
SNSを通じて世界的に広まった「Tea Consent(お茶と同意)」の動画。この動画の作者による本が、日本語に翻訳されました。性的同意の考え方の基本にもなる「自分の体は自分のもの」「自分のことは自分で決める」という意識が、子どもにわかりやすい言葉で要約されています
おうちで伝える「自分を守る」性教育
【おうちで伝える「自分を守る」性教育】はまじが性教育アドバイザーのじまなみさんと対談
この記事は2020年11月7日発売LEE12月号の再掲載です
注目の新刊

動画「Tea Consent(お茶と同意)」を作ったアニメーターが、その思いや考えをまとめた本を日本で翻訳。「子どもを守る言葉『同意』って何? YES、NOは自分が決める!」¥1600/集英社


本の中で繰り返し伝えられるのが「自分の体をどうするかは、自分で決める」ということ。他人に触らせるかどうか、YESと言うかNOと言うかなど、性的同意にもつながる問いかけが。


「気持ち悪い」「なんだか嫌」など自分の感覚を信じて従っていいという指南も。ちなみに、イラストの人物は、あえて男女の性差がわからないように表現されている。


YESと言っても、同意しているかどうかはわからない。同意は、しっかり言葉でやりとりし、コミュニケーションを取ることでわかるという、大人にも子どもにも大切なことを伝える。


YES、NOは自分の条件で設けたバウンダリー(境界線)で決めていいとの言葉が。また、一度決めたことでも、やっぱり嫌だと感じたら、気が変わったと言ってもいいとも!


裏切る人間もいると、性犯罪をイメージさせる表現が。でも、たとえ怖いこと、嫌なことがあっても、すべて大人が悪いとあり、子どもが自分を責めてしまわないような配慮も。
大人でも大切な“気付き”がある本

児童書翻訳・文章作家。翻訳に『ワンダー』(ほるぷ出版)、『グレッグのダメ日記』(ポプラ社)などの人気シリーズがある。
「この本は、子どもに向けて『他人から嫌なことをされそうになったら、どう身を守るか』を伝えるのが大きなテーマです。でも、大人でも本当は嫌なのに流されて同意したり、無理やり『うん』と言わされたなんて経験が誰しもありますよね。YESとNOの境界線は自分で決めていい、もちろんNOと言ってもいいという考え方は、あやふやな文化の日本では大人にも響くと思います」(中井さん)

おうちで伝える「自分を守る」性教育
【おうちで伝える「自分を守る」性教育】はまじが性教育アドバイザーのじまなみさんと対談
取材・原文/野々山 幸(TAPE)
※LEE2020年12月号掲載/@LEEweb 2021.01.04掲載