こんにちは! 集英社yoiエディターズ、りぼん編集部のてんちゃんです。今回は、「りぼん」の増刊に掲載するなりたちまち話題となった珠玉の読み切り漫画2作を収録した電子コミックス『うちらのはなし』をご紹介します! 【集英社yoiエディターズリレーvol.2】
集英社りぼん編集部
生粋の漫画好き編集です♪(人生を変えた三大漫画は『魔法騎士レイアース』『神風怪盗ジャンヌ』『銀魂』‼︎) 「りぼん」は“大人になっても読める“少女漫画の王道作品を多数掲載! りぼんHPでは、過去の漫画を毎週5作読める『名作ライブラリ』を更新中⭐︎
【りぼんコミックス】寄り添って支え合う女子に涙するーー『うちらのはなし』
各電子書店で好評配信中!! 著者/木村恭子
【ママの友達】重い生理に悩む高1の星野と、妊娠のうわさをたてられたクラスの一軍女子・三上。それぞれの「おなかのなかの話」をきっかけに生まれるハートフル友情ストーリー! 【一緒に起きてる】ある日事故で家族を失った中2の川瀬天。喪失の果てに保護施設で出会ったのは、心に深い傷を負った1人の少女で天? やさしい希望の光に満ち溢れた感動のガールズサバイブ巨編!
少女漫画と言えば、キラキラの青春と誰もが羨むイケメンとの恋…と思いがちですが、そんなことありません! 私が思うに、少女漫画とは“主人公である女の子たちの生き様“を描いたもの。だから、恋の喜びと苦しみはもちろん、友情も、体と心の悩みも、本当はなんでもアリなんです‼︎
むしろ後々心に残るのは、きゅんとした場面よりも、主人公たちの悩みと本音に触れた時に出た言葉・思い・優しさと勇気なのではないでしょうか。(いや、もちろん“きゅん“も好きですよ‼︎)
そんな思いを抱えている私の心に衝撃を与えた読み切り漫画が収録されているのが、この電子コミックス。
【りぼん】収録作① 生理と妊娠…高校生女子の“おなかのなか“事情『ママの友達』
主人公は、生理が重いことに苦しむ高校1年生・星野。親からも保健室の先生からも理解を得られず、自分の体のことを受け入れられないモヤモヤを抱えています。そんな星野のクラスでは、一軍(=ビジュ爆発軍団)のキラキラ女子である三上が妊娠したとのうわさが!
普段はヒエラルキーが違って関わることがない2人ですが、帰り道で休んでいた星野に三上が声をかけてくれたことがキッカケで話すように。三上が「病気じゃなくてもつらいものはつらいよ」とわかって寄り添ってくれたことに、嬉しく思います。
作者の木村恭子さんは、「集英社オンライン」のインタビューで「婦人科系のことは、1人で抱え込んじゃう子が多いような気がして。でも、「なんかちょっと1人じゃないかも」と思えたら安心するかなと思って」と語ってました。
リアルな世界でも、友人と生理や妊娠の悩みを話すには、どこか気恥ずかしさと気まずさがある程度あると思います。なにより、そもそも自分自身もその状態を把握しきれていなくて、どう言葉にしたらいいのかわからない部分もあるはず。
それが学生なら、“どうせ人に話してもわかってもらえない“という思いになおさらつながっていきそうです。
体のこと、自分もわからない。でも、他人にとやかくは言われたくない。涙ながらに語る三上。それに対して、「1人にしない‼︎」と答える星野。正解のない世界で救いになるのは、シンプルな寄り添いの言葉と気持ちなんだな…と改めてハッとさせられました。
“おなかのなか“の悩みを抱える2人の女子の友情ストーリーは、大人になった今だからこそ読みたい物語です。
【りぼん】収録作② 極限状態で生きようとする少女たち『一緒に起きてる』
中学2年生の川瀬天は、事故で両親と妹を亡くしてしまいます。里親が決まるまでの1ヶ月、事情があって親と暮らすことが難しい子供達を一時的に保護する場所=一次的保護所に入ることに。そこは、厳格なルールに管理さえており、同室の子と話すこともできない。それでも手紙の交換などで少しずつ心を通わせ、彼女が保護所に来た理由を知ります。
ひとりぼっち同士で支え合う日々の中、保護所のドアが開いているのを見つけた天たちは、施設を抜け出すことを決意してーー⁉︎
見た瞬間涙が出そうになったシーンが、天の同室の子が「だれか私のかわりにたすかって」と思いを漏らすところ。彼女自身、壮絶な体験から己を傷つける行為をすることで助けを求めていました。でも誰も助けてくれない…だったらいっそ、私以外の誰かがーーと言う絶望感と決してなくならない他への優しさ。
家族もいない、お金もない、自由もない世界で互いにできることはーー寄り添うこと。天の「一緒に助かろう」という飾らない真っ直ぐな言葉が響きます。
天の想い、同室の子の事情、施設を抜け出した後の2人の未来ーーぜひご覧ください。きっと涙します。