靴やサンダルを脱いだ瞬間、「どうしよう! 私の足、クサイかも…」と焦った経験はありませんか? 特に夏場は素足で出かけることも多く、足のニオイを気にする女性は多いかも。そもそも足が臭くなる原因はなんなのか、どんな人が臭くなりやすいのか、さらに、今日からできる足のニオイ対策について、女性のニオイに詳しい産婦人科医の上田弥生先生に伺いました!

サンダルを脱ぐ女性のイラスト

ニオイが気になる季節。足が臭くなる原因は?

暑い夏、足もとは素足にサンダルで少しでも涼しく過ごしたいですよね。ほかの靴と比べて通気性もいいし、足も臭くならないだろう…と思いきや、脱いだ瞬間「えっ!」と焦ることも。上田先生によると、「あの臭いニオイは、足から出る汗や皮脂、古い角質などを皮膚の常在菌が分解するときに発生する成分によるもの。サンダルなど、素足で履く靴にはこうした足の分泌物が付着しやすく、むしろニオイやすいんです」とのこと。

また、ひと口に“足が臭い”といっても、足そのものがニオっている場合と、靴やストッキングなどはいているものがニオっている場合があるのだそう。まずは、足のニオイのもととなるおもな要因を見ていきましょう!

●汗や皮脂

足は体のほかの部位と比べても汗腺が多く、一日になんとコップ1杯ほども汗をかくのだとか! 夏はさらに汗の量も増えるので靴の中が高温多湿になり、より菌が繁殖しやすい環境に。また、病気などが原因で汗そのものが臭う場合もあるようです。例えば、糖尿病の人は体内で「ケトン体」という物質が作られることで「アセトン臭」という甘酸っぱいニオイを発します。肝臓病の人は分解しきれなかったアンモニアが汗に混ざり、ツンとした「アンモニア臭」がすることがあります。

●たまった角質

足の裏やかかとなどは体のほかの部位より厚い角質層に覆われています。古い角質がはがれ落ちると、汗や皮脂と混ざり合ってあかになり、指の間などにたまります。これをきちんと洗い落とさずにいると、菌にエサを与えているようなもの。そのあかを栄養として、ニオイの原因となる菌が増殖してしまいます。

●靴やストッキングに付着した汚れ

靴や靴下、ストッキングに、汗や皮脂、あかなどが付着すると、繊維の中で菌が増殖してしまうことも。特に化学繊維のものは洗ってもなかなかニオイは取れません。そうするとニオイがどんどん蓄積してしまい、悪臭を放つことに…。

実は意外な習慣も原因に? 足が臭くなりやすいのはこんな人!

足のニオイの要因がわかったところで、「でも、毎日ちゃんと足を清潔にしているのに、なんだかニオう…」という人も少なくないはず。足が臭い人と、そうでない人の違いはどこにあるのでしょう? 上田先生によると、実はストレスや靴の履き方など、意外なことが足のニオイにつながっている場合もあるのだとか。

「例えば、緊張やストレスを感じると人は汗をかきやすくなります。特に足裏にかく汗は、そうした精神性の発汗が関係していることが多いのです。多汗が気になる人は、日常的にストレスを感じることがないか見直してみるといいかもしれません。

また、一見ニオイと関係なさそうに思えますが、足のケガや水虫などがある人も注意が必要です。皮膚の表面が傷んでいる人は、角質がはがれやすくなることに加え、皮膚表面の細菌バランスが崩れて悪玉菌が増えてしまう可能性が。これも悪臭と関連があるのではないかと言われています。また、肌が乾燥している人は皮膚を守るために皮脂を分泌しようとしますが、過剰な皮脂はニオイのもとになってしまいます。

毎日同じ靴を履いている人も足が臭くなりやすいでしょう。靴は履けば必ず、汗や皮脂がついて湿り気を帯びます。それを乾かさないまま履き続けていると、菌が繁殖しやすくなり、ニオイも蓄積していってしまいます」

足のニオイ予防に! 今日から始めたい正しいフットケア

では、足のニオイを発生させないための方法とは? もちろん足や靴を清潔に保つことは基本ですが、誤ったケアが逆効果となっていることもあるのだとか。足のニオイ予防に身につけたい、効果的なフットケアの方法とそのポイントを上田先生に教えていただきました!

●お風呂タイムの最後に角質ケア

お風呂では、最初にサッと足を洗ったあと、湯船で体を温めてから改めてしっかり洗うのがベスト、と上田先生。「湯船に浸かったりシャワーを浴びたりして皮膚をふやかし角質を柔らかくしておくと、硬くなった古い角質も落としやすくなります。洗い方のポイントは、足の指の間に手を入れて優しくこすり洗いすること。指の間はあかや汚れがたまりやすいにもかかわらず、意識しないと見逃しがちな場所。丁寧に洗うようにしましょう」

角質ケアは大事ですが、自分で角質削りなどを使う際には注意が必要です。「角質を一度に削ろうとせず、様子を見ながら数日間かけて調整するのがおすすめです。心配な人はフットケアのプロに任せるのも手です。また、余分な角質を取り除いたあとは、クリームなどで保湿することも忘れずに」

