スポーティブなライフスタイルに寄り添う装いを提案する本連載。アクティブな生活を送る、ある女性ー“彼女”のスタイリングにフィーチャー! 第四回目のテーマは「BMX」。小型の自転車を用いたスポーツ競技の一種ではあるものの、スケートボード同様に日常生活とも密接に関わるものに。

BMX自体は、2008年の北京オリンピックの公式種目に選ばれたり、映画『E.T.』('82)などさまざまな映画やMVに登場するので、なじみある人も多いはず。今回は、そんなBMX文化にインスピレーションを得た装いを提案します。今回はファッション業界随一のBMXラバーであるスタイリストの松川総さんがナビゲート。何か一点取り入れて、BMXライダーらしいムードをまとってみて。

松川 総

スタイリスト

松川 総

1981年生まれ、長崎県出身。橋本敦氏に師事し、2011年に独立を果たす。人気ファッション誌やブランドルック、アーティストのスタイリングなど垣根なく活躍中。俳優やミュージシャンからの信頼も厚く、数多くの指名を得ている。また、ヴィンテージスニーカーに眼がなく、モデルサイズとマイサイズで探すため日々リサーチを続けている。ファッションだけでなく、音楽や映画、アート、さまざま文化への造詣が深くそれらの研究にも余念がない。

BMXとは?

年々注目を集める自転車競技のひとつ「BMX」。オリンピックの公式種目に選ばれたり、スポーツの一種としてとらえられるシーンが多いものの、楽しみ方はそれだけに留まりません。1970年代、アメリカ西海岸のティーンがオートバイのモトクロススターに憧れ、小型の自転車を自在に乗り回したことに由来しているため、どこか“遊び”の要素を感じさせるカルチャーのひとつ。レースの外でも、日常生活になじむような乗り方をする人も多く、乗りこなす年齢層や性別もさまざま。“メイク”するために技を磨くだけでなく、移動手段として、そして世代やジェンダーの壁を超えたコミュニケーションとして多くの人々を魅了しています。

バイカーファッションに不可欠なモトクロスパンツと、メッシュトップスを組み合わせて

BMX、自転車、バイク、バイシクルウェア、インディアンモーターサイクル、スクリーミンウィールズ 1

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トップス ¥15400/サファリプラス パンツ¥35000/CCX kitazawa グローブ¥8580/スクリーミン ウィールズ その他/スタイリスト私物 

トップスには、ポップなカラーパレットが印象的な「インディアンズ モーターサイクル」のメッシュ素材のロングTシャツを。ボディフィットなユニフォームが定番だが、女性はあえてビッグシルエットのものを合わせて風になびかせたい。ボトムには、実際にオートバイに乗る際にまとうモトクロスパンツを合わせて、動きやすさも保証。

「トリコロールカラーでまとめた今回のスタイリング。一見、“BMX”と聞くと、挑戦しにくいと思うかもしれない。実際にBMXの競技に参加するプレイヤーとして身構えるのではなく、見た目から気軽に取り入れるのも素敵だと思う。幅広い年齢の人が取り組んでいるスポーツだし、女性にも自分のライフスタイルに合わせやすい、可愛いと思えるものから取り入れるのもいいと思います」(スタイリスト松川総さん)

BMXカルチャーの伝道師「スクリーミン・ウィールズ」のグローブ

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グローブ¥8580/スクリーミン ウィールズ トップス ¥15400/サファリプラス パンツ¥35000/CCX kitazawa その他/スタイリスト私物 

BMXファッションにリスペクトを込めたルックに外せないのが、グローブ。スタイリストの松川さんも中目黒にある「スクリーミン ウィールズ」で購入したと語るビビッドなイエローがまばゆいものを合わせて。

「自分も同じ型のものを持っているのですが、何か一点、バイカーの装いらしいものを取り入れるとしたらグローブが気軽でいいと思います。日本のバイシクルシーンを牽引する中目黒の『スクリーミン ウィールズ』にはBMXや自転車だけでなく、それらのカルチャーを盛り上げるアイテムがギアが揃っているんです。BMXの文化に縁があるキーホルダーや小物類も充実しているので、興味が出て、この装いにチャレンジしたいという人にはおすすめです」(スタイリスト松川さん)

自分のライフスタイルにBMXを合わせていく喜びや面白さを体感する

BMX、自転車、スクリーミンウィールズ

BMX(参考商品)/スクリーミン ウィールズ

バイカーファッションを極めつつ、リサーチしたいBMXは「スクリーミン ウィールズ」のもの。自分自身のライフスタイルに合わせて、サドルやバスケット部分を自在にカスタム。世界にひとつだけしかない相棒がいれば、スポーティブな生活もより前向きに過ごせること間違いなし。

問い合わせ先
・サファリプラス 03-5929-9225
・CCX kitazawa ccx_kitazawa
・スクリーミン ウィールズ 03-6303-2985


尾身 沙紀

フォトグラファー

尾身 沙紀

新潟県生まれ、東京都出身。フォトグラファーのアシスタントを経て2013年よりフリーランスして活動を開始。ファッション誌、広告、ポートレートなど幅広い分野で活動をしており、10年目を迎えた2023年には化粧品ブランドのパッケージやアパレルのコラボなども行う。10年間世界各地を巡った、旅の軌跡をとらえた写真集が『Wanderlust』(UNION MAGAZINE)好評発売中。



撮影/尾身沙紀(iO) スタイリスト/松川 総 ヘア/HORI(be natural) メイク/西ありな モデル/LUO 画像デザイン/前原悠花