バッグの中にお気に入りのケアアイテムがあるだけで、なんだか安心できるという人は多いはず。ほっと一息つきたいとき、リフレッシュしたいとき、サッと取り出して、自分のためにケアをする。そんな時間は心を優しく癒してくれます。
「SELF-CARE RELAY」は、今気になるあの人に、そんなセルフケアの愛用品をご紹介いただくリレー連載。モデルの小谷実由さんからバトンを受け取ったのは、3ピースバンド「雨のパレード」のドラマー大澤実音穂さん。よいパフォーマンスをするために欠かせないという、お気に入りのケアアイテムを見せていただきました!
大澤実音穂/MINEHO OSAWA●1991年鹿児島生まれ。2013年に結成した新時代のポップスを提唱する3人編成バンド「雨のパレード」のドラムを担当。ファッションアイコンとしても支持を集め、さまざまなメディアでモデルを務めるほか、2021年8月には主題歌を担当した映画『僕たちは変わらない朝を迎える』で女優としてスクリーンデビューを果たすなど、その活動は多岐にわたる。
自他ともに認める「美容オタク」の大澤さん。ライブ前には気分と集中力をぐっと高め、ステージを降りたあとは副交感神経を優位にしてリラックス…と、気持ちを切り替えるためにコスメやセルフケアアイテムが欠かせないと言います。数々の製品を試して選び抜いた「一軍」のラインナップは、まさにお守り的な存在。どんなに荷物が重くなっても、お気に入りはすべてバッグに入れているそう。
"Mineho's Self-Care Rules"
1. コスメはときめくものを選ぶ
2. 土台となる「肌」と「髪」のケアはコツコツと
3. 愛用品はすべて持ち歩いて不安を取り除く
バッグの中身はこんな感じ
「コスメポーチは、『雨のパレード』のバンドグッズ。自分が欲しくてデザインしました。シックなカラーと、整理しやすいように中身が透けて見える素材で作ったのがこだわりです。愛用しているバッグはMartin Margiela(マルタン・マルジェラ)のもの。ショルダータイプでコンパクトなところが気に入っています。でも結局、いつもこれだけに収まらず、エコバックをプラスすることが多いですね(笑)」
メイクと出合ってコンプレックスが「個性」に変わった
「実は昔から自分に自信がなくて、しょっちゅう『私なんて』と思ってしまうタイプなんです。でも、好きな色やアイテムを身につけることで、自分に自信が持てるような気がして、それがコスメが好きになった理由かもしれません。
メイクのおかげでコンプレックスとの向き合い方も変わってきました。私は小さい頃から鼻が丸くて低いことを気にしていたのですが、鼻筋にハイライトを入れると高く見えるとか、そういうテクニックを学んでいくうちに、だんだん嫌な部分に捉われなくなっていって。コンプレックスを隠すためじゃなく、持っている素材を生かすためにメイクを楽しめるようになりました。
コスメを選ぶときの基準は、心が“ときめく”かどうか。以前は使いやすい無難なアイテムやカラーを選びがちだったのですが、仕事でメイクしてもらううちに、『もっと自由に楽しんでいいんだ』と気がついたんです。
いきなり新しいメイクに挑戦するのは勇気がいるけれど、私はアクセサリーみたいな感覚で、気軽にポイント使いを楽しんでいます。最近はカラーマスカラやアイライナーのバリエーションがいろいろあるので、目尻だけビビットな色をのせてみたりして。
メイクさんや美容師さん、BA(ビューティーアドバイザー)の方などプロの意見もすごく参考にします。信頼できる情報をもらえるので、何かと相談してしまいますね。以前、二枚爪になりやすいことをネイリストさんに相談したところ『保湿が大事!』と教えてもらい、ネイルオイルを使いはじめたらとてもよかった!」
マスク生活でもメイクを楽しみたい。最近のお気に入りコスメたち
(左上から時計回りに)エクストラ ブランプ リップセラム 01/BOBBI BROWN ブラッシュカラーインフュージョン/ローラ メルシエ ローズグロウ イルミネーター/ローラ メルシエ キューティクル ネイル オイル/to/one ルージュ ディオール バーム 726/パルファン・クリスチャン・ディオール
「お休みの日に、新しいコスメをあれこれ試して、自分なりの使い方を研究するのも楽しいひとときです。これまであまり使ってこなかったチークも、いろいろなブランドからかわいいカラーがたくさん出ているので、最近注目しています。『ローラ メルシエ』の「ブラッシュカラーインフュージョン」は、薄づきで肌が艶っぽく仕上がるのでお気に入り。ハイライトの「ローズグロウ イルミネーター」と重ねづけしています。
コスメの中でも大好きなリップは、マスク生活になってから薄く色づくタイプへシフトしました。まずリップ下地として使っているのは、『BOBBI BROWN(ボビイ ブラウン)』の「リップセラム」。唇にのせて一度ティッシュオフしてから口紅をつけています。
『パルファン・クリスチャン・ディオール』の色付きリップバームは、薄づきなので鏡を見ずにサッと塗れるところが好き。ブラウン系の色味もシックです」
太くて乾燥しがちな髪が悩み。いいアイテムがあったらすぐに試します!
