2024年8月より、多数ご応募いただいた中から読者代表として選ばれた「yoiクリエイターズ」による発信がスタート!今回は石坂友里さんに『tea therapy 東京店』を紹介してもらいました。
【yoiクリエイターズとは?】
yoiの読者としての目線を生かし、語学やアート、文章表現などのクリエイティブスキルを発揮して、情報を発信していくクリエイターのこと。ビューティーやウェルネス、カルチャーや社会派の記事など、それぞれの得意分野でyoi読者におすすめのコンテンツを毎月配信します。メンバーは24年12月現在、石坂友里さん、くどうあやさん、高橋琴美さん。
以前、撮影で訪れた韓国・ソウルにある韓方茶専門店、tea therapy(ティーセラピー)。「プライベートでももう一度行きたい!」と思っていたカフェですが、韓国まで行かなくてもその韓方茶が東京で楽しめると聞き、今回はtea therapy東京店を体験験取材してきました♩
自分だけのブレンドも楽しめる♪ tea therapyの本格韓方茶
韓国では、健康や美容のために日常的に取り入れられてきた韓方。その魅力をお茶としてもっと手軽に楽しめるようにとオープンしたのが、ソウル・北村(ブッチョン)にある韓方茶専門店、tea therapyです。ここでは厳選された素材を使ったオリジナル韓方茶を楽しむことができます。
その韓方茶を日本でも楽しんでもらおうと誕生したのがtea therapy東京店です。こちらでは、韓方の基本的な考えである四象医学(体質を「太陽人」「小陽人」「太陰人」「小陰人」に分類し、それぞれに合った処方や養生法を提案する理論)に基づきブレンドされた韓方茶を飲むことができます。
さらに店内奥では北村のカフェと同様に、韓方エキスたっぷりの足湯が楽しめるほか、カウンセリングでナマネチャ(自分だけの特別なお茶)を作ってもらうこともできるんです。
今回はそんなtea therapy東京の韓方ブレンド茶を実際に体験してきました。さっそく、レポートをお届けします♩
四象医学に基づいて選ぶブレンド茶
アットホームでこぢんまりとした店内にはテーブル席が2つ。席に着きブレンド茶を注文すると、自分に合ったお茶を選ぶための質問表を渡されました。
質問の内容は「よく食もたれする」「手足が冷える」などの体質的な質問や「気が小さくて几帳面だ」のような性格に関係する質問にYesかNoで答えることで、四象医学に基づく4つの性質のうち自分がどれに近いのかを導くことができ、その結果に応じておすすめのお茶を注文できるようになっています。
そしてこちらのお店では4つの性質をそれぞれ色で表しており、私はテストの結果、オレンジタイプでした。オレンジタイプは「豊富なアイディアを明晰な頭脳で企画し、仕事を広げるタイプ」で、あれこれと頭で考えてしまうことが多く、ストレスがたまりやすいのだそう。このタイプは気の巡りが滞りやすいため、それをほぐす効果が期待できる韓方がブレンドされた香通茶をおすすめしていただきました。
「良薬は口に苦しと言いますが、やっぱりお茶はおいしくなきゃ!」と笑顔で話すオーナーさん。どのお茶も飲みやすく、おいしいのでご安心くださいとのことです。
お茶ができるのをワクワクしながら待つ間、韓方にまつわるお話も伺い、さらに興味が深まりました。
病気になってから病院に行くのではなく、普段口にするものから健康な体を手にいれる!
