双子のマナとカナ、ユウキ、ユナの4人から成る、NEO - ニュー・エキサイト・オンナバンド、CHAI(チャイ)の連載『CHAISM(チャイズム)』。メンバー一人ずつにフォーカスするスペシャル月間の3番目に登場するのは、ボーカル&キーボードのマナさん。yoiのインタビューでも名言メーカーとしていつも私たちをひきつけ、自身も大好きだと公言しているアニメやマンガの主人公のような存在感を放つマナさんを、「Ready for Action」というコンセプトで撮影&インタビュー。力のある言葉を発信し続けられる理由や、ポジティブマインドの育て方について明かしてくれました。

CHAI・マナ「“愛”と“野心”でしがらみを解き放つ」【連載】CHAISM vol.13_1

好きなものには思う存分「愛」を炸裂させる

——「もし、マナさんがアニメやマンガの主人公だったら…?」というテーマで、マナさんが好きな世界観をコミック調に表現した撮影はいかがでしたか?

めちゃくちゃ楽しかった〜! ピンクは生まれた瞬間から好きなんだよね。子どもの頃はピンクの服しか着てなかったと言っても過言じゃないし、なんでも「ピンクのものは私のもの!」と奪い取るのに必死だった(笑)。いつか部屋をまるごとピンクに染めてみたいって夢があるくらい。衣装も直感で「かわいい!」って手に取ったし、髪型は『ドラゴンボール』のスーパーサイヤ人みたいでしょ(笑)?

CHAI・マナ「“愛”と“野心”でしがらみを解き放つ」【連載】CHAISM vol.13_2

——そもそも、アニメやマンガを好きになったきっかけは?

高校生のときに軽音楽部の仲間に出会って教えてもらうようになってから。その時期から自分の趣味嗜好を確立していったかな。小学生のときは、鉄棒でスカート回りばかりしてるおてんばで、年に5回はスカートを破っているような子でした(笑)。

これまでたくさんのアニメやマンガ作品に触れてきたけど、『うる星やつら』や『らんま1/2』の高橋留美子先生の絵は、この世でいちばん好き! 女の子が本当にかわいいんだよね。ストーリー含めて大ファンなのは、『ハイキュー!!』。高校のバレーボール部を題材にした作品で、毎日必ず1エピソードはDVDで観かえすほどのオタク。観るとモチベーションが上がるー! お気に入りのエピソードは、シーズン4で描かれる、春の高校バレー全国大会の2回戦。主人公が試合の流れを変えるナイスレシーブをするんだけど、そこがカッコよくて泣けちゃうの。

——北米ツアーにも、キャラクターのフィギュアを持っていってましたね! 

そうそう! キャラクターフィギュアは私にとってお守りのような存在で、北米ツアーにも『ハイキュー!!』の影山飛雄ってキャラクターのフィギュアを持っていったよ。「無事にツアーを乗り切れるように私たちを守ってね」って(笑)。ちなみに、スーパーサイヤ人のフィギュアは、自宅の守護神として玄関に置いてあります。大好きなアニメのキャラクターが、私の心を強くしてくれているんです。

心の切り替えはスピード勝負。ネガティブになる暇を与えない

CHAI・マナ「“愛”と“野心”でしがらみを解き放つ」【連載】CHAISM vol.13_3

——マンガの主人公のように、どんな逆境にもめげることのない強さを持つマナさん。そのポジティブマインドを育てる秘訣は?

私の場合、あきらめも切り替えもめちゃくちゃ早いし、そうする努力をしてる。「明日から絶対やる!」とか「もうやらない!」とか、スピード勝負。考え込んでしまうとネガティブになるだけだから。じっくりと考えるのは、曲を作るときと自分のためになるときだけにしています。

——ちなみにマナさんが理想とする主人公像はありますか?

私、ずっとピカチュウになりたかったんだよね! ピカチュウは、皆を包み込む優しさと、年齢関係なくいつまでも変わらない愛くるしさを持ってる。まさに真のエンターテイナー! ビッグサイズのぬいぐるみを持っているほど大好きで、理想の主人公像です。

——年齢といえば、CHAIとして活動をしていてエイジズムを感じることはあるのでしょうか。

ある、ある! 「若くないと何もできないのかな?」と思っちゃうこともある。CHAIが年齢を公表していないのは「この年齢だからこういう音楽をしているんだね」という聴かれ方をしたくないから。余計な先入観なく私たちの音楽を楽しんでほしいし、CHAIはそうしたしがらみに縛られず、いちばんの夢を与えられる存在でありたいなって思っています。

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自分にとって、社会にとって、意味のある闘争心は美しい

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——アニメやマンガのほかに、影響を受けたカルチャー作品はありますか?

TVドラマ『ロングバケーション』は、友達がおすすめしてくれて観てみたらめちゃくちゃハマった! 音楽もファッションもストーリーも最高! あまり知られていないけれど挿入歌がすごくかっこよくて、サウンドトラックを毎日のように聴いてる。収録曲の中でも、『Deeper and Deeper』がイチ押し。職業柄、ほかのアーティストの曲を聴くと「このパターン、先にやられた。くやしいー!」って嫉妬したり分析してしまって純粋に音楽を楽しめないことも多いけど、この楽曲はドラマのために編成されたチームが制作しているってこともあって、あれこれ考えずに曲を楽しむことができるんだよね。

——嫉妬心といえば、これまでのインタビューでもマナさんから「トップを獲りたい」「グラミー賞を受賞したい」といった、野心や闘争心を感じる発言が何度かありました。そういった思いを内に秘めるのではなく、堂々と口にする姿はカッコいいなと。

