受けたなぁ。

ユウキ そう、あんなに活躍しているアーティストなのに、まわりに壁を感じさせない。オープンマインドで、とっても素敵な人だよね!

カナ トレイラーが盗まれたとき、すぐに9ドネーションを立ち上げてくれたり、グッズがなくなってしまった私たちのためにMitskiのグッズにCHAIがサインをして販売する提案をしてくれたり、多大なるサポートをしてくれて、感謝の気持ちでいっぱい。
Suは、すごく面白い人ですぐに友達になれた! 彼女は日本のアニメが好きで、アニメを観て学んだ日本語で話しかけてくれたりして。

ユナ そうそう。Suは愛嬌があって、人の心をつかむコミュニケーションの天才だよね。ライブの見せ方も上手で、ほかのアーティストへのオマージュを取り入れたステージも最高に面白かった。

マナ あれ、めっちゃ面白かった! エンターテイナーだなって思った瞬間だったわ。

「泣きながらドラムを叩いていた」。CHAIが2年ぶりの北米ツアーで見た景色。【連載】CHAISM vol.9_5

ユウキ 私たち3組は、バックヤードでそれぞれが一人の人間として接しているときはすごく近い存在なんだけど、アーティストとしての曲のテイストや魅せ方、表現の方向性はまったく違うよね。しかも、Suは、今回が初の海外ツアーで。ルーキーのSu Lee、ベテランのMitski、そして中堅のCHAIっていう、魅力も経験値も異なる3組が一緒にツアーを回ったことで、「CHAIはもっとこうしたいな、こうしたらいいのかな」っていう気づきがいっぱいあった。

カナ 二人とも個性的で、強くて、かっこいい。尊敬する部分が本当に多くて。もらったたくさんの刺激を、これからに生かしたい!

CHAIが生み出す、最高の音楽を聴こう!

CHAI

バンド

CHAI

双子のマナ ( Vo.&Key. ) 、カナ ( Vo.&Gt. ) 、ユウキ ( Ba.&Cho. )、ユナ ( Dr.&Cho. )で編成された、4人組の“NEO - ニュー・エキサイト・オンナバンド”。2017年にリリースの1stアルバム『PINK』がチャートを席巻。2020年には、USの老舗レーベルSUB POPと契約し、2021年には、3rdアルバム『WINK』を発売。その勢いは日本国内にとどまらず、ワールドワイドに活躍中! 公式サイト■https://chai-band.com

タイトルカリグラフィー/金澤繭子 取材・文/海渡理恵 企画・編集/高戸映里奈(yoi)

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