去る3月24日(木)、ASTIGU×花盛友里「はきかえよう、自由を。」写真展のオープニングイベントが開催されました。
ストッキングやタイツ、インナーウエアなどを手がける老舗メーカー『アツギ』の主力ブランド『アスティーグ』が、販売開始から11年目のこの春、ブランドコンセプトとともに全面リニューアルへ。その背景には、世の中の女性の美意識の変化、そしてある“矛盾”への気づきがありました。新ブランドコンセプト「はきかえよう、自由を。」には、いったいどんな思いが込められているのでしょうかーー? その理由を知るために、今回のリブランディングを記念してオンラインで開催された、写真家・花盛友里さんとのコラボ写真展オープニングイベントを取材しました。
広がる美の多様性。だけど自分は…? 『アスティーグ』が注目した“女性たちを縛るもの”
1947年の創業以来、レッグウエア・インナーウエア業界のパイオニアとして、女性の美と快適さを追求しつづけてきたアツギ。時代とともに変化する女性のライフスタイルに合わせて、数々のヒット商品を開発してきました。なかでも、2011年に登場した『アスティーグ』は、スタイリッシュなパッケージや豊富なバリエーションで若い世代の人気を獲得。冠婚葬祭などのマナーや女性の“制服”のひとつとして「はかなければいけないもの」であったストッキングのイメージを刷新しました。
そんな『アスティーグ』の販売開始から11年がたち、女性たちの美意識も大きく変化しました。かつてはストッキングをはくとき、「ほかの人にきれいに見られたい」ということが重要なポイントでしたが、最近は「自分にとって美しく感じられるか」「自分が心地よく感じられるか」ということが重視されるようになっているといいます。
また、2022年1月に同社が全国の18~69歳の女性600人を対象に実施した「世の中の美の多様性と自身の容姿に関する意識調査」では、約7割の人が「世の中で美の多様性が広がっている」と思っていることが判明。しかしその一方、「自分自身の容姿においては、美の固定観念にとらわれず肯定できている」と思っている人は半数以下という結果に。つまり、美の多様性が進んでいると感じていながら、自分自身は固定観念から自由になれていない人が多いことがわかったのです。
アツギ 2022年「世の中の美の多様性と自身の容姿に関する意識調査」より
すべての女性が本当に「はきたい」ストッキングとは?
そこで『アスティーグ』のブランドチームは、女性たちが本当に「はきたい」と思えるストッキングとは何か、改めて見直すことに。「美の固定観念からの脱却」をテーマにリブランディングを行い、新たに掲げたブランドコンセプトは、「はきかえよう、自由を。」。このコピーには、ストッキングをはく、はかないといった選択肢までも含めて、女性たちを縛ってきた美の固定観念から解き放たれ、どんなときもその人らしい美しさを楽しんでほしい、というブランドの思いが込められています。
一人一人の美意識と快適さに寄り添った11種の新ラインナップには、再生素材を使用した【再】や、5本指タイプの【指】、トイレでの着脱も楽なパンティ部分レスの【快】など豊富な機能がそろい、自分にぴったりの一足が選べます。また、パッケージも紙製にリニューアルし、開封が楽になっただけでなく、ゴミの分別もストレスフリーに。
リブランディングの記念イベントにはryuchellさん・餅田コシヒカリさんが登場!
今回のリブランディングを記念して、『アスティーグ』は写真家・花盛友里さんとのコラボレーション写真展「ASTIGU×花盛友里『はきかえよう、自由を。』写真展」を開催。開催前日の3月24日には、東京・渋谷の「THE CORNER」でオープニングイベントが行われました。女性の「ありのままの姿」を切り取った作品で注目を集めてきた写真家の花盛さんは、今回、『アスティーグ』の新ブランドコンセプトをテーマに「何かに縛られることなく、心地よく自分らしくいることの素晴らしさ」を表現したといいます。
オープニングイベントで、コラボ写真展に込めた思いを語る花盛友里さん。
「撮影はすごく楽しかったです。友達と遊んでいるときのような、リラックスした雰囲気作りを大切にしました。作品を皆さんがどう感じてくれるのか、楽しみです」と花盛さん。
ありのままの姿、自分本来の美しさを楽しむことを伝えるゲストとして、タレントのryuchellさんと、お笑いコンビ「駆け抜けて軽トラ」の餅田コシヒカリさんも登場。それぞれが“固定観念に縛られていた頃”の自分の写真を紹介し、どんな風に“ありのままの自分”を愛せるようになったのかを丁寧に語ってくれました。
ryuchellさんは「大人の春」をイメージしたスタイリングで登場。
ryuchellさんは中学3年生のときの写真を振り返りながら「中学生の頃は、とにかくまわりから浮かないようにと、本来の自分を隠していました。だけどいつも孤独を感じていましたね。でもそういう痛みを体験したからこそ、今、自分らしく生きることを体現していきたいと思っているんです」とメッセージ。
餅田コシヒカリさんは「桜」をイメージしたというピンク色の衣装がとてもお似合い!
餅田さんは、全身真っ黒なコーディネートに身を包んだ10代の頃の写真を公開。「以前は体型を隠そうとして、服は黒ばかりでした。派手な色を着て目立つのが怖かったんです。でも、芸人になってからはこの体型にも自信が持てました。自分らしい色を身につけると気持ちが明るくなるし、毎日が楽しくなります」
最後は二人からこんなメッセージも。「みんなに見せなくてもいい、自分らしさを出せる居場所をひとつでも見つけられたらいいのかな。この写真展ではきっと多様な生き方を感じてもらえると思います。大丈夫! 世界は広いし、価値観はひとつじゃないよ」(ryuchellさん)。「写真展の会場に入ってみたら本当に心が軽くなったんです。自然体のモデルさんたちの姿を見て、自分らしく生きることって楽しいなと再認識できました」(餅田さん)。
写真からあふれるハッピーなきらめき。自分らしく心地よくいることの素晴らしさを感じて
写真展では、180枚以上の写真のほか、特別撮影のインスタントカメラ作品が展示されました。モデルとして参加したのは、プラスサイズやミックスルーツ(複数の国や文化にルーツを持つ人たち)など、さまざまな個性と美しさを持った5人の女性。シンプルだからこそ個性が引き立つTシャツにデニム、カラフルなドレスとストッキングなどに身を包み、飛び跳ねたり駆け回ったりと、とても自由! その生き生きとした様子に、見ているこちらまでがハッピーな気分に。
自分の容姿のこととなると、肯定するのはなかなか難しいもの。だけど、ストッキングだけでなく、どんなアイテムを選んで身につけるかも含めて、いつも自分らしくいること、心地よさを大切にすること。そんな小さな選択の積み重ねがきっと自信を育ててくれるはず。そして、窮屈な固定観念を脱ぎ捨てられたとき、いつもの毎日が、写真の中の彼女たちのようにキラキラと輝き出すかもしれません。
作品の一部は、オンライン展示で見ることができます。
ASTIGU×花盛友里「はきかえよう、自由を。」特設サイト
取材・文/秦レンナ 写真提供:ASTIGU×花盛友里「はきかえよう、自由を。」写真展 オープニングイベント