2021年10月に、トータルインナービューティーブランド「Well&B」をローンチしたエリカ・アンギャルさん。栄養学、薬理学、生理学など予防医学における幅広い専門知識をもち、ミス・ユニバース・ジャパン候補の女性たちを、8年間にわたって公式栄養コンサルタントとしてバックアップしたことでも知られます。
ブランド第一弾となる「インナー ビューティー アルカライン グリーンズ」に寄せる思いを、yoi Peopleのひとりであり、yoiで書評の連載も担当する木村綾子さんがインタビュー。在日歴25年に及ぶエリカさんが、今、現代の日本女性について思うことを熱く語ってくれました。
インタビューでおじゃましたエリカさんの自宅でツーショット。エリカさんと木村綾子さんは、これまでも何度か対談や取材などでコミュニケーションを深めてきた仲。
1969年オーストラリア生まれ。シドニー工科大学卒業、健康科学学士。ネイチャーケアカレッジ卒業(栄養学)。2004年から8年間、ミス・ユニバース・ジャパン公式栄養コンサルタントを務める。栄養学、薬理学、生理学など予防医学における幅広い専門知識を駆使し、内側から美しく健やかになるための食とライフスタイルを発信。
日本の女性たちは献身的。でも「自分を後回し」にしていると感じます
木村 エリカさんは日本の今の女性たちのライフスタイルを見て、「Rushing Woman's Syndrome」とおっしゃっていましたね。朝から晩まで走りっぱなしで、とても疲れているんじゃないかと…。
エリカ そう、皆さん非常に献身的で、自分を後回しにしている女性がとても多いですよね。仕事のこと、家庭のことで時間をとられて、まったく寝ていないような女性もたくさんいらっしゃる。まわりを傷つけたくないから、わがままだと思われたくないから、本当はNoと言いたいのに我慢してYesと言っていて、だからすごくイライラがたまっている方も多いのではないかと感じています。
木村 献身的というと聞こえはいいけれど、自分で自分を大事にすることを後回しにしてしまっているんですね。エリカさんのブランド「Well&B」には、「Think(美や健康に対して自分自身で責任を持つ)」「Create(未来の自分を愛し、想像して、活動的に毎日を創造する)」「Move(こうありたいという自分を信じ、行動する)」「Relax(自分に合った休息を心がける)」というステイトメントがありますよね。この中で、今、働いている女性たちにとっていちばん難しいのが休むことだと思うんです。
エリカ そう、休んでいないですし、休むのもとてもヘタクソですね(笑)。忙しいことをいいことだと考えているし、1日休んだだけで「迷惑をかけてごめんなさい」と皆さん言います。休むことに罪悪感を感じている方も多いのだと思いますが、自分にエネルギーを与えないとほかの人にもエネルギーを与えられないですから。携帯電話と同じで、ちゃんと充電しないと。
木村 エリカさんのフィロソフィーである「Love Yourself」は、単純に甘やかすことではないですよね。自分を愛するには自分に厳しくもあらなければならない。休むことにも、強さが必要なんですよね。
エリカさんがファウンダーを務めるブランド「Well&B」の第1弾、「インナー ビューティー アルカライン グリーンズ」30パケッツ 30包\12,960
エリカ 忙しい人にとって休むというのはとても難しいことだと思うんですが、最近私がハマっているのがアイマスク。ラベンダーの香りのものとか温めるタイプとか、いろんな製品が出ていますが、アイマスクがすばらしいのは、強制的にシャットダウンできること。
今の女性たちは10分でも時間があればすぐにスマホでSNSを見てしまうでしょう? でもその10分間にアイマスクをすれば、目のまわりの血行もよくなるし、深呼吸をするとか素敵な音楽を聴くぐらいしかできない。あと、私がおすすめしたいのは、壁に沿って足を上げる「足上げポーズ」。アイマスクをしてこの足上げポーズを10分間するのも、すごくリラクセーションに効果があると思います。
木村 改めて、エリカさんにとって「体を休ませる」というのはどういうことを指しますか?
エリカ そうですね、簡単に言うと自律神経の交感神経と副交感神経のバランスをとるということ。交感神経は車でいうアクセル、副交感神経はブレーキです。このブレーキをうまく踏むことによって、ストレスホルモンが減り、オキシトシンという幸福感や愛情のホルモンが分泌されやすくなります。ストレスホルモンが減ると、例えば肌の線維芽細胞も活発化するので肌の老化を防ぐことにもつながりますし、ホルモンバランス全体を整えることは、イライラなど女性ホルモン特有のメンタル不調や、病院に行くほどではないいろんな小さな不調にも関係してきます。ですから、このアクセルとブレーキのバランスというのは、女性にとってすごく大事なキーワードだと私は思っています。
エリカさんおすすめ! ストレスホルモンを減らし幸せホルモンを増やすコツ
エリカ 今はこうして美や健康に関係する仕事をしていますけれど、私の人生を振り返ってみると失敗だらけ(笑)。日本に交換留学生で来て8キロも太り、帰国してから食べないダイエットをしたり、20代ではマフィンとカプチーノだけみたいな小麦ばかりの多様性のない食事を毎日していましたし、完璧主義な性格のために慢性疲労による病気で何度も燃え尽きてしまったり…。
ですから、今はどうしたら女性がうまく心身のバランスをとれるかということを、私自身が皆さんと一緒に実験しているようなところがあるんです。そうして見つけた、ためになることを発信していけたらと思っています。
木村 モノだけでなく、グリーンズを購入した方限定で見られるコンテンツも提供していらっしゃいますよね。食事だけでなくライフスタイルや、自分を大事にするというエリカさんの考え方が広がっていくといいですね。
エリカ そう、例えば、小さなことですが、毎日の姿勢もメンタルにとても影響するということも知っていただきたい。皆さんだいたい、猫背で巻き肩になっていますよね。でも猫背の姿勢だと、その筋肉の刺激が脳につながって、自信がなくなり、ストレスホルモンが高まるということがわかっているんです。逆に、スーパーマンのように仁王立ちして腰に手を当てるというポーズを2分間キープすると、コルチゾールというストレスホルモンが25%下がり、意欲をアップする前向きなホルモンのテストステロンが20%アップするという面白い研究もあります。
自信がない日や落ち込んだときは、姿勢を変えるだけですごく気持ちが変わりますのでぜひやってみてください! 私も講演会の前でドキドキするときは必ずスーパーマンポーズ、しています(笑)。
もうひとつ、「よくやった!」とか「すばらしい!」のときにやるハイタッチ。英語でHigh Fiveと言うんですが、この動作をすると心理的にもモチベーションやエネルギーが高まるというデータがあります。だから皆さんも、朝、鏡に向かうときは「今日はすばらしい日になるぞ!」とポジティブなイメージを持ちながら、鏡の中の自分とハイタッチしてみてください。きっと気持ちが前向きになって、いい一日の始まりになりますよ。
インタビュー/木村綾子 構成・文/浅香淳子(yoi) 人物撮影/さとうしんすけ