「最近きちんと眠れていない気がする」人が急増中!? その理由は暑さのせい? それとも…。今宵の「ぐっすり♪」に役立つ記事TOP5をまとめました。

1位 ◆ “良質な睡眠”が大事と聞くけれど…睡眠の質を高めるために今日からできることを睡眠ドクターがアドバイス

「良質な睡眠をとりましょう」とよくいいますが、それは一体どのような睡眠なのでしょうか? 体と心の健康を維持するためにも知っておきたい、ぐっすりと眠るためのコツや、睡眠の質を上げるためのヒントを、「睡眠ドクター」こと、杏林大学名誉教授・古賀良彦先生がアドバイス! また、なかなか十分に睡眠時間をとれない忙しい人へ、これだけは心がけたいという睡眠のポイントについても伺いました。

熟睡する女性のイラスト

古賀良彦先生

医学博士

古賀良彦先生

杏林大学名誉教授。医学博士。日本催眠学会理事長、日本ブレインヘルス協会理事長、日本薬物脳波学会副理事長、日本臨床神経生理学会理事。 主な著書に『睡眠と脳の科学』(祥伝社新書)『熟睡する技術』(2013年メディアファクトリー)『いきいき脳の作り方』(2010年 技術評論社)など。

時間が長ければいいというわけじゃない? 理想的な睡眠とは?

「かくれ不眠」にありがちだという「寝たのに寝た気がしない」という感覚は、多くの人が経験したことがあるのではないでしょうか? 古賀先生によると、これはよい睡眠が得られていないということ。まずは、よくいう「良質な睡眠」とはどういうものなのか教えてもらいましょう。

古賀先生:「良質な睡眠」とは、時間が十分であること、「よく寝た」実感があること、体と心が健康になっていることの3つが大きなポイントになります。

「よく寝た」と感じられる、つまり、熟睡できたと実感するのには、2つの睡眠のサイクルが関係しています。睡眠には、レム睡眠ノンレム睡眠の2種類があり、レム睡眠は体を休ませるための浅く短い眠り、ノンレム睡眠は脳を休ませる深く長い眠りだといえます。

レム睡眠が不足すれば、体の機能回復が不十分となり、疲労感が残ります。一方ノンレム睡眠が不足すれば記憶や感情の整理が追いつかず、メンタルが安定しにくくなるなど、心地よい目覚めが期待できません。

熟睡には、この2種類の睡眠が4〜5回交互に繰り返されることが大切です。割合でいうと、ノンレム睡眠8割、レム睡眠2割がベスト。また、サイクルの順番も重要で、寝入りにノンレム睡眠で深く眠り、起床時間に向けてだんだんと眠りの浅いレム睡眠が増えていくと、すっきり快適に起きられます。

睡眠時間が不足すると、レム睡眠とノンレム睡眠のサイクルが乱れてしまうことになります。最も健康によいとされる7時間睡眠は、この割合もサイクルも理想的なのです。

2位 ◆ 睡眠ドクターに聞く、メンタルヘルスに影響大! 自覚のない睡眠不足「かくれ不眠」とは?

日本は「世界でいちばん寝ていない国」だということを知っていますか? 体の健康を維持するためにはもちろん、メンタルヘルスにも影響が深いといわれる睡眠。自覚があれば睡眠不足を解消するために行動もできますが、怖いのは自覚のない睡眠不足「かくれ不眠」です。知らぬうちに睡眠不足や不眠に陥り、心身に不調を起こしてしまう前に、まずは自分の睡眠の状態に向き合ってみましょう。「睡眠ドクター」こと、杏林大学名誉教授・古賀良彦先生にお話を聞きました!

隠れ不眠の女性のイラスト

古賀良彦先生

医学博士

古賀良彦先生

杏林大学名誉教授。医学博士。日本催眠学会理事長、日本ブレインヘルス協会理事長、日本薬物脳波学会副理事長、日本臨床神経生理学会理事。 主な著書に『睡眠と脳の科学』(祥伝社新書)『熟睡する技術』(2013年メディアファクトリー)『いきいき脳の作り方』(2010年 技術評論社)など。

体と心の健康に欠かせない! 睡眠の役割とは?

