2024年10月から、「yoi」と集英社の7つのファッション・ビューティマガジンのコラボコンテンツ「集英社yououriプロジェクト」がスタート。今回はyoi、SPUR、MAQUIAのズボラ編集者3人(自称:ズボラズ)が、7つの生理用ナプキンを実際に触ってみて、その違いを比べてみました。
参加したのはこの3人
yoi編集部所属
入社7年目。yoi編集。ファッション、ビューティ専門。マンガと音楽とファッションをこよなく愛する30歳。この春異動してきたばかりで、フェムテックはまだまだ初心者。yoiを見ながら勉強する毎日です。
MAQUIA編集部所属
入社7年目。美容雑誌MAQUIAエディター。万年ダイエッターだけど、おいしいものはやめられない。美容でごまかしながら生きています。フェムテックは最近勉強し始めました。
SPUR編集部所属
「集英社yououriプロジェクト」とは?
2024年10月から、「yoi」と集英社の7つのファッション・ビューティマガジンのコラボコンテンツ「集英社yououriプロジェクト」がスタート。yoiの理念である「you(あなた)とi(わたし)でour(わたしたちの)社会を創る」のもと、yoi編集部と各媒体の編集者がエンターテイメント性と社会的意義やウェルネスを両立するコンテンツを創出します。「Seventeen」「non-no」とのコラボは10代前半のα世代、20歳前後のZ世代のインサイト、「MORE」「BAILA」とは働く女性のウェルネス、「MAQUIA」[SPUR]とはフェムテック、「MEN’s NON-NO」とはジェンダーをテーマにお届けします。
実はフェムテック1年生の3人
エディターヤマ:今日はこの3人でフェムテック、その中でもナプキンについてセッションしてみようと思います。実は3人ともナプキン派だよね。
エディターウミ(以下、ウミ):まず、生理用品ってナプキン以外に何があるんだっけ?
ヤマ:タンポンとか、あとは吸水ショーツ、月経カップ、月経ディスクとか。
エディターカワ(以下、カワ):便利なのかなとは思うけど、ズボラだから洗ったりができない気がする。カップやディスクは煮沸とか必要でしょ? 洗うのをサボって雑菌とか繁殖させちゃいそう!(涙)
ウミ:わかるよ、私もそんなにマメにできる気しない。忙しいとその手間をかけたくないから、ナプキンはむしろありがたいと思っちゃう。最近のナプキン、進化が凄まじいし、比較的快適に過ごせてるんだよね。
ヤマ:悩んでいる人がたくさんいるからなかなか言いづらいんだけど、私自身は生理の悩みが少ないんだよね。経血量が多いわけでもなくナプキンに不満を感じたことがなくて。生活に支障があればいろいろ策を講じると思うけど、良くも悪くも満足しちゃってるのかも。
カワ:わかる。実は私も生理痛とかPMSもほとんどなくて、2~3日で生理が終わっちゃう。経血量だけでいうと、生理中はナプキン一枚で一日過ごせちゃうくらいの少なさ。
ヤマ:それはむしろ吸水ショーツ向きかもね! フェムテックに詳しい方々と話すと、スタートラインから「生理中はナプキン以外にどんなアイテム使ってる?」っていうハイレベルな会話が多いんだよね。実は我々のような“フェムテック1年生”もいる。ただ、程度の差はあれ、抱えているものもそれぞれあると思うので、皆さんと一緒に勉強していきたい!
ウミ:しかもみんなズボラな“ズボラズ”ね(笑)。「フェムテック」って聞くと、「意識が高い方のもので、とっつきにくい、挑戦しづらい」って思うかもしれない。でも、実は女性の生活をほんの少し豊かにする便利なものばかりだし、知っておくだけで考え方も変わると思うんだよね!
カワ:今日この会のために薬局でナプキンを探していて初めて気づいたんだけど、今まで何も考えずにナプキンを買っていたみたい。生理不順だから慌ててコンビニで買うことも多いし、特に「これが欲しい!」っていう思いで買いに行ったことがなかった。
ヤマ:私も昼用か夜用かくらいしか見てない、なんなら夜用を買っておけば昼でも使えるじゃん、と思っている!
