今気になるあの人に、お気に入りのセルフケアアイテムや、その使い方、ケアにまつわるマイルールなどをインタビューしてきた「SELF-CARE RELAY」。今回は、yoiローンチ1周年を記念して、vol.2〜4にご登場いただいた、中島沙希(saki)さん小谷実由(omiyu)さん大澤実音穂(mineho)さんのスペシャル鼎談をお届けします!

プライベートでも仲が良いという3人。落ち込んだときには励まし合ったり、相談し合ったりすることもあるそう。今回は、そんな関係だからこそ語り合える、「メンタルヘルス」をテーマに、心身を気持ちよく保つための日々の心がけや、それぞれのストレス対処法について伺います。また、続く後編では、三者三様の個性が光る、お気に入りのメンタルケアアイテムをご紹介。今日から取り入れてみたくなるものばかりです。

それでは、3人のトークをお楽しみください!

中島沙希(saki)さん、小谷実由(omiyu)さん、大澤実音穂(mineho)さん

中島沙希

モデル

中島沙希

1995年福岡県生まれ。2017年よりモデル活動をスタート。国内外のモード誌、ビューティ誌に数多く出演する傍ら、2020年よりモデルのSONYAと共にサステナブルな情報を発信するプラットフォーム「EF.」を始動。今年の6月よりフリースペース「Experiment」のプロデュースも手がけている。読書やアートへの関心も高く、モデルだけでなく、多岐に渡り活動している。

小谷実由

モデル・文筆家

小谷実由

1991年東京生まれ。愛称はおみゆ。14歳からモデルとして活動を開始し、ファッション誌やカタログ・広告を中心に活躍。無類の本好きで、エッセイや連載なども多数執筆。日常の気づきや好きなものを多くの人に伝えたい、誰かの日々の小さなきっかけになってほしい、とさまざまな作家やクリエイターたちとの企画にも取り組む。2022年7月、初のエッセイ集「隙間時間」(ループ舎)を刊行。

『雨のパレード』大澤実音穂

ミュージシャン

『雨のパレード』大澤実音穂

1991年鹿児島生まれ。2013年に結成した新時代のポップスを提唱する3人編成バンド『雨のパレード』のドラムを担当。ファッションアイコンとしても支持を集め、さまざまなメディアでモデルを務めるほか、2021年8月には主題歌を担当した映画『僕たちは変わらない朝を迎える』で女優としてスクリーンデビューを果たすなど、その活動は多岐にわたる。

自分の「心」との向き合い方。私たちの場合

中島沙希さん、小谷実由さん、大沢実音穂さん

—— 今回は、皆さんのメンタルケアについてお伺いしたいと思います! はじめに皆さんは、落ち込んだり、考え込んでしまいやすいタイプでしょうか。それとも、感情のアップダウンは少ないほうでしょうか?

omiyu 私は極力落ち込まないようにしているかな。本来は気にしいだし、人の言うことも真に受けてしまうタイプなんだけど、一回落ちちゃうと、最後まで落ちきらないと上がってこれないことを経験上わかっているから…。

saki 途中で這い上がるとかではなく、まず落ち込まないようにする、ということなんですね。

omiyu 性格上、途中で切り替えるっていうのが難しいんだよね。自分の中で納得がいかないと次に進めないから。落ちるなら最後まで落ち込みきって自分と話をつけないと。でも、それってすごくエネルギーのいることだし、一度落ち込み出すと何もかも手につかなくなってしまう。だから、落ち込む前に早めに察して、気分転換することに時間を費やすようにしてる。

mineho 私はomiyuさんと逆で、けっこう落ち込むかな。でも、あまりそれが悪いこととは考えていなくて。そのおかげで知れることもあるし、自分の成長につながるって思うんだ。だからいつも落ち込んだあとは、物事がプラスに変わっていっている気がする。

omiyu 自分の中で落ち込んだ経緯を消化できているってことだよね。私も、それはすごく必要なことだと思う。sakiは、つねにポジティブなイメージがあるけれど、どう?

