最近、世界中でじわじわと注目を集めているのが、快眠のために旅をするスリープツーリズム。仕事に家事と追われる日常生活を離れ、心を満たすサービスや食事で、睡眠の質は変わるのでしょうか。それを体感すべく、エディター長谷が、神奈川県箱根町にある「ハイアット リージェンシー 箱根 リゾート&スパ 」へ足を運びました。

長谷日向子

エディター

長谷日向子

ウェルネス分野を中心に編集、執筆を行う。仕事柄、PC作業が多く、慢性的な肩こり、首こりに悩む。短めの睡眠時間で効率よく回復するため、ストレッチやアイマスク、マウスピースをしたり、朝食にタンパク質などを摂るなど、自分に合った快眠法を模索中。

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快眠を求めて、箱根へ

“箱根の我が家”をコンセプトとした「ハイアット リージェンシー 箱根 リゾート&スパ」は、豊かな自然に囲まれ、温泉とスパを併設したおこもりステイにもぴったりな高級リゾートホテル。

2024年10月3日(木)からは眠りの質に着目したトリートメント「スパIZUMI」の新メニュー「YON-KA フィト・スリープ・リチュアル」がスタート。箱根のホテルならではの自然、空間、温泉、食事に快眠トリートメントを掛け合わせた1泊2日の快眠旅をレポートします。

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画像提供:ハイアット リージェンシー 箱根 リゾート&スパ 

優しく、丁寧な味わいのアフタヌーンティーでほっこり

ホテルを訪れると、まず私たちを出迎えるのが、木の温もりを感じるラウンジ「リビングルーム」。毎年10月からは暖炉に火が入り、ゲストの心も体もほっこり温めます。

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画像提供:ハイアット リージェンシー 箱根 リゾート&スパ 

客室は、10種類全80室で、すべてにサンテラスまたはバルコニー(どちらも備える客室もあり)が。大きな窓からはたっぷりと自然光が降り注ぎ、開放感抜群。今回宿泊したのは「デラックス ツイン ルーム」で、73㎡の広々空間に、ベッド、ソファー、デスクが置かれ、ワーケーションとしても最高の場所でした。大きな窓の外には、箱根強羅温泉大文字焼の跡が残る明星ヶ岳の山肌が目の前に!

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この日はお昼すぎに到着し、トリートメント前に「秋のアフタヌーンティー」をいただきました。ペストリーシェフの風戸浩幸さんが自由な発想で、さつまいもやブルベリー、かぼちゃ、栗といった季節の食材を取り入れたメニューは、どれも素材の持つ優しい甘さや香りを存分に生かして作られています

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アフタヌーンティーというと食べきれないイメージを持っている人もいるかもしれませんが(かくいう私もその一人でした)、こちらは4種類の砂糖を使い分け、控えめで上品な甘さが特徴。

全粒粉や米粉、豆腐といったヘルシーな食材もふんだんに使われていて、心と体がじんわり満たされながら完食しました。作り手の想いが伝わる幸せなアフタヌーンティー体験

温泉との相乗効果で極上のリラックスへ! 快眠のためのトリートメントを体験

小腹を満たしたあとは、いよいよ「スパIZUMI」にてトリートメント体験。施術前に入浴することで、よりトリートメントの効果を高めることができるとのことで、まずは大浴場へ。大涌谷を源泉とした酸性の硫酸塩泉は、美肌効果が高く湯冷めしにくいと言われていて、本当にお風呂上がりはぽっかぽか!

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画像提供:ハイアット リージェンシー 箱根 リゾート&スパ 

体も心も緩みきったまま、いよいよ「YON-KA フィト・スリープ・リチュアル」の体験へ。

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フットソークで体を緩めたら、背面のクレンジング後、自律神経が通る脊柱まわりを中心に緊張をほぐすトリートメント。そして、ストレスによる緊張を感じやすい部位にホットストーンを当てながら、メインとなるフェイシャルの施術へ。

温められたソフトピーリングジェルで肌をリセットし、心身のバランスを整えるとされているアベンチュリンクォーツのスティックで丁寧にツボを刺激していきます。

施術中は心地よい香りで自然と呼吸が深まり終始夢うつつ状態…。久々に完全なリラックスを味わうことができたという実感がありました。最後にアフターティーをいただき、トリートメントは終了。

ほぐれて、満たされ、そのまま熟睡へ…

一日を締めくくるのは、もちろん絶品ディナー。厨房の活気が伝わる開放的なオープンキッチンが印象的な「ダイニングルーム - ウェスタンキュイジーヌ」にて、秋の味覚を堪能するコース料理をいただきました。

アフタヌーンティーと同様、どれも優しく丁寧な味わいで、ほぐれた体に新鮮な食材の栄養がすーっと染み渡る贅沢な時間

箱根の地を生かした地産食材が強み」というヘッドシェフの須田毅さんの言葉通り、季節限定メニュー「真鯛の湯引きサラダ ほうれん草とバジルのクーリ トマトサルサ 小田原 西湘野菜」(写真左)は大満足の一皿でした。

  • スリープツーリズム ハイアット リージェンシー 箱根 リゾート&スパ ディナーコース ダイニングルーム ウェスタンキュイジーヌ 小田原 鯛
  • スリープツーリズム ハイアット リージェンシー 箱根 リゾート&スパ ディナーコース ダイニングルーム ウェスタンキュイジーヌ カサゴ

食事を終えたあと、もう一度大浴場に行こうと意気込んでいたのですが、部屋に戻るともうウトウト…。いつもはまだ起きている時間なのに、耐えられずベッドに入りました。

旅先では、寝具や空調の変化でよく眠れないことが多いのですが、トリートメントの効果と快適な寝具&空間のおかげですぐに眠りに落ち、朝まで熟睡!

