羊文学  アルバム『our hope』ジャケット写真

our hope 羊文学 通常盤¥3,300 発売中/ソニー・ミュージックレーベルズ
作詞・作曲/塩塚モエカ

大切な存在を失った喪失感に寄り添う一曲

家族、パートナー、友人、ペット… かけがえのない存在を失った悲しみのなかをさまようあなたに。羊文学の『光るとき』は、こう語りかけながら手を差し伸べる。〈何回だって言うよ、世界は美しいよ 君がそれを諦めないからだよ〉と。 

塩塚モエカ(Vo,Gt)、河西ゆりか(Ba)、フクダヒロア(Dr)からなる、2022年最も注目すべきオルタナティブ・ロックバンド、羊文学。塩塚がつむぐ文学的な歌詞と、リズム隊がつくり出すしなやかな強さを感じるサウンドが魅力で、昨年出演した『FUJI ROCK FESTIVAL’21』は大きな話題を呼んだ。そんな3人が、今春にアルバム『our hope』をリリース。包み込むような優しい光を感じる『hopi』、閃光のような『光るとき』など、さまざまな希望の光を見ることができる。

羊文学「光るとき」Official Music Video (テレビアニメ「平家物語」OPテーマ)

“祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理(ことはり)をあらはす。おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。たけき者も遂には滅びぬ、偏(ひとえ)に風の前の塵に同じ”

この名文で始まる、平家一門の繁栄と衰亡を描いた古典文学「平家物語」。この作品をモチーフに、“鎮魂”と“祈り”を描いたアニメ「平家物語」のオープニング曲として書き下ろされたのが、『光るとき』だ。この曲は、どんな人にもいつか必ず最後がくるというこの世の真理を気づかせる。そんな諸行無常の世界に生きる私たちに、塩塚は空を貫くような声で、〈何回だって言うよ、世界は美しいよ 君がそれを諦めないからだよ〉と力強く伝える。

生きていると悲しみのどん底に突き落とされることがある。でもそれと同時に、つらくても生きることを諦めさえしなければ、このうえなく幸せで美しい瞬間にも出合えることを、この言葉は思い出させてくれる。

曲の後半には、こんな一節がある。〈いつか巡ってまた会おうよ 最終回のその後も 誰かが君と生きた記憶を語り継ぐでしょう〉〈いつか笑ってまた会おうよ 永遠なんてないとしたら この最悪な時代もきっと続かないでしょう〉。離れ離れになってしまった人との再会を祈るこのフレーズを聴いていると、悲しみで曇っていた心に光が差し、また世界の美しさが見えてくるはず。

TVアニメ「平家物語」第二弾PV 2022年1月12日(水)よりフジテレビ「+Ultra」にて毎週水曜24:55〜放送/FODにて全話先行配信中 

羊文学 - 光るとき feat.君島大空 / THE FIRST TAKE

羊文学の陽だまりのような音楽に包まれて

文/海渡理恵 編集/国分美由紀