「メイクを思い切り楽しむためにも、肌と髪はいつもきれいにしておきたいと思います。楽器もそうだけど、まずは基本が大切。自分のケアもその場しのぎでは、結局解決策にはならないんですよね。日々コツコツ積み上げていくことが自信につながるような気がするんです」
(左上から時計回りに)K24GP スカルプカッサ ゴールド/LOVE CHROME ローズマリー ドライシャンプー/WELEDA ニームヘアバーム/SHIRO
「コスメキッチンで見つけた『LOVE CHROME(ラブクロム)』のスカルプカッサは、スタジオ練習や仕事の日は必ず持って行くお気に入り。くしとしてはもちろん、カッサ部分で頭皮をマッサージするとリフレッシュできます。
髪が硬いので、オイルだけではなかなかまとまらないのですが、その悩みを解決してくれたのが 『SHIRO(シロ)』のヘアバーム。手のひらの体温で溶かして髪全体になじませると、程よくホールドしてくれる。この使い心地が好きでリピートし続け、もう4個目!」
『WELEDA(ヴェレダ)』のドライシャンプーは、ライブのときの必需品。すーすーした清涼感が気持ちよくて、汗をかいてべたついた頭皮もリフレッシュ。暑い時期には手放せないですね」
初対面の人に思わず「どこのですか?」と聞いてしまったLE LABOの香水。ウッディ系の香りを9年間愛用中
(左から)SANTAL 33 eau de parfum/LE LABO Ett Hem/FUEGUIA 1833
「香りものも必ず持ち歩くアイテムのひとつです。私はウッディ系の香りがすごく好きなのですが、そのきっかけとなったのが、『LE LABO(ル ラボ)』の香水「SANTAL 33」。20代の頃、知り合いのお店で一緒になった女性が、もう今までかいだことのないいい香りで、初対面なのに思わず何の香水を使っているのか聞いてしまいました(笑)。それから9年間愛用し続けている、心落ち着く大好きな香りです。ちなみに、青山と代官山、京都のお店では、その場で香りを調合してくれて、でき立ての香水を購入できるんですよ。
同じくウッディ系で最近出合ったのが、ブエノスアイレスのブランド『FUEGUIA 1833(フエギア1833)』の 「Ett Hem」。店員さんにあれこれ好みをお伝えしてすすめていただきました。ほかのアイテムと重ねづけしてもいいみたいなので、これからも楽しみが広がりそうです」
"おいしい"セルフケアが、いざというときのお守り
(左から時計回りに)仁丹瓶入/森下仁丹 ハニードロップレット マヌカハニーUMF15+/Honey Japan ハニードロップレット マヌカハニーUMF10+/Honey Japan CBD Chewing Gum 100mg CBD/ENDOCA
「私、お酒が大好きで。おいしく飲むのもセルフケアのひとつと思っているので、仕事を頑張ったときは、家でドラマやyoutubeを見ながら焼酎やワインを楽しみます。そして、二日酔いになってしまったときの強い味方が「仁丹」。小さい頃、おばあちゃんからもらってあまりおいしくなかった記憶があるのですが…大人になって懐かしい気持ちで買ってみたところ、意外とクセになってしまって(笑)。薬草などでできているので、口の中が爽やかになる。専用のメタルケースに入れています」
「マヌカハニーののど飴も必需品。喉から風邪になることが多いので、まとめ買いしておいて少しでも不調を感じたら手に取るように。私はいろいろなものが混ざった複雑な味が苦手なのですが、これは本当に純粋な蜂蜜の味で安心して食べられます。
