高校生と大学生のSNSとメンタルヘルス。リアルな使い方からリテラシーまで深堀り！【yoi×Seventeen×non-no】

「集英社yououriプロジェクト」とは？
2024年10月から、「yoi」と集英社の７つのファッション・ビューティマガジンのコラボコンテンツ「集英社yououriプロジェクト」がスタート。yoiの理念である「you（あなた）とi（わたし）でour（わたしたちの）社会を創る」のもと、yoi編集部と各媒体の編集者がエンターテイメント性と社会的意義やウェルネスを両立するコンテンツを創出します。『Seventeen』『non-no』とのコラボは女子高生と女子大生のインサイト、『MORE』『BAILA』とは働く女性のウェルネス、『MAQUIA』『SPUR』とはフェムテック、『MEN’s NON-NO』とは男性視点のジェンダーや妊活などをテーマにお届けします。

今回の参加者は…

うららさん：高校３年生。SNSを見始めたのは小学４年生、投稿を始めたのは中学２年生。現在、利用しているのはInstagram、X、TikTok。Instagramは学校のリアルな友人とつながっている非公開アカウントと、知り合いやその友達とつながっている公開アカウントの２個持ち。友人との連絡手段はInstagramのDMがメイン。Xは情報収集、TikTokは閲覧専用。

まこさん：高校２年生。SNSに依存することを恐れて、アカウントは持たない主義。Instagramはアカウントを持たなくても見られるため、たまに好きな芸能人やYouTuberのアカウントを見て情報収集。友人との連絡手段はLINE。

くらげさん：大学３年生。SNSを使い始めたのは中学３年生。現在、利用しているのはInstagramとX。Instagramは親しい友人とつながっている非公開アカウントと、non-no「大学生エディターズ」の活動を発信するために作った公開アカウントの２個持ち。Xは親しい友人とつながっているものと推し活用の２個持ち。

みおさん：大学２年生。SNSを使い始めたのは高校１年生。現在、利用しているのはInstagram、X、BeReal。Instagramは３つのアカウントを使い分け。そのうち２つは非公開で、１つは中高の知り合い全員と、もう１つは親しい友人のみとつながっている。公開アカウントは、non-no「大学生エディターズ」の活動を発信するために作成。

るこさん：大学３年生。SNSを使い始めたのは中学３年生。現在、利用しているのはInstagram、X、TikTok。Instagramは３つのアカウントを使い分け。唯一公開しているのは、趣味の写真を投稿する用。残りの２つは非公開で、１つは知り合い全員と、もう１つは親しい友人のみとつながっている。TikTokはフォロー＆閲覧専用。 

高井：まこさん以外は全員、InstagramとXを利用していますね。Instagramは、それぞれ公開と非公開のアカウントを持っていますが、どのように使い分けていますか？

くらげさん：基本的に、顔を出すのは非公開アカウントのみです。小学生の頃から学校でインターネットリテラシー講座を受けてきて、ネット上での顔出しは危険だと教えられてきたので。公開アカウントで顔出しするのは、かなり抵抗があります。

みおさん：私も公開アカウントでは、顔が判別できない写真を投稿し、出かけた先の写真をアップする際にも時差投稿を厳守。顔やライフスタイルを公開するのは危険だと感じますし、自分を守るために徹底しています。

るこさん：私が公開しているのは、趣味で撮った風景の写真を投稿するアカウントのみ。昔からSNSの危険性を教えられてきたので、顔写真は非公開アカウントでアップしています。

うららさん：私は公開アカウントと非公開アカウントのどちらでも、顔写真を投稿しています。ただしトラブルを防ぐために、公開アカウントでは時差投稿したり、一緒に写っている友達には必ず許可を取ったり、といったマナーは徹底。

青柳：お友達が写真を公開してほしくないと言った場合は、どうしているのですか？

うららさん：写真として気に入っている場合は、許可をもらった上で、顔にモザイクをかけて投稿しています。私の周りでは、この方法を実践している人が多い印象です。

高井：皆さん、ネットリテラシーが高くて素晴らしい…！ちなみに、SNS上とリアルな自分には、違いがあると思いますか？

るこさん：非公開アカウント２つのうち、フォロワーが多いメインアカウントに投稿する写真は、サブアカウントと比べて写りの良さを気にしているかも。でも全く違うわけではなく、普段よりも少し背伸びしている感覚です。

みおさん：どのアカウントでも、SNSに投稿する写真は、できる限り盛れたものを厳選。現実とSNSは違うし！と割り切っています。

くらげさん：差をつけているつもりはなかったけど、友達いわく、普段とSNSの私は少し違うようです（笑）。SNSでつながった後に「SNSを見ていたら、意外とズボラで驚いた！」と言われたことが何度かあって。私は人と話すのが苦手で自分を取り繕ってしまうこともあるから、逆にSNSのほうが素の自分を出せているのかもしれません。

