2024年8月より、多数ご応募いただいた中から読者代表として選ばれた「yoiクリエイターズ」による発信がスタート! 今回は、温浴施設「発酵温浴nifu(ニフ)」の体験をレポート。

【yoiクリエイターズとは?】
yoiの読者としての目線を生かし、語学やアート、文章表現などのクリエイティブスキルを発揮して、情報を発信していくクリエイターのこと。ビューティーやウェルネス、カルチャーや社会派の記事など、それぞれの得意分野でyoi読者におすすめのコンテンツを毎月配信します。メンバーは25年4月現在石坂友里さん、くどうあやさん、高橋琴美さん。

発酵温浴nifu(ニフ) 体験

酵素の力で体を芯から温めてくれる温浴施設「発酵温浴nifu」が、中野駅に新しくオープン。その魅力を体験取材してきました! さらに、ただの温浴施設ではなく、「人も自然も美しくする循環」をテーマに掲げるnifuならではの、自然環境にまつわる興味深いお話も伺いました◎。

石坂友里

モデル|ライター

石坂友里

1988年、東京生まれ。スカウトされ2001年『週刊朝日』表紙モデルでデビューする。雑誌、広告のほか、CMやMV、SHOW、映画にも出演。韓国人デュオBrown eyesのMVに出演したことをきっかけに、活動の幅を韓国にも広げる。現在はライターや、ときどき韓日翻訳家としても活動中。

発酵温浴nifuとは?

「発酵温浴nifu」は、酵素の自然発熱を利用した温浴施設として、東京を中心に全国10ヵ所に展開する酵素浴専門店です。ただの温浴施設ではなく、「人も自然も美しくする循環」をテーマに掲げ、環境負荷の少ない温浴を提供することで、日本の山々に眠る未利用資源に新たな価値を生み出す取り組みを行っています。

日本の山林では、スギやヒノキの間伐後、使われずに放置される木々が多く、それが山の健全な成長を妨げる要因となっています。木をバイオマス資源として伐採しても、採算が合わない部分は山に残されてしまうため、山の管理が行き届かず、環境保全やカーボンニュートラルの実現、水源の保全、生態系の回復といった課題がなかなか解決されていません。 

こうした問題に対し、「発酵温浴nifu」は奈良県吉野町の林業家と連携し、放置された木々の回収や森林整備を行っています。回収したヒノキの枝葉を温浴資材として活用することで、都市部の人々に自然の恵みを届けながら、山林の健全化にも貢献しています。

さらに、使用後の資材は農業や畜産業でアップサイクルされ、資源の循環を生み出す仕組みを構築。持続可能な山林経営を支えるとともに、発酵温浴サロンの運営だけでなく、プロダクトブランドやメディアを活用した情報発信にも力を入れ、環境問題への関心を高める活動を行っているのです。

お店に到着!

yoi yoiクリエイターズ nifu 酵素浴

お店に到着すると、さっそくカウンセリングが始まります。こちらでは、酵素浴の経験の有無や体調について確認がありました。温浴は内側と外側から短時間で体を温めていく方法のため、頑張りすぎると、のぼせてしまうこともあるそう。無理せず余裕を持って入浴してほしいとのことでした。また、空腹ものぼせる原因のひとつになるため、適度に食事をとってから来るのが理想的だそうです。

さらに、入浴した日は眠りが深くなるため、「今夜はぜひ楽しみにしてくださいね」とのこと。リラックス効果が期待できると聞き、より一層楽しみになりました。

yoi yoiクリエイターズ nifu 酵素浴 2

ここからはコースの説明へ。全部で5種類のプランがあり、その中から私は「ご褒美入浴」を選びました。どのコースも入浴時間は15分で、着替えを含めると滞在時間は75分。それぞれのコースは、うつ伏せか仰向けかなど、入浴スタイルに違いがあるそうです。

「ご褒美入浴」は、さまざまなオプションを組み合わせた贅沢なフルコース。「よもぎ麗肌ボディパック」に加え、入浴中のフェイスパックは3種類から選べ、入浴後には甘酒ドリンクがついてきます。さらにお土産までつく、特別感のあるプランです。

基本の入浴スタイルは仰向けで寝て過ごすのですが、オプションでうつ伏せ寝を選んだり、「お顔ほっこりパック」という顔まで包んでもらう施術を追加することも可能。顔までしっかり温めることによって顔のむくみがとれ、スッキリとした印象になるのでおすすめだそうです♩

yoi yoiクリエイターズ nifu ナツメ

一通り説明を受けたあとは、いよいよ入浴の準備。体を温める効果のある生姜や唐辛子入りの薬膳茶と、腸内環境を整え代謝を上げるnifuオリジナルの酵素をいただき、いざ入浴へ。お土産として渡されたのは、鉄分豊富で女性におすすめの「なつめ」。ふかふかとした食感で、そのまま食べられます◎。

発酵温浴nifu(ニフ) 水 レポート

さらに私が素敵だなと感じたのは、提供されたお水が店内専用のボトルに入っていたこと。以前はペットボトルを使用していたそうですが、環境への配慮から現在のボトルに切り替えたのだとか。こうした小さな取り組みが積み重なり、より多くの場所で広がっていけばいいなと、温かい気持ちになりました。

酵素浴スタート

酵素の入った浴槽に入ると、3台の酵素風呂が並んでいました。1時間に3名限定で行われているため、空間にはゆとりがあり、リラックスできる雰囲気です。

案内された浴槽に足を踏み入れると、まず驚いたのは酵素パウダーのふかふかした感触。まるで柔らかいクッションのようで、今までにない心地よさに包まれる感覚です。

しかし見た目の軽やかさとは裏腹に、座ってみるとしっかりと温かさを感じます。少し熱かったのでお尻の下にタオルを敷いてもらいました。酵素パウダーはその日の発酵の状態によって温度が異なるため、熱すぎる場合はタオルで調整してくれるそうです。ちなみに、この温かさは酵素パウダーの中の微生物が元気に活動している証とのことです◎。