『ENDOCA(エンドカ)』のCBDガムは考え事をしているときや、集中したいときに噛んでいます。特にライブ前は心を落ち着かせてくれるような気がして、必ず持っていきますね」
お気に入りの音楽に、大切な猫たちとの時間…。落ち込んだときの対処法
「生理前は落ち込んだりイライラしたりしてしまいがちです。隠しているつもりでも、ピリピリした雰囲気が周りにも伝わっているんだろうな…と自己嫌悪に陥ることも。そんなときは、CBDや香りなどケアアイテムに頼るほかに、愛猫と1日ダラダラ過ごしたり、お酒を飲みながらドラマを見たり、好きな音楽を聴いたり…少しでも気持ちをポジティブに持っていける方法をいろいろ試しています。
音楽を聴くときは、やっぱり音作りのことが気になって、心底リラックスはできないかもしれません(笑)。でも、Spotifyでハマるアーティストを見つけたりすると、すごくワクワクするんですよね。最近のお気に入りは、Dijonのアルバム『How do you Feel About Getting Married?』。メロウな曲調と浮遊感がとっても心地いいんです」
「愛用しているイヤフォンは、『Banng&Olufsen(バングアンドオルフセン)』の 「Beoplay EX」。音質のよさはもちろん、低音のふくよかさが好みです」
ハードな練習やライブのあとに、気持ちも体もほぐしてくれるリフレッシュアイテム
「スタジオ練習は結構ハードで、集中してドラムを叩いたあとは腕がパンパンになってしまうことも。最近使いはじめたのは『ENDOCA』のCBD入りボディーバター。スタジオに持ち込んで、休憩中や練習後にマッサージするようにしています」
(左から)Hemp Body Butter 1500mg CBD/ENDOCA ハーブオイル33+7 ボディミスト/nahrin モイスチャー ミストローション/F organics
「ハーブの香りが好きでロールオンタイプも愛用している『nahrin(ナリン) 』のボディミストは、暑いときに腕や首元に吹きかけると、スーッと涼しくなります。夏はもちろん、練習後やライブ後のクールダウンにも手放せないアイテム。
同じくスプレータイプで愛用しているアイテムが、『F organics(エッフェ オーガニック)』のミストローション。スタジオは乾燥しやすいので、気になったときに吹きかけてこまめに保湿しています」
私だからできる表現がある。人と比べず、自分の好きなところを伸ばしたい
「私はツアーや旅行先にも、いつものスキンケアアイテムを一式持っていくんです。毎日のことなので、それを変えると不安になってしまって。ライブは演奏だけに集中したいので、余計な不安を増やしたくないんですよね。それで結局荷物がどんどん増えていってしまうのですが(笑)。いつも使っているケアアイテムは、いろいろ試してきた中でも、本当に自分に必要なものたち。いいパフォーマンスをするために、どんなに荷物が重くなろうともそばに置いておきたいお守りみたいな存在なんです。
人と比べて落ち込んじゃうこともあります。特に10代の頃は、女性ドラマーってまだ少なかったし、男性に比べて技術もパワーも下に見られているかも、と気にしていました。でも、そんなこと比べてもどんどん落ち込むだけ。「だったら自分ならどうできる?」と考えるようにしたんです。私だからこそ表現できることがあるし、自分のいいところ、好きなところをどんどん伸ばしていこうって。ネガティブな気持ちも考え方ひとつで、プラスな力に変えられるんですよね」
取材・文/秦レンナ 撮影/長田果純 企画・編集/種谷美波(yoi)