カワ:わかるー! 大は小を兼ねるんだよね(笑)
ウミ:この会話ズボラすぎる! ちなみにナプキンってオーガニックコットンがいいって聞くけど、それはなんでなの?
ヤマ:デリケートゾーンって皮膚が薄いから荒れやすいし、経皮吸収率高いそう。だから化学繊維だとかぶれる人は着け心地がかなり違うらしい。あとはケミカルな成分に反応しちゃうデリケートな人は、オーガニックコットンに変えると生理痛が軽減されることもあるというご意見も……。
カワ:そんなことまで変わるの⁉︎ それは大事かも。
ウミ:なるほど、オーガニックコスメや下着と同じ考え方なんだね。
ナプキンのパッケージやCM、どう思う?
ヤマ:ところで、ナプキンのパッケージってピンク色やドット柄やパステルカラー……、いわゆる“かわいらしい”ものが今でも多いのはなんでだろう?
カワ:とにかく情報量が多いよね。ドラッグストアの棚がいっぱいになるくらい種類があるんだから、もっとシンプルなものやスタイリッシュなものが出てきてもいい気がする。
ウミ:私たちもそうだけど、ナプキンについてちゃんと調べて選んでる人ってかなり少ないんじゃないかな。お店へ行ってその場で選ぶから、いつものデザインの方がなじみやすくて手に取りやすいのかも。
ヤマ:たしかに! 情報量の多いパッケージは、私たちみたいなフェムテック初心者にもわかりやすくするためかもね。オーガニック系のセレクトショップには、ボックスタイプのものやすっきりしたデザインも多いもんね。
ウミ:それで言うと、ナプキンのCMも気にならない? すごく柔らかい口調で商品を説明しているものが多いの。
カワ:でもそれってわりと最近の傾向で、少し前まではパンツスーツの女性が「生理でも動ける!るんっ♪」ってしてるタイプが多かった気がする。それももちろん素晴らしいんだけど、生理中も頑張らないといけない感じがして、少し負担に思ってたんだよね。ポジティブだったり優しい雰囲気のCMが多いことは、一方で生理の辛さが理解されづらいことにも関係しているんじゃないかな、と思う。
ヤマ:体の性別の違いはもちろん、生理があってもすべての人が同じ体験をしているわけではないし、なかなか現実をシェアするのは難しいよね。私たちアラサー世代が小学生の頃は保健の時間に男子だけ別の教室へ行って、女子だけで生理の話聞かされてたくらいだし。そういえば、何年か前に話題になった韓国のCMって知ってる?
カワ:知ってる! 『ナトラケア』のCMで、痛みでイライラして仕事がうまくいかなかったり、経血で汚れたシーツを洗ったり、けっこうリアルに生理の実情を伝えてるんだよね。
ヤマ:「そうそう、こういうCMが見たかった」という反応が多かったよね。センセーショナルだったし、生理の辛さは伝わりやすい! ただ商品の情報はほとんどなかったよね。
ウミ:でも、こういうCMが心に残ったら、その商品や会社を調べてみようってアクションを起こす人は増えそう。かといってあらゆる広告がこういったセンセーショナルなものばかりになればいいってわけでもないし、意外と難しい問題かも……。
ヤマ:フェムテック1年生の私たちにとっては、ナプキンのずいぶん深いところの話をした気がするね。
カワ:でも今日話せたことで、今後ナプキンを選ぶモチベーションはかなり変わると思います!
今回試したナプキン図鑑
今回、フェムテック初心者の三人が試したナプキンを一挙に紹介。yoiでも紹介されている鉄板製品から、この秋登場するニューフェイスまでラインナップ!
