質のよい睡眠が大切と言うけど、そもそもどうして? ショートスリーパーは思い込みって本当? 体と心の健康を維持するためにも知っておくべき、ぐっすりと眠るためのコツや、睡眠の質を上げるためのヒントをまとめてご紹介します!

あなたももしや“思い込みショートスリーパー”?

あなたももしや“思い込みショートスリーパー”?

睡眠関連プロダクトの開発やサービスを提供している「ブレインスリープ」が、全国の1万人を対象に睡眠状況の調査を実施したところ、「自分がショートスリーパーである」と回答した人が23.4%にものぼったそう。ショートスリーパーとは、睡眠時間が4時間程度以下でも日中の眠気を感じることがなく、長期的に見ても心身ともに支障をきたさない人のこと。

しかし、日本の統計では、ショートスリーパーの人は全体の約1%なのだとか。そのほとんどは、短眠の遺伝子を持った非常にまれな存在で、トレーニングによってショートスリーパーになることはできません。自分をショートスリーパーだと思っていても、実は短い睡眠で無理をしているだけ…という可能性もありそうなので、「思い込みショートスリーパー」の人は要注意。

自覚のない睡眠不足「かくれ不眠」とは?

自覚のない睡眠不足「かくれ不眠」とは? 

私たちが健康でいるために必要と言われている睡眠時間は7時間。アメリカのカリフォルニア大学の調査では、6.5〜7.5時間睡眠をとっている人の死亡率が最も低くなることがわかったそう。

自分が不眠であると自覚があれば、改善することもできますが、怖いのは自覚症状のない「かくれ不眠」。不眠症はいきなりなるものではなく、最初は単なる睡眠不足から始まります。それが続くと、昼間眠気が起こったり、集中力が低下したり、日中の活動に影響が出るように。そうした状態が2〜3週間続いたら、「かくれ不眠」だといえるでしょう。

いったん不眠症になると、自力ではなかなか治すことはできません。「かくれ不眠」に早い段階で気づくことが、自分で睡眠を改善するラストチャンス。「たかが睡眠」と思わずに、食事や運動と同じ生きるための基盤であることを忘れずに大切にして。

体と心のリズムを乱す、社会的時差ボケ(ソーシャルジェットラグ)とは?

体と心のリズムを乱す、社会的時差ボケ(ソーシャルジェットラグ)とは?

平日は仕事に追われ、週末は昼まで寝てしまう…そんな「寝だめ」が習慣になっていませんか? 実はこの寝だめこそ、睡眠不足の大きな要因。体内のリズムが乱れ、「社会的時差ボケ」を引き起こしてしまっているんです。「社会的時差ボケ」とは、不規則な生活によって体内時計が乱れ、不眠をはじめ、頭痛や集中力の低下など、さまざまな不調を引き起こすこと。

週末の寝だめが習慣になっている人は、まずは日頃の睡眠時間のリズムを整えて。平日寝ていない分を取り返そうと、週末にたくさん寝たところで、睡眠は貯金することができません。毎日コツコツ、20〜30分ずつでもいいので、睡眠時間を増やすことを心がけて。

そして、今すぐやめるべきは休日の「寝だめ」。とはいえ、「週末ぐらいゆっくり寝ていたい」というのが本音。そこで覚えておきたいのが “平日と休日の起床時間を2時間以上ずらさない”ということ。睡眠に大切なのは、リズムです。「平日少しくらい寝ていなくても、休日に寝ていれば大丈夫だろう」という考えが、思わぬ心身の不調を招きかねません。まずは1週間、1カ月の睡眠のリズムを一定にできるよう、生活の見直しを。

睡眠の質を高めるために今日からできること

睡眠の質を高めるために今日からできること

ぐっすりと眠るためのコツや、睡眠の質を上げるためのヒントを、睡眠ドクターこと、杏林大学名誉教授・古賀良彦先生に伺いました。まずはこまめなストレスケアを心がけること。さらに、入浴は睡眠の2〜3時間前に。お湯の温度は38〜40℃を目安とするのがいいのだそう。カフェインを含んだ飲み物はできればお昼までとし、午後からはカフェインの少ないお茶や、ノンカフェインのものに切り替えを。

また、スムーズに入眠するために、自分なりの15分の「就眠儀式」を行うのもおすすめ。例えば、何か好きなこと、夢中になれること思い浮かべる。明日着ていく服を選ぶ。スキンケアやマッサージ、アロマなどで自分を癒すなど。できるだけストレスをやわらげておくことことでスムーズに眠りにつくことができるそう。