リモートワークで出勤がなくなり、気づくと1日じゅう座ったまま…。そんな生活の変化に伴い、脚のむくみに悩む人が増えています。また、1日立ち仕事で、夕方になると「脚全体が重だるい」「足がパンパンにむくんで靴が脱ぎにくい」という人も。

「お風呂の価値を高める」ことをミッションに掲げ、お風呂にかかわる企画・開発・販売を行う「バスリエ」が行なった調査によると、69%もの人が「むくみが気になっている」と回答。そこで、バスリエが紹介する「むくみに効く入浴法」をご紹介します!

脚のむくみに悩む女性

脚がパンパンでつらい…むくみの原因とは?

人間の体は60%が水分。このうち、細胞内の水分が40%、細胞外が20%といわれます。この細胞外の水分「細胞外液」とは、血液に含まれる水分やリンパ液、細胞と細胞の間にある水分。全身に栄養を送り届け、また老廃物を除去する役目を担う細胞外液の働きによって、体内の水分バランスは保たれています。

その体内の水分バランスがなんらかの原因でくずれ、皮膚の下の組織に余分な水分がたまった状態が「むくみ」です。例えば、細胞の間の水分がリンパ管に吸収されにくかったり、血管から細胞同士の間に通常より多く水分が流れ出てしまったりすると、そこに水分がたまって「むくみ」になるというわけ。

中でも気になる脚のむくみのおもな原因は以下の6つ! あなたも思い当たる項目が多いのでは?

●長時間、同じ姿勢でいること
立ち仕事や座りっぱなしなど同じ姿勢のままでいると、重力により足に水分がたまります。同じ姿勢をとりつづけることでふくらはぎの筋肉の動きが少なくなり、下半身の水分が回収されにくくなったり血行不良を招きます。


●運動不足
同じく、運動不足で筋肉を動かす頻度が少なかったり、その結果筋肉量が低下することで、血行不良を招きます。


●きつくて合わない靴
●締め付けの強い下着
きつい靴や下着は、物理的に血液やリンパの流れを止めるため、むくみの原因に。


●手足の冷え
体が冷えると全身の細い血管が細くなり、血流が悪化するためむくみやすくなります。


●塩分や冷たいもののとりすぎ
塩分をとりすぎると、水分をためこんでしまうためむくみの原因に。冷たい飲み物のとりすぎも、体が冷えるためむくみにつがなります。

むくみ解消に効く入浴法、6つのポイントを解説!

看護師・保健師でライターの仲田百合さんによると、こうした生活習慣や食生活の影響でむくみが生じている場合、血行促進に効果のある「入浴」がむくみ解消につながるといいます。「ただし、急に出現したむくみや片足だけのむくみ、痛みを伴うむくみ、慢性的で改善されないむくみの場合は、病気による可能性もありますので病院を受診するようにしてください」(仲田さん)

以下は、仲田さんおすすめの「むくみを解消する入浴のポイント」です。

①水分補給
思った以上に汗をかく入浴中。脱水にならないよう、入浴前に水分をとりましょう。コップ1杯の白湯か常温の水がおすすめ。

②シャワーで水圧マッサージ
次のステップで、シャワーで脚のつけ根から足先まで水圧をかけてマッサージしましょう。
1.40℃程度のお湯で、皮膚が少しへこむ程度の強めの圧でシャワーを出し
2.鼠径部(脚のつけ根)→太もも→スネ→足首→足先、の順に、脚の前面にシャワーを当てる。
3.次に、足先→ふくらはぎ→ひざ裏→太もも、の順に、脚の裏側にシャワーを当てる。
2と3を2~3回繰り返す。

シャワーで水圧マッサージ

③ぬるめのお湯でゆっくり入浴
おすすめは38℃~40℃のぬるめのお湯。これに15~20分、ゆっくり時間をかけて体を温めることで血行がよくなります。

④湯船の中でも脚マッサージ
バスタブの中でも、足裏から鼠径部に向かってマッサージ。老廃物を排出するリンパの流れをよくするとともに、お風呂で体を温めながらマッサージすることで、より血行が促進されます。マッサージの強さは気持ちのいい程度で。



1.足裏:足指を手で広げたり、手の指関節で足裏をぐいぐい押したり、両手で足裏をもみほぐしたり。
2.足首:足先を持って足首を回しほぐす。くるぶしの内側の少しへこんだ部分をぐっと押す。両出で足首をつかみ、血流を止めてからパッと離す。これを数回繰り返します。
3.ふくらはぎ:ふくらはぎをつかんでもんだり、こぶしで、ふくらはぎの前面や側面、裏側を、足首から膝に向かってもみ上げます。
4.ひざ裏:ひざ裏のリンパ節をもみほぐします。
5.太もも~鼠径部:こぶしを作り、ふくらはぎと同様に前面・側面・裏側をもみあげるようにして、太ももから鼠径部に流します。

⑤入浴後も水分補給
15~30分、安静にしてお風呂に入るだけで約800mlの水分が体から失われるといいます。入浴後もコップ1杯の白湯か常温の水をとり、適度に水分補給を。

⑥ストレッチ
血行がよくなっている入浴後にストレッチをするのも効果的。横になって手足を持ち上げぶらぶらさせて、手足にたまった水分を流しましょう。屈伸運動や爪先立ちを20回程度行うのも、ふくらはぎの筋肉を動かし、血行促進につながります。

⑦入浴後、90~120分で入眠
良質な睡眠をとることは血行促進にも有効。人は体の深部体温が下がると眠くなります。ぬるめのお湯でゆっくり体を温めると、入浴後90分程度で体温が下がってくるので、そのタイミングで就寝すると寝つきがよくなり、良質な睡眠をとることができます。

バブルバスで気持ちのよさそうな脚

ちなみに、入浴後の「むくみチェック」にはこんな方法も。

①5本の指からつながる足の甲の骨がちゃんと見える(皮膚の下にすぐ骨が確認できる)場合はむくみなし!
②すねの骨の内側を親指の腹で5秒ほど、強く抑えます。指を離して、皮膚のくぼみが5秒たっても戻らない場合はむくんでいる!

「血行不良の改善は1日にしてならず、です。毎日ゆっくりと入浴することは、むくみの解消だけではなくストレスの緩和や、良質な睡眠を得られるなどメリットがたくさんあります」と仲田さん。寒い冬はもちろん、むくみが気になるときは、いつもより少し入浴時間を長めにとって、リラックスとむくみ解消を手に入れましょう!


※「バスリエ」のサイトでは、脚のむくみにおすすめの入浴剤ほか、さまざまな「お風呂レシピ」を公開中!

構成・文/浅香淳子(yoi) イラスト/forest eternal