ファッション性の高い吸水ショーツや吸水ブラレットが話題となり、フェムテック業界を牽引するブランドとして注目を集める『Rinē(リネ)』。このブランドを立ち上げたのが、ミュージシャンから飲食店ディレクターまでという異色の経歴をもつ信近エリさん。ブランド立ち上げの経緯や商品開発秘話についてお話いただいた前編に続き、後編は信近さんの仕事に対する考え方やプライベートについてお届け。お話しを伺うと、驚きのこだわりが次々に飛び出してきました。

フェムテック ブランド『Rinē』代表・信近エリさんがこだわる、持続可能な選択肢の見つけ方【後編】_1

『株式会社Neith(ネイト)』代表取締役CEO

信近エリさん

シンガーソングライターとしてアーティスト活動をしながら、飲食店のディレクションや運営などビジネスの実績を積む。多忙を極める自身の体や心と向き合うなかで、「こんな製品があったらいいのに」という発想と徹底したマーケティングリサーチのもと、2020年に『Neith(ネイト)』を立ち上げ、2021年にフェムテックブランド『Rinē(リネ)』をローンチ。ユーザーの声を真摯に受けとめ、商品の企画や開発に反映させている。

体からのSOSで気づいた「休むこと」の大切さ

吸水ブラレットについて説明する信近さんの手元

――信近さんのお話からは、フェムテックに対してビジネスとソーシャルアクションの両方の観点から取り組む熱意をとても感じます。そのエネルギーの源や、働き方への考えはどこから?

熱意というのはおこがましいくらい、本能のままに仕事しているんです(笑)。ゲーム好きの方が、休みの日に何時間でもゲームしつづけられるみたいなもので、今いちばんハマっているものや興味があることに自分の時間をすべてあてられているのが楽しくて仕方なくて。

――オンとオフ、仕事とプライベートの境界線がないんでしょうか?

そうなんです。つい数カ月前まで、「オフの時間って私にはまったく必要ない!」と思っていたくらい。仕事とはいえ好きなことをやっているだけだし、自分の高揚感に従って生きているタイプなので、今の私にとっていちばんエキサイトできるのが仕事なんです。

でも最近、赤ちゃんの手のひらぐらい大きな円形脱毛ができてしまって。睡眠時間は取るようにしていたし、ストレスも感じていなかったので本当にびっくりしました。でも、四六時中仕事のことを考えているのって、体からすればずっとなにかに悩んでいるのと同じ状況なんですよね。だから、円形脱毛という形で体からのSOSサインが出てしまったのかもしれません。

そんな経験を経て、36歳にしてやっと「体にも心にも、オフって必要なんだ」と知りました(笑)。家でゆっくりしていてもつい仕事してしまうので、最近は意識的に仕事から離れる時間をつくるようにしています。パートナーが犬を飼っているので、一緒に犬の散歩をしたりドッグランに出かけたりすることで、仕事のことを考えずにいられるようにもなりました。

自分にも環境にも優しいのは“長く使いつづける”こと

フェムテック ブランド『Rinē』代表・信近エリさんがこだわる、持続可能な選択肢の見つけ方【後編】_3

ーー今、自分の体に向き合ううえで心がけていることはありますか?

睡眠はできるだけ優先して取るようにしています。『リネ』を起業する前、飲食店のディレクターをしていたときは忙しくて睡眠時間が取れなくて。3日に1回徹夜、毎日2~3時間眠れたらラッキー! っていう多忙な生活を続けていたら、最終的にメンタルが不安定になり、理由もなく涙が出てくるようになってしまったんです。事業はうまくいっているのになぜかいつも悲しくて。体と心はつながっているんだなと初めて思い知ったのはそのときですね。だから睡眠だけは絶対に取ろう! と決めています。

美容に関しては、化粧品もクリニックもサプリメントも、“自分にとってベストかどうかで選ぶ”ことを心がけています。例えばレーザー治療をしたいと思ったら、レーザー機器の種類について調べて知識を持ってから、自分が求める治療内容と効果にベストな機器を見極めて、その機器を使っているクリニックのコスパを比較します。こだわらないと気が済まない性格が、ここでも発揮されてるんですよね(笑)。

サプリメントは、疲労回復とアンチエイジングが期待できる抗酸化作用のある成分を調べて比較。私の場合、ビタミンCとアスタキサンチンをとるのがいいという結論にたどり着きました。最近はさらに、ポリフェノールの一種であるレスベラトロールのサプリメントも飲んでいます。健康にも美容にも近道なんてない。だからこそ、エビデンスがあって信頼できる、“持続可能な選択肢”を見つけるようにしています。

吸水ショーツの素材を説明する信近さんの手もと

――“持続可能な選択肢”を重視する信近さんのこだわりが、『リネ』の製品開発にも反映されているんですね。

本当に合うものを長く愛用することが、体にも環境にも優しいと思うので、『リネ』は使いつづけたくなる着心地にかなりこだわりました。吸水ショーツの場合、開発段階ではオーガニックコットン系の優しい肌触りの素材も考えたのですが、濡れたときの感触がどうしても気になって。試行錯誤のうえ、優しい肌触りとサラサラ感のバランスがいい素材を選びました。

あと、最近『リネ』の中でも人気があるのは、吸水機能のないふつうのブラレット。もともと「生理中にショーツとブラがチグハグなのって嫌だよね」という思いから、吸水ショーツとセットのデザインのブラレットを販売することは決めていたんです。でも、最近はブラレットだけ購入してくださる方も増えていて。服の上から透けて見えても色っぽくなりすぎない、スイムウエアのようなカッティングなので、ファッションアイテムとして選んでくださる方も多いです。

――今後、『リネ』での新たな取り組みや展望は?

吸水ブラに関しては、よりそれぞれの悩みに寄り添った展開ができるよう開発していくつもりです。また、フェムテックのプロダクトに限らず
、サービスなどの幅広い事業も考えています。これからもこだわり抜いていくので、ぜひ期待してください!

『リネ』のパッケージ

撮影/藤沢由加 取材・文/堀越美香子 企画・編集/高戸映里奈(yoi)

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