根っからの負けず嫌いっていう性格もあるけれど、私は“証明”が欲しい。スポーツでいう金メダルみたいに、音楽において「CHAIが世界で認められた」っていう証明。だから、「負けたくない」っていう気持ちは大切にしてる。

さらに、今は自分のことだけでなくて、世の中のいろんなことに対しての闘争心も持ってるかな。「まだそんな差別してるの?」「 まだ“男だから○○、女だから○○”とか言ってるの?」 とか。おかしいと感じていることは誰かがおかしいって声をあげていかないと、社会は変わっていかない。だから私は「思いを伝える」ために音楽をやっているんだよね。クサすぎる言葉だけど、やっぱり平和がいちばんだと思うから。

相手にも自分の心にも絶対にウソはつかない

CHAI・マナ「“愛”と“野心”でしがらみを解き放つ」【連載】CHAISM vol.13_6

——マナさんはインタビューでもライブのMCでも、自分の思いをユニークかつパンチのある言葉で表現していますが、そうしたパワーのある言葉はどのように身につけましたか?

私の言葉に力があるなんてびっくり! 学生の頃は本当に勉強が苦手で、相手に理解してもらえるように話すことができなかったタイプだし、今でも「何言ってるの?」と言われることも多いよ(笑)。人を納得させる手段が音楽しかないから、バンドを始めたくらい。でも、そう言ってもらえるってことは、音楽を通してメッセージを発信し続けたことで、いつの間にか言葉に力がついたんだと思います。「恥ずかしい」とか「嫌われちゃったらどうしよう」っていう弱い部分は今もあるけれど、音楽を通して自分の見せ方もわかるようになった。音楽は唯一の私の居場所。

CHAI・マナ「“愛”と“野心”でしがらみを解き放つ」【連載】CHAISM vol.13_7

——自分の考えやおもいを伝えるときに、マナさんが大切にしていることは?

「ウソをつかない」こと。身近な人と話すときもライブのMCでも、等身大であることを心がけてる。好きだと思ったら好き、嫌だと思ったら嫌、会いたいと思ったら会いたいって、シンプルかつストレートに伝えるようにしています。


こう思うようになったのは、昔、ウソをついて後悔したことがあるから。あと、海外ツアーの経験から、初対面でも壁をつくらずに思ったことをきちんと伝えるコミュニケーションのあり方に影響されたのもある。いいなと思ったら、「You are beautiful!」とちゃんと言葉にできるってすごく素敵!

——以前、ユウキさんも北米ツアーを通して、ストレートに気持ちを表現することの大切さに気づいたと言ってました。一方で、本音で話すのは勇気がいることもでもあると思いますが…。

「嫌われちゃうかな…」と考える時間があるなら、相手とぶつかってセッションしてみたほうが楽しいと思うな! 相手の反応をうかがっていてもキリがないし、自分の意見を伝えてみないと、そこから先のコミュニケーションは生まれないから。考えすぎなくていいと思うよ!

CHAI・マナ「“愛”と“野心”でしがらみを解き放つ」【連載】CHAISM vol.13_8

今は人生の分岐点。これからの「私」が楽しみ!

——事前アンケートで「自分を表すなら静と動のどっち?」という質問に、「完全に動!」と回答していたマナさん。その理由は?

もともとじっとしてられないタイプで、休日もアニメを観て、運動をして、の繰り返しでずっと動いている! あと、北米ツアーでの経験が、私を完全に「動」のモードにしたんです。ライブで歓声を浴びてすごく気持ちよかったし、自分を褒めてあげたいほど頑張ったけど、同時にめちゃくちゃくやしい思いもしたんだよね。もっとお客さんに笑顔になってほしい、もっとハッピーあふれるライブにしたいって。そうやって反省をして、自分がやるべきことがハッキリしたからこそ、もっといろんなことをインプットしたい。いろんな人に出会いたいって欲が高まったんです。今、自分は人生の分岐点にいるような気がしているから、これから私がどう変化していくか、楽しみにしていてください!


 

CHAI・マナ「“愛”と“野心”でしがらみを解き放つ」【連載】CHAISM vol.13_9

▶︎次回は、6月26日(日)公開予定! ラストを飾るのはユウキさんのインタビュー、お楽しみに♡

CHAI

バンド

CHAI

双子のマナ ( Vo.&Key. ) 、カナ ( Vo.&Gt. ) 、ユウキ ( Ba.&Cho. )、ユナ ( Dr.&Cho. )で編成された、4人組の“NEO - ニュー・エキサイト・オンナバンド”。2017年にリリースの1stアルバム『PINK』がチャートを席巻。2020年には、USの老舗レーベルSUB POPと契約し、2021年には、3rdアルバム『WINK』を発売。その勢いは日本国内にとどまらず、ワールドワイドに活躍中! 公式サイト■https://chai-band.com

Tシャツ¥42,900・パンツ¥50,600・サングラス¥34,100(着用分)・タンクトップ¥20,900・パンツ¥42,900(床に置いたもの)・ソックス¥5,280(床に置いたもの)/ENKEL(doublet)  スニーカー¥16,500/FOOLS Inc(grounds)  イヤーカフ¥23,100・ブレスレット¥68,200・リング¥27,500/SARARTH カスタマーサポート(SARARTH)

【SHOP LIST】
FOOLS Inc  customer@fools-inc.com
SARARTH カスタマーサポート  customer@sararth.con
ENKEL  03-6812-9897


撮影/久野美怜(SIGNO) ヘア/夛田恵子(mod's hair) メイク/YUKA HIRAC(VOW-VOW) スタイリスト/小林聡一郎 動画撮影・編集/梶 祐輔 取材・文/海渡理恵 撮影協力/AWABEES 企画・編集/高戸映里奈(yoi)

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