しあわせ素肌 もちふわfit/ロリエ
しあわせ素肌 もちふわfit 特に多い昼用 羽つき14コ ¥460(編集部調べ)/ロリエ
動いても体に自在にフィットするもちふわクッションが魅力のロリエ「しあわせ素肌 もちふわfit」。おしりの隙間にフィットするV字フィットで、やさしいつけ心地とモレにくさを両立。
ヤマ:真ん中はふんわりボリュームで吸収して、おしりはフィットさせることでゴワゴワしない、これを両立してるのがすごいよね。女性の「こんなナプキンが好き」という意見をもとに、大切なことを残して削ぎ落としていくフェーズに入っている製品かも。
ウミ:サイズが大きすぎないから、ショーツからはみ出なさそうなのもいい! 羽のラインが曲線になっているからモレにくそうじゃない? これって実は大事!
カワ:「特に多い昼用」と「特別心配な昼用」があるから、「特別心配な昼用」を使っておけば大丈夫だね。ズボラすぎる発言だけど、大は小を兼ねるから(笑)。
新・素肌感/エリス
エリス 新・素肌感(多い昼〜ふつうの日用) 20.5cm 20枚×2パック ¥420/エリエール
エリスの「新・素肌感」は、体の丸みに沿う形状なのでモレにくいのが特長。やわらかクッションシートで肌にやさしく、ふんわりフィットする。
カワ:ナプキンにハートのエンボス加工があって可愛い〜! このハート、可愛いだけじゃなくて体のラインにより沿いやすくする効果があるんだって。
ウミ:テンションが上がるだけじゃなくて、大切な役割がしっかりあるのもいいよね。ヨレにくさ、漏れにくさにもバッチリ対応!
ヤマ:実はこの「新・素肌感」の羽なしも使う時があるんだけど、ヨレなすぎて全然羽根なしでも大丈夫なんだよね。夏場、どうしても羽ありだとムレやすくなるけど、羽なしだとヨレるしな〜と悩んでいる人にも体感してほしい。
バンブーサニタリーパッド/limerime
バンブーサニタリーパッド(羽根つき)昼用 24cm 10枚入 ¥817/limerime
竹繊維を使ったプラスチックフリーが魅力の、limerime「バンブーサニタリーパッド」。竹素材はシルクのような肌ざわりで抗菌・防臭・制電に優れており、体にも環境にもやさしいプロダクト。
カワ:とにかくおしゃれ! インテリアにこだわっている空間に置いても浮かないし、化粧品と並べても違和感がないと思う。
ウミ:家に遊びに来た友達とか、家族に見られても大丈夫な安心感があるよね。パッケージが箱なのも珍しい。家だとパッケージのままトイレに置いて直接取り出すから、箱型の方が便利そう。
ヤマ:99%生分解性で土にかえる素材だったり、ダイオキシンフリーや塩素フリー、ノンポリマーなどなど環境に配慮したこだわりがすごい!
ソフィ ボディフィット/ユニ・チャーム
ソフィ ボディフィット 21cm 20個入り ¥383(編集部調べ)/ユニ・チャーム
ファンが多いユニ・チャームのシグネチャー「ソフィ ボディフィット」。隙間ができにくい「まん中フィットゾーン」、素早く吸収してサラッと保つ「吸収ホール」、おしりにフィットする「バックフィット吸収体」の3要素で、動いてもヨレにくくモレにくい。
カワ:ナプキンの中心部分がふんわり盛り上がっているのって本当に安心できるよね。正直長さよりもいちばん大事かも。
ウミ:経血をいちばん吸収する中央部分が隙間ができにくいの大事だよね。ここがしっかりしているだけで安心感が段違い。
ヤマ:経血を吸収した後もサラッとした触り心地を保てるのもうれしいポイント。
ソフィ はだおもいORGANIC 極うすスリム/ユニ・チャーム
ソフィ はだおもいORGANIC 極うすスリム 23cm 15個入り ¥438(編集部調べ)/ユニ・チャーム
オーガニック派から人気の「ソフィ はだおもいORGANIC」から極薄スリムが登場。デリケートゾーンが触れる面の上層には、100%オーガニックコットンを採用。かつ高分子吸収材不使用(ノンポリマー)で敏感な肌にもやさしい。
カワ:ナプキンにおいてはオーガニックコットンの良さって知らなかったけど、デリケートゾーンの経皮吸収率が高いって話を聞いたら俄然気になってきた。
ヤマ:ナプキンの肌があたる面にコットンの柄が入ってる……! 他の製品もここに柄が入ってるものが多いんだね。
ウミ:本当だ! ナプキンつけるときって流れ作業っぽくなるから、正直全く気づかなかった…!