韓方は、古代中国の医学を基礎にしながらも、韓国の風土や気候、韓国人の体質に合わせて独自に発展した伝統医学です。一方、漢方は中国の中医学が日本に伝わり、日本の風土や体質に適応しながら進化した日本独自のものです。
日本と韓国で大きく違う点は、韓国では韓方医院が正式な医療機関として認められているという点。日本では、漢方の効果をズバリと断言できない薬事法がある一方、韓国では医療現場などでも広く韓方を利用しているんです。それはドイツなどのヨーロッパで、ハーブを使った自然療法が医療として認められているのと似たような感覚なのだそう。
「だから、韓国では一般家庭でも、家庭の医学的なイメージで韓方を取り入れているのよ」とオーナーさん。
「韓国では昔から、病気になったら病院に行くのではなく、病気になる前に食事で体調を整えてしまおう!という考えがあるんです。薬が高価で買えなかった時代から、韓方は庶民の味方であり、それが今もなお各家庭に受け継がれているんです」とのことでした。
いよいよ運ばれてきたポットからは、たっぷりと入った韓方の香りが漂い、その芳醇な香りだけでも体によさそうな気分に。添えられていたナツメのスナックも一緒にいただきました♩
ひと口飲んでみると、口の中に広がるのは爽やかな韓方の風味と、ほのかな甘み。その甘さの正体は甘草で、この甘草こそが香通茶の中でも特に重要な役割を果たしていました。
韓方の世界では気の巡りが重視されており、通常、日中に頭まで上がった気は夜にかけて胸へと下りてくると言われているそうです。しかし常に緊張しっぱなしの人は気が頭に停滞しやすく、これが体に熱をこもらせ老廃物をたまりやすくし、肌あれの原因にもなるそうです。
私は韓国で何軒か美容皮膚科に行ったことがあるのですが、どこに行っても「あなたの体は熱の性質が強い」という説明を受けていたので......今回も同じようなことを言われて少しびっくりしました。
そんなときに気が下りてくるように筋肉を緩め、リラックス効果が期待できるのが甘草という韓方なのだそうです。フィンランドでは甘味料としてお菓子にも使用されるほど甘みの強いこの韓方は、お茶を甘く飲みやすい味わいにしてくれています。
「実は私甘草の入ったお茶が好きで、最近飲みたいなと思っていたところだったんです!」と思わず声に出してしまったのですが、自分が必要としている成分だからこそ、自然と欲してしまうこともあるのだとか。無意識に求めていた自分に驚きつつも、なるほどと思える体験でした。
もっと知りたい!家庭に伝わる韓方の世界
韓国の家庭では冬の時期になると風邪予防にゆず茶やオミジャ茶などの温かい韓方茶を家で飲みます。
また、韓国の義母からは市場で買ったナツメやキキョウの根が届いたり、以前ご紹介した韓方を活かしたコウンジェのコスメも、韓国の伝統的な知恵が詰まったものです。
こうした韓国で代々受け継がれる自然療法は、私が好きな韓国文化のひとつです。韓国にいると、韓方のみならず自然の力がすっかり日常の一部になっています。
例えば、チムジルバン(サウナなどがある温浴施設)に行けば、擦りおろしたきゅうりで顔パックをしたり、海で全身日焼けしてしまった日は、「ジャガイモを体にのせると、すぐに赤みが引くよ!」という友人と、全身ジャガイモだらけになり大笑いしたりした思い出もあります。けれどもその後、驚くほど赤みが引いて、日本人がまだまだ知らない自然の力を実感したのです。
最先端の医療や美容医療が発達している中で、彼女たちが選ぶのは、古くから伝わる自然の力を生かした方法。そんな原始的でありながらパワフルな自然の力を知っている彼女たちが時に頼もしく見えたりもします(笑)。そして生活のあらゆる場面を楽しんでいる姿がとても素敵だなと思うんです。
この話をオーナーさんにすると、「そうそう、だから私は医者でも薬剤師でもないけれど、まるでおせっかいなおばちゃんみたいに『これ飲んでおきなさい!』って、まだ韓方になじみのない日本人の方にもいいものを伝えたい気持ちで、韓方茶を作っているんですよ」とお話ししてくれました。言葉通り、tea therapyの韓方茶には「温かく、親しみやすいお世話の心」が詰まっているんだなと感じました。
今回体験した韓方のブレンド茶は、店頭販売やオンラインストアでも購入可能です。気になった方は、ぜひチェックしてみてくださいね。
韓方茶カフェ・通販 / ティーセラピー 東京店
〒194-0003 東京都町田市小川2-3-5
TEL : 042-796-9155
【受付時間】12:00~18:00
【定休日】日曜・月曜
撮影取材・文/石坂友里