人生のうち3分の1は、寝ている時間だといわれています。睡眠は、私たちが健康を維持して生きるために必要不可欠なものなのです。寝れば体が休まるということは、経験上多くの人が知るところですが、古賀先生によると、睡眠にはそれ以外にも大切な役割があるようです。



古賀先生:健康の要としてよくいわれる「食事、運動、睡眠」のなかでも、睡眠は特にストレスとの関係が深いと言えます。たとえば、落ち込むことやイライラするようなことがあっても、一晩寝ると次の日にはスッキリしている、なんてことはありませんか? これは睡眠にストレスをやわらげる効果があるからなのです。

体の健康と心の健康に対して、睡眠がどんな役割をしているのか見ていきましょう。

●体の健康

・疲労回復
一日活動して疲れた体を休め、回復させる。

・傷んだ組織の修復
睡眠中に分泌される成長ホルモンの働きにより、皮膚、筋肉、内臓、骨などのダメージを修復する。

・内分泌(ホルモン)機能や自律神経を円滑にする
体の状態を快適に保つため、心臓や内臓の働きや体温調節などを司る自律神経と内分泌を整える。

・免疫力の向上
免疫機能を担う免疫細胞を修復・再生することで、免疫力を強化する。

●心の健康

・脳の休養と記憶や感情の整理
日中、五感を通じて得た膨大な情報を整理し、本当に必要な記憶だけを定着させる。

・ストレスをやわらげる
脳を休め、自律神経の働きが整うことで、日中に受けたさまざまなストレスをやわらげる。

3位 ◆ 世界で一番眠れていないのは日本人女性!? 女性ホルモンが睡眠に与える影響と、快眠のための12カ条

あなたは毎日、十分な睡眠をとれていますか? 目覚めがすっきりしない、疲れが取れない、夜中に目が覚める…など、気持ちよく眠れている実感がもてないという声をよく耳にします。それもそのはず、日本は世界的にも平均睡眠時間が短い国なんです! さらに男性に比べて、女性は睡眠の質が落ちやすいとも言われています。そこで、睡眠医学と先進テクノロジーで、現代人の睡眠課題に向き合ってきた『ブレイスリープ』の調査結果をもとに、女性が睡眠の悩みを抱えやすい理由と快眠のための対策をまとめました。

寝不足であくびをする女性画像

日本の女性は世界で一番睡眠時間が短い!

2021年調査データによるOECD加盟国の平均睡眠時間のグラフ

同じOECDの調査では、加盟国における男女の平均睡眠時間の比較も公表。上のグラフは、各国の男性の平均睡眠時間を基準にしたときに、女性の平均睡眠時間は何分差があるかを表しています。大半の国で女性のほうが睡眠時間が長く、33カ国の平均で5分長い結果に。これに対して、日本の女性は男性よりも13.4分短く、男女比においても他国より少ないことがわかります。つまり、日本の女性は世界で最も睡眠時間が短いというわけです。

睡眠の質が落ちやすい女性特有の理由

日本で男性より女性のほうが平均睡眠時間が短い要因は、働く女性が増えたこと、家事や育児、介護の負担が大きいことなど、さまざまな社会的背景がありそうです。その一方で、良質な睡眠を確保するためには、女性ホルモンの変動という女性特有の身体的な側面にも着目する必要があります。

年齢による女性ホルモン量の推移のグラフ

4位 ◆ 「質のいい睡眠」はこれで手に入れる! 編集スタッフが使って試したおすすめ快眠アイテム21選&“眠り”の最新知識

寝つきが悪かったり、夜中に目が覚めて眠れなくなったり。睡眠に悩みを抱えている人は少なくありません。ストレス、運動不足、寝室の環境や寝具、入眠前の行動など、原因はさまざまですが、生活を改善してもいまひとつ眠りの質がよくならない…というときは、近年、続々と誕生している「快眠のためのアイテム」を活用するのもひとつの手。

今年こそ質のいい眠りを手に入れるために、yoiの編集スタッフが実際に試して効果を実感した「快眠アイテム」の名品を一気にご紹介。さらに、意外に多い“思い込みショートスリーパー”など、睡眠に関する最新の基礎研究情報もまとめてお届けします。あなたの睡眠の質改善に、きっとお役に立ちます!

