道具は不要、日常のすき間時間に行える骨盤底筋トレーニングを、産婦人科医でスポーツドクターの高尾美穂先生が指南! ハードな動きではないので、運動が苦手な人でも簡単。「毎日継続して行えば、2カ月で効果が出ますよ」。尿もれ改善のために試してみて。

産婦人科医
高尾美穂先生
女性のための統合ヘルスクリニック「イーク表参道」副院長。産婦人科医、スポーツドクター。長年ヨガを愛好し、講師としても活動し、著書に『超かんたんヨガで若返りが止まらない!』(世界文化社)などがある。
骨盤底筋と連動して動く周辺の筋肉を利用して鍛える!
骨盤底筋は体の中にあるために目で見えず、力を入れる感覚がわかりにくいので、トレーニングしづらい部分といえる。
「骨盤底筋は本来、ピンポイントで動かすことができる筋肉ですが、最初のうちはむずかしい。そこで周辺の筋肉を使うトレーニングが効果的。骨盤底筋はおなかや背中、内ももなどの筋肉と連動して動く仕組みになっているので、最初はそれらの筋肉を使った間接的アプローチのエクササイズ、慣れてきたら骨盤底筋にダイレクトに効かせるエクササイズ、と段階を踏んでやってみましょう」(高尾先生)。
簡単だけど効果抜群!<基本の動き>10秒キープ×2回

1.あお向けに寝て、膝は軽く曲げる。両手は体の横に自然に伸ばしておく。膝頭は合わせ、膝から下は両側に広く開く。

2.足をつく位置をおしり側に寄せてから腰を持ち上げていき、おしりと内ももに力を入れながら膝から胸までが一直線になったところで止めて10秒間キープ。おしりに手を添えると、より力が入れやすい。

膝から下をそろえてしまうと、ももの内側に力が入りにくく、骨盤底筋に効きにくい
リモートワーク中も意識してみる

イスに腰かけ、両膝の間に厚さ10㎝程度のものをはさみ(巻いたヨガマットやクッションなどでOK)、落ちないようにキープしながらデスクワーク。ずっとはさみながらはできないけれど、だんだんと長くできるように。内転筋を使うことで骨盤底筋を鍛えられる。
取材・原文/遊佐信子 イラスト/藤井昌子
※エクラ2020年11月号掲載/Web eclat 2020.10.10掲載