他人目線の“かわいい”にとらわれず、自分が心地よくあるためのビューティを求めて。今をときめくメイクアップアーティストに「かわいいメイクアップって何ですか?」と問いかける連載企画。ここではそれぞれのメイクアップのポイント、使ったコスメティックスの詳細をご紹介!

岡田知子

ヘア&メイクアップアーティスト

岡田知子

日本大学芸術学部を卒業した後、メイクアップを学ぶために単身ニューヨークへ。現地でフリーランスのメイクアップアーティストとして活動した後、2006年に帰国。しゃれ感の中にもどこかその人の“芯”や力強さが感じられる顔づくりが人気となり、瞬く間に売れっ子に。近年は『目黒げんクリニック』の院長・市原佑紀氏とタッグを組み、メイクアップと美容医療の双方向からカウンセリングを行うユニークな試みも。ビューティシーンを牽引する発信でも常に話題を集める。

LOOK1:素肌の延長線上の色でパーツの持ち味を際立たせ、メタリックなチークをひとさじのアクセントに

メイクアップ、ファシオ、SUQQU、エルメス、MAC、アディクション

1 0.85mmという驚きの芯の細さで、植毛したかのようにリアルな“毛”が描ける。ファシオ ウォータープルーフ アイブロウ(超極細芯) 01 ¥715(編集部調べ)/コーセー 2 眉を自然に際立たせるシアーブラウン。毛を根元から立ち上げる計算された形状のブラシ、乾いても白くならないゲルを採用。セッティング アイブロウ ジェル 01 ¥3520/SUQQU 3 まぶたにするすると溶け込んで、彫りの深さとモードな佇まいを叶えてくれるのはエルメスならでは。オンブル ドゥ エルメス パレット クワテュール 03 ¥14300/エルメスジャポン 4 濡れたようなメタリックの輝きを軽やかにまとえて、ホリデーシーズンにもぴったり。スキンフィニッシュ メタリック クリーム ブラッシュ プライスレス パープル ¥4950<限定品>/M・A・C 5 “ほわっ”とした色づきにひそやかな血色感で、ヌーディリップも肌から浮かずにつけこなせる。ザ リップバーム ソフトマット 001 ¥4070/ADDICTION BEAUTY

琉花、岡田知子、メイクアップ、ビューティ1 

クルーネックニット¥39600/ティー・ティー 075-525-0402 中に着たTシャツ¥11550/ショールームリンクス(ハクジ)links-partners.com デニムパンツ/スタイリスト私物 ネックレス¥46100/トムウッド 青山店(トムウッド) 03-6447-5528 

▼LOOK1 Make-up Tips

「ブラウン系が多いアイブロウペンシルですが、ここでは琉花さんの眉色にあわせてグレー系のカラーに。
元の眉の雰囲気を変えずに毛流れを強調するのが狙いです。まなざしには影色のニュアンスを足して、彼女が持っている陰影を際立たせる程度でOK」と岡田さん。

グレーのアイブロウペンシル(1)で、眉の隙間に1本ずつ“毛”を描き足して。シアーブラウンのアイブロウマスカラ(2)で眉頭の毛を下から上にしっかり立ち上げ、それ以降は毛流れに沿ってオン。

アイホールにはパーリィベージュ(3・右上)をあえてラフに指塗りし、二重幅に深みのあるブラウン(3・右下)を広げて柔らかなグラデーションに。

「他をナチュラルに徹しているので、メタリックなチークがモダンなアクセントとして効いてきます。ただし、浮きすぎないように指づけしてテンションはある程度そろえて。鼻の上にものせることでイノセントなムードも感じさせられます」

肌にはファンデーションは塗らず、下地のみで仕上げて。メタリックなプラム色のクリームチーク(4)は2本指のハラにとり、チークボーンのあたりに横長に叩き込む。両頬のチークをつなぐよう、指に残った分を鼻の上にもオン。

唇にはセミマットなベージュのリップバーム(5)をさっと直塗りして。

LOOK2:アイシーパステルのまぶたにブリックレッドの唇。トーンをがらりと変えるからこそ、使うアイテムはミニマルに

コスメティックス、ディオール、エレガンス

1 肌を柔らかな光と色の気配でドレスアップするフェイスパレット。レイヤード次第で輝きの調整も自在。ディオール バックステージ フェイス グロウ パレット 006 ¥6600<限定品>・2 唇の形をナチュラルに整えられて、品のいい華やぎまで手に入るスモーキーローズのリップライナー。ルージュ ディオール コントゥール 229 ¥4290/パルファン・クリスチャン・ディオール 3 彩度の高すぎないブラウンまじりのレッド。メンズっぽい服装やカジュアルな服装にもマッチしてさりげなく格上げできる。クラルテルージュビジュー 07 ¥3850/エレガンスコスメティックス

琉花、岡田知子、メイクアップ、ビューティ2

ジャケット¥138600・ブラウス¥79200・ショーツ¥81400・肩掛けしたVネックニット¥52800/スタジオ ニコルソン 青山(スタジオ ニコルソン)  03-6450-5773

▼LOOK2 Make-up Tips


「メンズライクな服装に遊び心のあるメイクアップ。そのギャップを楽しむためには、肌をつくりこみすぎないことがマスト。肌がきれいすぎて隙のない印象だと、服とメイクがちぐはぐに見えてしまいます」

アイシーなブルー(1・右下)を指でアイホールにのばし、パーリィホワイト(1・左上)を上まぶたにオン。二重幅よりやや広めにピンク(1・左下)をのせて、色と色の境目が自然に溶け合うように。

「本来は肌の上にはない色をあえてなじみよくつけるのがポイント。一見淡いけれど角度によってはまばゆく光って主張する色みなので、マスカラとライナー、チークは使わずに全体のバランスをとって」

くすみローズのリップライナー(2)で唇の輪郭をややオーバーに縁取り、付属のブラシで内側にボカしこんで。仕上げにブリックレッドのリキッドルージュ(3)をたっぷりと直塗りする。

「唇の輪郭をライナーで補整しておくのも、服装に対してのいいギャップになるはず」

問い合わせ先

・ADDICTION BEAUTY 0120-586-683
・エルメスジャポン 
03-3569-3300
・エレガンス コスメティックス お客様相談室 0120-766-995
・コーセー 0120-526-311
・SUQQU 
0120-988-761
・パルファン・クリスチャン・ディオール 03-3239-0618
・M・A・C(メイクアップ アート コスメティックス) 0120-950-113

琉花

モデル

琉花

1998年生まれ、東京都出身。広告・雑誌・MVなど幅広く活躍。写真家としても活動しており、広告撮影、ZINE製作の他、個展『VOYAGE 2014-2017』、『VOYAGE-Iceland 2019-』を開催。2024年2月、旅先で撮影した写真を用いたトップスをメインとしたアパレルブランド『VOYAGE』を始める。

撮影/Nobuko Baba〈SIGNO〉(モデル)、田村 伊吹(物) ヘア&メイクアップ/岡田 知子〈TRON〉 スタイリスト/渡邊 薫 モデル/琉花 構成・取材・文/小川 由紀子