saki 私は「その瞬間」だけヘコみます。ヘコまないように自分を守る方法も見つけながらですが、あまり引きずらなくなりました。

omiyu sakiは、感情の対処に対してすごくスピード感があるよね。「なんで?」と思ったとき、すぐその場で聞けるイメージがある。モヤモヤ考え込んでしまうことは、あまりない?

saki あまりないですね。だから「ずっと思ってたんだけど…」とか「実は…」とか、人に言われることが苦手なんです。自分に“ためてから伝える”ということがあまりないから、すごく構えてしまって。

mineho 私と正反対だなぁ(笑)。

omiyu minehoは、よくよく考えて、じっくり言葉を選んで口にするイメージがあるなあ。二人とも気遣い屋さんなのに、全然違うのが面白い。

中島沙希、小谷実由、大澤実音穂スペシャル鼎談。私たちのメンタルヘルス。自分の心を守る方法 Vol.1_3

—— "こういうときに心が不安定になってしまう…"というパターンはありますか?

omiyu
 生理前の理由のないイライラに、「なんでこんなことに腹が立っちゃうんだろう」と、自分の気持ちをうまく制御できないことに対して落ち込むことはよくあります。

mineho 私も生理前は本当にイライラしてしまうんですよ。

saki 普段穏やかすぎて想像できない…。

mineho まわりにイライラしていることがバレないよう、すごく気を遣います。でも、ふとした瞬間に強い言葉を使ってしまったり、乱暴に物を置いてしまったり。それで家に帰って、今日1日の自分の行動を脳内再生して、「あぁ、私はなんてよくない人間なんだろう…」と、めちゃくちゃ落ち込むんです。

omiyu それすごくわかるなー。

小谷実由さん

友達との会話で"整う"。大切なのは「自分だけじゃない」と知ること

—— スキンケアやコスメのことは友達同士で情報交換するけれど、心のケアについては、なかなか話す機会がない、話せないという人もいるようです。皆さんは友達同士で心の問題について話し合ったり、アドバイスし合ったりすることはありますか?

saki 
健康やメンタルケアについての会話は増えたように思いますね。例えば、友人同士でPMSのことを語り合うグループラインがあって、そこではみんな「最近こんな不調がつらい!」と、長文で伝え合っています。そうやって、いろんな人と話をするうちに、自分の体験ではなくとも、知識として経験値が積み重ねられていく気がするんです。実際、みんなのPMSの情報も、リアルだからこそすごくためになるんですよね。

omiyu まわりに聞いてもらえる人がいることは、すごく大事だと思う。「自分だけじゃないんだ」って、安心できる。

saki 本当にそう。みんなで“整え合っている”感じがする。私は、何かあれば信頼している人に相談するようにしてるんだけど、まわりに年上の方が多いので、「そんなこと大したことないよ」「大丈夫だよ」と言ってもらえるだけで、すごくラクになれます。自分のことを客観視することが苦手なので、アドバイスをもらえると、そうかもしれないな、と素直に思えるし、悩んでいたことも忘れてしまうんです。

mineho 私もよくomiyuさんとそういう話をしています。

omiyu 正解はないし、それぞれに合った答えの出し方があると思うけど、話すことで気持ちが整理されることもあるよね。

"どん底"と考えない。傷も含めて今の自分を愛すること

中島沙希さん

—— いろいろな経験を重ねるなかで、ときには激しく落ち込んでしまうこともあるかと思います。そんなとき、皆さんは自分の心とどう向き合い、折り合いをつけてきましたか?