うららさん：SNSをやっていなかった頃と比べて、かなり映えを意識するようになったと思います。角度を気にして写真を撮るのはもちろん、映えるかどうかで飲食店を選ぶことも。インスタで見るオシャレな人に、少しでも近づきたい気持ちがあるんだと思います。

まこさん：私はSNSをやっていないからこそ、客観的に楽しめているかもしれません。見る側としては、SNSに上がっている写真や動画がリアルかどうかは、あまり気にしたことがないです。羨ましくて自己嫌悪になることもないし、逆に、盛り過ぎ！とも思わない。

石井：まこさんがおっしゃった通り、SNSでキラキラした投稿を見て、コンプレックスを刺激されてしまう人も少なくないはず。SNSはメンタルヘルスに影響すると感じますか？

まこさん：私は友人を見てそう感じました。一時期、仲のいい友達がインフルエンサーと自分を比較して自己嫌悪に陥ってしまい、毎日のように「整形したい」と言うようになってしまったんです。周りの友人たちが「○○はそのままで可愛いよ」と言い続けたおかげで自信を取り戻せたようで、ホッとしました。

うららさん：中学生の時、自分の顔写真を投稿している人を馬鹿にしたような発言をする同級生がいて。その人の標的になるのが怖くて、投稿を控える人が続出したんです。SNSを自分らしく使い続けるためには、強いメンタルが必要だと感じました。

るこさん：高校生の時は、SNSを見て落ち込んでしまうことが多々ありました。例えば、自分が勉強などで忙しくて遊べない時期に、友達がおしゃれなカフェに行っている投稿を見たときとか。でも大学生になって、激減しました。交友関係も視野も広くなって、他人の目が気にならなくなったことが大きいと思います。

みおさん：わかります！　私も大学生になって世界が広がり、あまり人と自分を比べなくなりました。友達が高いものを買っていたり、美味しそうなものを食べていたりすると、いいなーって羨ましさはあります。ただ、それで自己嫌悪になることはないし、次に会った時の話のネタにしよう！と。

くらげさん：私自身は、メンタルヘルスに悪影響を感じたことはありません。むしろ、落ち込んだ時に動物の投稿を見て癒されているから、いい影響になってるような。でも、周りにはSNSで傷ついている人もいますね。主に推し活のコミュニティで、些細なすれ違いでブロックされた、匿名で誹謗中傷を受けた、といった悩みを聞いたことがあります。

青柳：自分はマナーを守っていても、他人から攻撃されることがあるんですね……。色々と気を遣うことも多いようですが、皆さんにとってSNSはポジティブな存在ですか？

くらげさん：はい。私はポジティブに捉えています。

みおさん：私にとってもポジティブな存在です。ただ、とめどなく時間を費やしてしまうことが悩み。もう少し、節度を持って使いたいと思っています（汗）。

うららさん：同感です。たまに、SNSを使っていなかった時って、何をして過ごしてたんだろう？と思うんですよね。とはいえSNSのおかげで楽しさが増しているので、ポジティブです！

るこさん：投稿を褒められて自己肯定感が上がることもあれば、心が疲れている時にSNSを見て落ち込んでしまうことも。ポジティブな要素もあるしネガティブな要素もある、というのが正直な気持ちです。

まこさん：るこさんと同じ意見です。情報収集のプラットフォームとしては、とても便利だと思う。一方で、私の友達のようにコンプレックスが増長してしまう人もいるので……付き合い方次第でポジティブにもネガティブにもなるのではないでしょうか。

高井：とてもリアルなご意見、ありがとうございます！　最後に、こういうSNSがあれば使いたいと思うものや、現状のSNSに求める改善点はありますか？

みおさん：インスタのアカウントを３つ使い分けている私としては、プロフィールとストーリーズ、投稿それぞれの公開範囲を設定できるようにしてほしいです。いちいちアカウントを切り替えなければいけないのが、とても面倒なので。

るこさん：SNSではないのですが、LINEのノートに動画を追加できなくなったことが地味に辛い（笑）。元に戻してほしいです！

うららさん：全てのSNSを、一つのアプリで管理できるようになったら最高。アプリを切り替える手間が省けるし、スマホの容量の削減にもなって一石二鳥ですよね。

まこさん：TwitterがXになってから、アカウントにログインしないと投稿を見られなくなってしまったことが残念です。私のように見る専の人も、きっとたくさんいるはずなのに。

くらげさん：サークルで行事があるたびに、色んな学部の人とスケジュールを合わせるのに一苦労。SNSと連絡ツール、スケジュール管理アプリの要素を兼ね備えたものがあれば、すごく便利なのにな〜と思います！

イラスト／MIDORI KOMATSU（トップ画）　森けい（文中シーンイラスト）　構成・取材・文／中西彩乃