※アイテムご紹介の順番はyoiの掲載日順(新しいものから)です。

質のいい睡眠のイメージイラスト

ゲーム感覚で睡眠を改善! 睡眠習慣管理アプリ「よひつじの森」

「よひつじの森」のスマホ画面

よひつじの森 1カ月プラン月額¥480、3カ月プラン¥980(月額約¥327)※14日間の無料トライアル有、年間プラン¥3,000(月額¥250)/集英社

5位 ◆ 睡眠ドクターが解説! 体と心のリズムを乱す、社会的時差ボケ(ソーシャルジェットラグ)とは?

平日は仕事に追われ、週末は昼まで寝てしまう…そんな「寝だめ」が習慣になっていませんか? 実はこの寝だめこそ、睡眠不足の大きな要因。体内のリズムが乱れ、「社会的時差ボケ」を引き起こしてしまうのだとか。月曜日がつらい、日中眠くなることが多い…そんな人は要注意かも!? 「社会的時差ボケ」が心身に与える影響や、睡眠との関係性、またどうすれば抜け出すことができるのか、「睡眠ドクター」こと、杏林大学名誉教授の古賀良彦先生に伺いました。

体内時計が乱れた社会的時差ボケのイメージ

古賀良彦先生

医学博士

古賀良彦先生

杏林大学名誉教授。医学博士。日本催眠学会理事長、日本ブレインヘルス協会理事長、日本薬物脳波学会副理事長、日本臨床神経生理学会理事。 主な著書に『睡眠と脳の科学』(祥伝社新書)『熟睡する技術』(2013年メディアファクトリー)『いきいき脳の作り方』(2010年 技術評論社)など。

社会的時差ボケ(ソーシャルジェットラグ)とは?

睡眠不足の大きな原因のひとつだという「社会的時差ボケ」ですが、具体的にはどのような状態を指すのでしょうか?

古賀先生:社会的時差ボケ」とは、不規則な生活によって体内時計が乱れ、不眠をはじめ、頭痛や集中力の低下など、さまざまな不調を引き起こすことをいいます。その大きな原因となっているのが、休日の「寝だめ」です。

そもそも私たちの体には、“昼間に活動して夜は眠る”という生活リズムをつくる、「体内時計」が備わっています。この「体内時計」を調整しているのが、脳から分泌されるメラトニンというホルモンと自律神経です。

メラトニンは夜になると分泌量が増え、それによって眠気を起こさせます。そして朝にかけて減っていき、自然に目覚めるようにするのです。一方自律神経は、アクティブな活動を促す交感神経と、リラックスや休息をもたらす副交感神経があり、昼間は交感神経、夜は副交感神経を優位にすることで、心臓の動きや、体温調節、呼吸や内臓の働きなどを健康な状態に保っています。

しかし、平日は仕事や家事で睡眠不足が続き、それを取り返そうと休日に寝だめをしてしまうと、体内時計に狂いが生じてしまいます。すると、早めに布団に入ったところでなかなか眠ることができず、結局寝不足に...。睡眠不足が続けば心身の不調はますます悪化していく、という悪循環に陥ってしまうのです。

古賀先生:また、睡眠の時間の乱れが、思わぬ病気のリスクを高めてしまうこともわかっています。海外旅行などで時差ボケになったときに、食欲が増した経験はありませんか? それは、グレリンという食欲が増進するホルモンが増加するため。睡眠不足になるとついついドカ食いをしてしまうという人は少なくありません。それによって肥満や糖尿病、高血圧などを発症しやすくなってしまうのです。