saki 以前、仕事で大きなターニングポイントを迎えたとき、選択を迫られてとても不安になってしまったことがあって。でも、そのときマネージャーさんに、「今すごく迷って落ち込んでいたとしても、それが自分で出した答えなら、絶対に良い結果になる。だから、どんな選択をしても大丈夫、うまくいくよ」と言われたんです。その言葉にすごく勇気づけられました。それからは、人生に“どん底”なんてないのかも、と思えるようになりました。

mineho いい話。私も、今まで何度も「もうだめだ」と思うようなことはあったけれど、最近はそこまで頻繁にはなくなった気がします。そうなる前に、自分の力で浮上する方法を身につけてきたからかも。

omiyu うんうん。落ち込みきってしまう前に、今はあれこれ打てる手があるよね。自分で自分の機嫌をちゃんと取れるようになった気がする。30代になって、守るものが増えたことも大きいんじゃないかな。落ち込んでいる時間よりも、今やるべきことがたくさんあるって思えるから。 

中島沙希、小谷実由、大澤実音穂スペシャル鼎談。私たちのメンタルヘルス。自分の心を守る方法 Vol.1_6

—— 少しずつ、対処法がわかってくるんですね。

omiyu
 もちろん傷とか痛みって、簡単には忘れられないものですよね。だから、それを別の形に変換して対処している部分もあるかも。あとは、自分が調子に乗ってしまいそうなときは、わざと苦い経験や傷を思い出して、自分を戒めたり。

saki 傷って悪いことばかりではないですよね。私は、カメラロールを見返すみたいに、過去の記憶を思い出すのがけっこう好きで。傷ついたり、どん底まで落ちたりしたときの感情って、私にとってはすごくレアなこと。だから、その気持ちを忘れずに大切にとっておきたいとも思っています。

mineho 私も保存派かな。あとから考えると、傷ついた記憶のまわりには、いいこともあったはず。そのとき励ましてくれた人の存在とか、支えになった言葉とか、すべて忘れてしまうのはもったいないよね。そういう支えがあったからこそ、今があると思うんです。

omiyu そういう過去の経験、ぜんぶ含めて、今の自分をちゃんと愛せてるってことだよね。それって、すごく素敵なことだと思う。

まわりのイメージと"本当の自分"とのギャップ

大沢実音穂さん

—— 皆さんはお仕事柄、人前に出たり、SNSなどで人の目に触れる機会が多いですよね。

mineho 
私は、何事も気にしてしまうタイプなので、人前やメディアに出るときは、表情や発言、声色まで気にしちゃうんですよ。特に20代の頃は、バンドのイメージと自分が離れすぎないようにとか、めちゃくちゃ考えていました。でも最近やっと、自分のやりたいこと、言いたいことを伝えられるようになった気がします。それこそ髪の毛を染めてみたりとか!

omiyu それは、何かきっかけがあったの?

mineho これ、というきっかけはないのだけど、やっぱり年齢を重ねるうちに、ということだと思います。「大丈夫だよ」と言ってくれる、信頼できる人がまわりに増えたこともあるかもしれない。

omiyu sakiは、イメージと本人にすごくギャップがある気がする。クールで物静かに思われがちだけど、本当はよくしゃべるし、よく笑うよね?

saki 自分ではギャップと思っていなかったけど、人にはよく言われますね。モデルを始めたばかりの頃は、イメージづくりが難しくて空回りしてたこともあったな。例えばInstagramでは自分の言葉を発信しないようにしていました。書いたとしても、絵文字だけとか。

mineho どうして?

saki ある知り合いに「変に言葉を綴るとイメージを損ねるかもしれないから、まだやめたほうがいいんじゃないか」とアドバイスされて、鵜呑みにしちゃったんですよね。

omiyu うーん…。アドバイスとして受け取れるならいいけど、意見を押しつけられたり、決めつけられたりするのは、あまりうれしくないよね。でも、鵜呑みにしてしまったsakiの気持ちもよくわかる。私も、イメージとか見え方を気にしすぎて苦しんでいたこともあるから。少しずつ、自分を知ってくれる人が増えてきてやっと、「私は私」と思えるようになったかな。