●週に一度はスペシャルケアを

フットバスをする女性のイラスト

週に1回は、フットバスなどで角質を柔らかくしたあと、ゴマージュやピーリングジェルを使ってスペシャルケアを。ゆったりと足を温めることで、同時にストレスケアもできそうです。「フットバスには、オイルなどで薄めたアロマ精油を垂らしてもいいですね。おすすめは、抗菌作用のあるティーツリーやラベンダー、制汗作用や防臭効果のあるサイプレスです。角質ケアのあとの保湿も忘れずに」

●爪切りは定期的に

意外と忘れがちなのが、足の爪ケア。「爪を伸ばしていると、爪と指の間にあかがたまりやすくなります。定期的にカットをしましょう。特にジェルネイルをしていると、たまった垢や汚れが見えにくいので、より意識的にケアすることが大切。柔らかい爪ブラシなどで、ひと指ずつ優しくケアするのがいいでしょう」

●靴選び&履き方にも気をつけて

靴は、少なくとも3足をローテーションするのが理想だと上田先生。「履いた靴は下駄箱にすぐにしまわず、風通しのいいところで2〜3日乾かすようにしましょう。特に雨の日や汗をたくさんかいた日は、靴乾燥機や紫外線の殺菌ライトなどで早めにケアしておくのがおすすめ。そうしたケアグッズを玄関に常備しておくと便利です」

先生&編集部おすすめ! 足のニオイ対策アイテム

「足は私たちの体を支えてくれる大切な場所です。末端にあるパーツなので、ついついケアがおざなりになりがちですが、ねぎらいの気持ちを持って丁寧に向き合ってほしいですね」と上田先生。その場限りのケアではなく、日々足を大切に扱うことが根本的なニオイ予防にもつながるんですね。

いつも快適な足でいられるように、毎日のフットケアに加えて、日々進化している足のニオイケアアイテムも上手に活用したいもの。編集部のおすすめアイテムに加えて、上田先生が愛用しているものも紹介してくださいました。いろいろ試して、ぜひ自分に合ったものを見つけてください!

●「ノーノースメル」

殺菌・抗菌・防臭を兼ね備えた足専用のデオドラントクリーム。クリームタイプで塗ったあとはベタつかず、一日中足に密着! 「私はお風呂上がりや朝出かける前に塗っています。クリームタイプなのにサラッとしているし、香りが爽やかで夏場も快適に過ごせます」(上田先生)
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ノーノースメル

ノーノースメル 30g ¥3,630/北の快適工房 0570-55-0717

●「充電式UV除菌器 PEDIC SPORT」

汗をたくさんかいたときや雨の日に出かけたときは、靴の中に湿気が残りやすく、雑菌がより繁殖しやすい環境に。「このUVライトはコンパクトで便利。時間もかからず10分で片足分の除菌を完了できます。玄関にひとつ置いておくと心強いと思います」(上田先生)
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充電式UV除菌機「PEDIC SPORT」

PEDIC SPORT グリーン 120g ¥4,818/KM-Link 03-5823-7022

●「ITRIM エレメンタリー フット&シン リフレッシングミスト」

足もとに不快を感じたときにいつでもリフレッシュできる、ミストタイプのローション。スペアミントオイルが清涼感を与えます。「携帯できるスプレーはいざというときにあると便利。ムレやすいストッキングの上から使えるのもいいですね」(上田先生)
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ITRIM エレメンタリー フット&シン リフレッシングミスト

ITRIM エレメンタリー フット&シン リフレッシングミスト 30㎖ ¥8,800/ITRIM 0120-557-105

●「デオナチュレ 薬用ソフトストーン足指」

朝塗って夜までニオイを防いでくれるスティックタイプの制汗剤。「足指の間に直塗りしたあと、よくのばすのがポイントです。出かける前などに塗っておくと快適に過ごせます」(上田先生)
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デオナチュレ ソフトストーン足指/シービック

DN ソフトストーン足指 7g ¥オープン価格/シービック https://cbic.co.jp/

●「グランズレメディ」

ニュージーランド生まれの靴・足の消臭剤。ミョウバンをはじめとする天然成分からできたパウダーが、ニオイの元を取り除きます。「消臭パウダーをスプーン1杯、靴の中に散布します。どうしても落ちなかった子どもの靴のニオイも取れました」(上田先生)
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グランズレメディ正規品【無香料】50g

グランズレメディ正規品【無香料】50g ¥3,960/シャッフル https://www.gransremedy.com/

お話を伺った先生
上田弥生先生

産婦人科医

上田弥生先生

産婦人科医。総合病院、市立病院、都内のクリニックなどで一般産婦人科診療を行いながら、デリケートゾーンのアンチエイジング治療とワキガ・多汗症の治療に携わる。食事療法やアロマ、漢方、心理療法などを織り交ぜ、セルフケアのアドバイスも行なっている。著書に『オトナ女子のためのスメらない手帖 (健康美人シリーズ)』(主婦の友社)など。

構成・文/秦レンナ イラスト/くらちなつき