大きな窓から入る朝日を堪能したく、あえてカーテンは閉めずに寝たのですが、アラームなしでちょうど日の出が始まる5時半頃起床し、目覚めもすっきり。6時オープンの朝風呂で体をほぐせば、朝食を楽しめる万全のコンディションに。

スリープツーリズム ハイアット リージェンシー 箱根 リゾート&スパ 朝日

こちらのホテル、実は朝食のファンも多いそうで、ブッフェ形式の朝食は和洋食さまざまなお料理がずらりと並び、どれも本当においしい! 朝から早起き、朝風呂、大満足朝ごはんと、最高の一日のスタートです。

スリープツーリズム ハイアット リージェンシー 箱根 リゾート&スパ 朝食 朝ごはん モーニングブッフェ

箱根ならではの豊かな自然に触れて、五感をリリースする

ホテルだけでも大満足の時間を過ごせますが、実は近辺に箱根の自然を堪能できる癒しスポットが複数あるのもこちらの魅力。今回は旅の締めくくりとして、ホテルから車で10分ほどの距離にある「ポーラ美術館」へ足を運びました。

ポーラ美術館 箱根 森の遊歩道

画像提供:ポーラ美術館

箱根の自然と美術の共生”をコンセプトとして、箱根の森に溶け込むように立つ建物内には、印象派から現代アートまで数多くの美術品が展示されているほか、全長約1kmの散策路「森の遊歩道」では四季折々の豊かな自然とともに、屋外彫刻作品との出合いを楽しめます。

今回は朝の「森の散歩道」でウェルネスウォーキングを体験(今回の「ハイアット箱根」取材チーム向けに実施していただきました)。箱根の森ならではの希少な植物や野鳥のさえずり、そしてそこに共存する彫刻作品を見て、聞いて、香って、触って、全身で自然の恵を吸収することができました。オープン直後の静かな館内を楽しめるのも、近辺に宿泊している人ならではの特典。宿泊期間中、美術鑑賞と併せて、毎日散歩にくるという人もいるそうです!

  • ポーラ美術館 箱根 森の遊歩道 ロニ・ホーン ガラス彫刻 鳥葬

    ロニ・ホーンによるガラス彫刻作品《鳥葬(箱根)》

  • “眠るための旅行”って知ってる? ハイアット箱根で「スリープツーリズム」を体験してみた!_12_2

また、企画展は定期的に変わるので、何度来ても楽しめるのが「ポーラ美術館」の魅力。今回は、現代のフランス美術を代表するアーティストの大規模個展、「フィリップ・パレーノ:この場所、あの空」という企画展が。足を踏み入れると、その世界観に圧倒され、ずっと見ていたいような不思議な感覚を味わうことができました。

よく眠り、よく食べ、自然に触れ、アートに触れ、ホテルでの体験だけではなく、「ポーラ美術館」での体験がスリープツーリズムの最後のピースとしてぴたりとはまり、気づけばPC漬けで蓄積していた脳の疲労がスルスル〜と消えていたことに気がつきました。

ポーラ美術館 箱根 フィリップ・パレーノ この場所、あの空 フランス 現代アート

眠りに特化するご自愛旅で超回復!

眠りを目的に旅をするというコンセプトにはとても惹ひかれていたものの、正直、いつもと違う環境でどのくらいよく眠れるのだろうかと、期待と不安、半々くらいで初めて体験したスリープツーリズム。

いい意味で、予想を裏切られ、本当によく眠れました。旅は楽しいけれど疲れてしまったり、休養のために行っても結局よく眠れず疲れが取れなかったりという経験、あるあるじゃないでしょうか。しかし、スリープツーリズムは眠りに注力しているからこそ、旅を終えたあとに「あ、回復してる」と心から実感することができました

また、「近いからいつでも行ける」と思い、実はかなり久しぶりだった箱根。東京から1時間半という立地がご自愛旅には絶妙で、週末にサクッと泊まってエネルギーチャージし、そのまま仕事へ、なんて楽しみ方もおおいにありだなと感じた1泊2日でした。

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*ハイアット リージェンシー 箱根 リゾート&スパ 

住所:〒250-0408 神奈川県足柄下郡箱根町強羅1320

アクセス:JR新幹線・小田原駅から車で約45分。箱根登山電車・強羅駅から車で約5分。
※小田原駅もしくは強羅駅とホテル間の無料シャトルバスあり。詳しくはこちら

駐車場:57台まで

※愛犬と泊まれるペット専用フロアもあり。

>>公式サイトはこちら


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*ポーラ美術館

住所:〒250-0631 神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285

アクセス:JR新幹線・小田原駅から車で約50分。箱根登山電車・強羅駅から車で約10分。
※強羅駅と美術館間の無料シャトルバスあり。詳しくはこちら

駐車場:127台まで


>>公式サイトはこちら

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取材・文/長谷日向子