ヤマ:パッケージが女っぽいのは少し抵抗があるけど、ナプキン自体に可愛い柄が入ってるのは嬉しいかも。
カワ:ポジティブなことだけ言ってくれるおみくじとかつけてほしい。「今日もお疲れ〜」みたいなね。
ヤマ:おみくじ! それは最高におもしろすぎる!(笑)。そういう楽しい遊びがあってもいいよね。
ソフィ センターイン ふわふわタイプ/ユニ・チャーム
ソフィ センターイン ふわふわタイプ 29cm 10個入り ¥328(編集部調べ)/ユニ・チャーム
コンビニでも気軽に購入できる、「ソフィ センターイン」のふわふわタイプ。表面シートはふわふわ感触で肌にやさしく、真ん中でスピード吸収。おしゃれなデザインラップで気分も上がる。
ヤマ:結局これがベーシックで使いやすい気がする。コンビニで絶対見かけるし、なんだかんだ一番お世話になってるかも…?
カワ:これはふわふわタイプだから少し厚みがあるけど、「センターイン」シリーズのコンパクトの方は個包装された状態でも小さくて、パンツの後ろポケットに入れても違和感ないし持ち運びやすいんだよね。
ウミ:ナプキンの両端に、モレ防止の堤防がある! 肌あたりは少し気になるけど、寝相が悪い人はこれがあった方が安心だよね。
ソフィ シンクロフィット/ユニ・チャーム
ソフィ シンクロフィット 12ピース ¥383(編集部調べ)/ユニ・チャーム
yoiのフェムテックアワードでも話題になった、「ソフィ シンクロフィット」。体に挟んで直接吸収するピースタイプで、ナプキンに2時間分の吸収力をプラスできる。個別ラップ・製品ともにトイレに流せる。
ウミ:「シンクロフィット」は私でも聞いたことある! どうやって使うの?
カワ:箱の中に説明書が入ってる。中指にはめて、デリケートゾーンにあてて、挟む…?
ヤマ:私「シンクロフィット」は使ってるからわかるよ。初めて使う人は説明書に載ってる動画を見るのがいいと思う! 要は経血が流れ出ないようにフタをする感じかな。
カワ:鼻血が出たときに鼻に軽くティッシュ詰める感じだ!
ウミ:わかりやすい(笑)。ナプキンじゃないけど腟内に入れないっていうのはハードル低くていいね。
ヤマ:しかもそのままトイレに流せるから、出先のトイレでも楽なんだよ。フェスのときもめっちゃ便利! スタイリストさんから聞いたのは、撮影でなかなかトイレに行けないとき「吸水ショーツ+ナプキン+シンクロフィット」のフル装備で出かけて、順に捨てて、最終的に吸水ショーツで帰るっていうテクニック。
カワ:なるほどね。それなら多い日でも安心して仕事できそう。
比べてみたら、ナプキンはセルフラブの象徴だった
カワ:たくさんのナプキンを並べて比べる機会ってないから、ものによってこんなに違うことにびっくりだったね。
ヤマ:普段は何も考えずに手にとってるけど、いつもと違うナプキンを選んでみたら何か新しい発見があるのかも。それによって仕事のパフォーマンス上がりそう!
ウミ:気分は変わるよね。ナプキンの特性を知って「今日はこれを使うんだ」って思うことも大事だし、かぶれにくさや経皮吸収で体にも影響がある…実はナプキン選びってセルフラブに繋がるのでは?
カワ:たしかに…ナプキン選びをおろそかにすることは、自分の体をおろそかにすることなのかも!
ヤマ:ズボラな私たちでも比べてみたら違いに気づけたし、フェムテックに詳しくない人もこれを機に自分に合うナプキンを探してみてほしいね。
撮影/柳 香穂 イラスト/ツルモトマイ(動物のイラスト)、 MIDORI KOMATSU(似顔絵) 構成・取材・文/堀越 美香子