浴槽に座ると、まずはボディパックを塗っていきます。nifuの「よもぎ麗肌ボディパック」は、パイナップルやパパイヤ由来の分解酵素が配合されており、古い角質を優しく取り除きながら肌のキメを整えてくれるそう。さらに、よもぎの持つ殺菌効果が肌荒れにもよいとされ、美白効果も期待できるとのこと。

パックを塗り終えたら、いよいよ酵素浴のスタート。足もとから順番に、スタッフの方が丁寧に酵素パウダーで体を包み込んでくれます。パウダーの温度は65〜80度ほどあるそうですが、木材は熱の伝導率が低いため、体感としては温かめのお風呂のような心地よい温かさ。お湯とは異なり、適度な重みがあるため、体の芯からじんわりと温まるのを感じます。そのため湯冷めしにくいのも酵素浴の特徴だそうです。

yoi yoiクリエイターズ nifu 酵素浴 3

全身がふんわりとパウダーに包まれると、次はフェイスパックの時間。nifuのパックは、すべて食べられる素材で作られているため、肌につけても安心感があります。乾燥が気になる私は、米ぬかを使用した白肌パックを選びました♩

ここから15分間、じっくりと体を温めていきます。その間、スタッフの方が浴室内にいて、5分ごとに声をかけながら体調を確認してくれます。熱すぎたり、逆に物足りなかったりする場合は、適宜調整してもらえるので安心です。ほかのお客さまがいない時間帯には、スタッフの方と会話を楽しみながら過ごす方もいるのだとか。私もスタッフさんとのお話に、つい夢中になってしまいました。

酵素浴の温度は、電気やガスを一切使わず、発酵の熱だけで温められているため、日によって色や香り、温度に違いが生まれるそうです。酵素パウダーは3週間ごとに交換されるため、浴槽によっても発酵の度合いが異なるそうです。さらに適切に撹拌しないと温度が上がらないため、365日欠かさずメンテナンスが必要なのだとか。

「年末年始もお休みすることなく、毎日お世話しなければならない大変さはありますが、微生物が生きているのを感じられるのが楽しい! 天然酵母のパンを育てるような感覚と似ているのかも」と、スタッフさんは笑顔で話してくれました。

また、以前は冬に訪れる方が多かった酵素浴ですが、最近は夏の利用者も増えているそうです。クーラーによる冷えを気にする人が増えたことが、その大きな理由のひとつ。

そして「眠りの質を改善したい」という理由で通う方も多いのだとか。長時間寝ているのに疲れが取れないという、現代ならではの悩みを持つ人が増えていることを、カウンセリングの中でも実感すると言います。
酵素浴に入った日はぐっすり眠れるため、疲労回復や肌の調子にもよい影響があるのだそうです。

自然環境の問題についても、スタッフさん自身が奈良県吉野の山に足を運び、放置林を伐採し、山に光を当てる活動に参加しているとのこと。実際に自分の目で多くの山を見てきた経験から、環境への意識がより一層高まったそうです。

さらに、nifuで使用した酵素パウダーは、堆肥として再利用され、農業にも役立てられています。千葉・木更津にある「KURKKU FIELDS」では、nifuの堆肥を活用した農作物の栽培が行われており、酵素浴の足湯イベントもときどき開催されているのだとか。 温浴を楽しむだけでなく、環境にも優しく、循環の輪が広がっていく。そんなnifuの取り組みに、改めて感銘を受けました。

yoi yoiクリエイターズ 酵素浴 nifu 4

そうこうしているうちに、10分が経過。ここで、冷たいおしぼりを目元に置いてもらいました。最後の2分間は、座った状態で半身浴を体験。肩に温かいパウダーをのせてもらうと、じんわりとした重みと温かさが心地よく、肩のこりがほぐれるのを感じます。

最後はシャワーで体を流して終了。着替えを済ませたら、休憩室でひと息つきます。スタッフさんによると、「今日は1日、ボディソープの使用はできるだけおすすめしません」とのこと。酵素浴の効果をしっかり持続させるためにも、そのままの状態で過ごすのがいいそうです。

甘酒を飲みながらリラックスタイム

yoi yoiクリエイターズ 酵素浴 甘酒

最後はお米と米麹だけで作られた、優しい甘さの甘酒を飲みながら、ほっと一息つくリラックスタイム。発酵の恵みを感じるこの一杯が、温浴でぽかぽかに温まった体にじんわりと染み渡ります。普段甘酒をあまり飲まない私でもとても飲みやすい◎。

甘酒のほかにも、梅干しや塩昆布、そしてnifuオリジナルのお茶の提供もあり、汗をたっぷりかいたあとの体にほどよい塩分補給ができるのもうれしいポイントです。

わずか15分の温浴で、体の芯からしっかり温まり、そのぬくもりが一日中続く感覚。それだけでなく、nifuが取り組む環境保全の活動や、その実践を目の当たりにすることで、心まで温かくなるような体験でした。

心地よさだけではなく、環境への配慮が詰まったこの温浴。体を整える時間を持ちたい方はもちろん、環境問題に関心のある方にも、ぜひ一度体験してほしいと感じました。

発酵温浴 nifu 中野店
12:00~20:15(最終受付19:00)
定休日 年末年始 【女性専用】
東京都中野区中野3丁目40-24 Nakano West 8階
Tel: 03-6454-1833 

撮影/三浦晴 構成・文/石坂友里