中島沙希、小谷実由、大澤実音穂スペシャル鼎談。私たちのメンタルヘルス。自分の心を守る方法 Vol.1_8

saki 「自分を知ってもらう」って、すごく大切なことですよね。それを教えてくれたのはまさにomiyuさんでした。モデルの仕事は楽しいけれど、私はマネキン的な存在でいることに疑問が湧いた時期があって、ファッションだけでなくいろんなジャンルのお仕事をしているomiyuさんに相談してみたんです。そしたら、Instagramで自分の好きなことや言葉を発信してみたら、とアドバイスしてもらえてうれしかったです。

omiyu 私の場合、モデルのお仕事では、自分の内面をアピールできる機会が少ない気がしてた。そんなとき、Instagramに何気なく自分の好きなものを投稿していたら、それをきっかけに仕事をいただいて。「見てくれている人がいるんだ!」と。これは大きな発見でした。ここでは審査もされない、比べられない。せっかく自由に使えるプラットフォームがあるのだから、sakiももっと本来の自分を出してみては? と思ったんだよね。

saki 最初はビクビクしながらだったけど、思いきって自分の言葉を発信してみたら、本当にやりたい仕事が増えていってびっくり。私の顔だけじゃなくて、私の言葉が掲載された記事が出たときは、本当にうれしかったですね。今は、オーディションに落ちても、ほかに求めてもらえる場所があると思えるようになったから、すごく自信がつきました。ひとつの自分の姿だけに縛られなくなったんです。

相手は自分の鏡。心地よい人間関係は自分の感覚を頼りに

中島沙希、小谷実由、大澤実音穂スペシャル鼎談。私たちのメンタルヘルス。自分の心を守る方法 Vol.1_9

—— SNSは、大切なコミュニケーションツールであり、多くの人と触れ合う場でもありますが、上手につき合っていく必要がありますよね。

omiyu 
SNSとの距離感って、本当に難しくて。言葉ひとつとっても、人それぞれ感じ方が違うし、知らない人が相手の場合はなおさら。自分の心を守るためには、できるだけネガティブなコメントや、投稿は見ないようにするとか、気の利いた機能もあるからうまく使いつつ、コントロールすることは必要だなと思います。

mineho 私は、心を強くするために、あえてひどいコメントを自分から見にいって、慣れようとした時期がありました(笑)。でもやっぱり無理だった…。こんなふうに思われているんだって、ネガティブな気持ちに支配されてしまいましたね。

中島沙希、小谷実由、大澤実音穂スペシャル鼎談。私たちのメンタルヘルス。自分の心を守る方法 Vol.1_10

—— 友人、家族、知り合い…さまざまな対人関係のなかで、自分が心地よくいるために意識していることはありますか?

omiyu 私は第一印象の感覚をけっこう大事にしているかも。「合わないかも?」と思ったら、無理に近づかず、自然と距離をとったり。

mineho 気を遣ってしまうこともあるけれど、最初に感じた違和感を、無視したり我慢したりしたままでいると、あまりいいことは起きないよね。

omiyu でも、それは相手にとっても同じなんだと思うな。

saki 私も母から「人は鏡」とよく言われてた! 相手は自分のことを映しているんだよと。

omiyu 本当にそう。「なんでこんな対応されるんだろう? こんなこと言われるんだろう?」と感じるとき、私もそういう態度をしていたかも、とハッとすることがある。

saki 私は、「この人はなんでこの考え方になったんだろう⁉︎」と、逆に興味がわきます。自分の考え方とすごくかけ離れている人がいると、いろいろ聞きたくなってしまう。私にとって興味がわく人は、“面白い人”なのかもしれません。

omiyu ポジティブだなあ(笑)その発想の転換はいいかもね!

中島沙希、小谷実由、大澤実音穂スペシャル鼎談。私たちのメンタルヘルス。自分の心を守る方法 Vol.1_11

続く後編は、3人のお気に入りのメンタルヘルスケアグッズをご紹介! 落ち込んだとき、心が弱ったとき、自分のご機嫌を取るために、それぞれどんなセルフケアをしているのでしょうか…?

取材・文/秦レンナ 撮影/Local Artist 企画・編集/種谷美波(yoi)