「自然と健康を科学する」をスローガンに漢方薬品などを製造する『ツムラ』が、2021年から「誰もが不調を無理に我慢することなく、心地よく生きられる健やかな社会」を目指し、中長期でプロジェクトに取り組んでいる「#OneMoreChoice(ワンモアチョイス)」プロジェクト。本プロジェクトの新たな取り組みとしてこのたび発表されたのが、大学生へ向けた「Carellege Action(ケアレッジアクション)」です。

体や心の悩みに寄り添う、しかもヘルスケアリテラシーのさらなる向上が期待できる大学生に向けたプロジェクトということで、yoiも関心を寄せています。プロジェクト発表会に登場したのが、モデル・俳優として活躍する井桁弘恵さん。この発表会の模様をレポートします!

少しの不調でも、気軽に、無料で相談できる場所を提供

Carellege Actionのパネルを持った井桁弘恵

まずは冒頭で、『ツムラ』コーポレート・コミュニケーション室長の犬飼律子氏より本プロジェクトが発足した背景や、その内容が発表されました。『ツムラ』が2022年に行った調査(※)によると、女子大学生の85.7%が生理やPMSの不調を“我慢した経験がある”と回答。また、生理やPMSの不調がある女子大学生の6割は、“その悩みを誰かに相談したい”と思っていることがわかりました。さらに、不調を相談しやすい条件として「無料」「信頼」「専門性」が重視されていることも明らかになり、そうした悩みや要望に応えたいという動きが「Carellege Action」につながったのです。

具体的な取り組みの内容としては、プロジェクトに賛同する大学内など、学生がアクセスしやすくプライバシーが保たれた場所に、医師などの専門家に心身の不調を無料で相談できるスペース「ヘルスサポート」を開設するというもの。ちなみに「Carellege」は「care」と「college」を組み合わせた造語だそう。

この取り組みに対し井桁さんは、
「なぜ今までなかったのかな、と思うほど素敵な取り組み。私が大学生の頃を振り返ると、地元の福岡から上京し、住む場所やまわりの人など環境の変化も大きく、人生の中でも心身ともに揺らぎの多い時期でした。1〜2年生の頃は大学の寮に入っていたので友人がまわりにいましたが、なかなか踏み込んだ相談話はできなかったですし。精神的にも経済的にも病院へ行くことのハードルは高いので、気軽に相談できる場所が“いつもの大学”の中にあるのはありがたいですよね。私が大学生の頃にも欲しかった!」
と、自身の経験を振り返りながら語ってくれました。

※「生理やPMSに関する大学生の不調実態調査」調査概要 ■実施時期:2022年12月23日(金)~12月24日(土) ■調査手法:インターネット調査 ■調査対象:調査①全国の15歳~35歳の男女1万人(人口構成比に合わせて回収) 調査②「生理」「PMS」いずれかの不調を自覚する大学生の女性1,000人 ■調査委託先:マクロミル★構成比(%)は小数第2位以下を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります。

女子学生だけでなく、男子学生も相談できる場に

ツムラの発表会で医師の話を聞いている井桁弘恵

本発表会では、女子大学生からの体の不調に関する質問に、婦人科医・丸山綾先生が答えたムービーも放映されました。

Q.生理痛やPMSなど、ちょっとした不調を抱えながら過ごすことが多いです。少しでも快適に過ごすにはどうすればいい?

A.まずはそうした不調を周囲の人に伝えてみるのもひとつの手だと思います。ただ、誰しもが理解してくれるとは限りません。まわりの人を変えることは難しいこともあるので、理解してもらえないようであれば病院など専門機関に相談して、不調のつらさを自ら改善していくのも大事だと思います。(丸山先生、以下同)

井桁さん「まわりが理解してくれるのがベストだけど、“理解するべきだ”と押し付けるのではなく、自分なりの打開策をポジティブに探していく考え方はすごく大事だなと思いました。自分の痛みやつらさはどうしても主観で見てしまうけれど、病院の先生に客観的に診てもらうことで視野が広がりそう」

犬飼さん「痛みは言葉で伝えることが難しいですしね。だからこそこの取り組みが、人それぞれの症状があることを理解する、相互理解が広まるきっかけになれたらと考えています」

Q.ヘルスサポートにはどんな人に来てほしいですか?

A.病院へ行くことにハードルを感じる方にはまず来てほしいですね。我慢に我慢を重ねて、どうしようもできなくなった状況で初めて受診される、という方も多いんです。実際に受診する前にヘルスサポートで「どんな検査があるのか」「どんな薬があるか」などの前情報を得られれば、より安心できると思います。

また、パートナーが生理痛でつらそうにしている、という男子学生の方にも来ていただけたら役に立つと思います。デリケートなことなので触れちゃいけないのでは? と思っている方も多いので、なぜ生理痛が起こるのか、どんなサポートをしてあげられるのかなどを知ってもらいたいです。

井桁さん「パートナーのためにヘルスサポートへ行ってくれるなんて、すごく素敵! 私もそういうパートナーが欲しいな(笑)。男性でも入りやすい場所であるというのは大事ですよね」

犬飼さん「今後は男性の体調不良にも対応していきたいと考えています。若い世代全体の健康をサポートしたいですね」

ライフステージによって変わる体の悩みを、20代のうちに学ぶ

マイクを持って答える井桁弘恵

「Carellege Action」では、「ヘルスサポート」の設置のほかに「大学生向け#OneMoreChoice研修」も行われます。これは、大学生のための“我慢に代わる選択肢”を学ぶ研修。自分の“隠れ我慢タイプ”を診断して、自分に合った選択肢を専門家のアドバイスとともに学びます。学生の今だけでなく社会に出てから、そして妊娠・出産など、ライフステージごとの健康課題について考えるワークショップが行われるそう。

井桁さん「体の不調を相談できることで心の安定にもつながりそう。私は今20代ですが、30代、40代と悩みは変わっていくだろうから、それを今のうちから研修として学べるのはとてもいいことですよね。私も受けてみたい! この素敵なプロジェクトを知ることができてすごくうれしいですし、これがもっと広まることで“自分も行ってみよう、やってみよう”と思う人が増えて、よりよい社会になっていったらいいなと思いました」

現在この「Carellege Action」には、芝浦工業大学、上智大学、東京経済大学、東洋大学の4つの大学が賛同し、早速、この4月から活動がスタートするそう。大学生という若い世代にフォーカスしたこの取り組み、今後どのように展開していくのか、注目が集まりそうです。