今度の休日は、都内で増えている「ウェルネス酒場」へ行きませんか? 食べること、飲むことが大好きなyoi編集部員・木村とライター海渡が、都内で話題のウェルネス酒場を訪問。リアルなレポートをお届けします! 今回は、学芸大学にあるブックカフェ&バー「COUNTER BOOKS」に行ってきました。お酒だけでなく、ソフトドリンクやフードもおしゃれで素敵なものばかり。
ブックカフェ&バー「COUNTER BOOKS」@学芸大学を訪問!
今回、二人が訪れたのは、学芸大学駅から徒歩2分。ユニークなお店が立ち並ぶ高架下の「ガクダイ パーク ストリート(GAKUDAI PARK STREET)」内にあるブックカフェ&バー「COUNTER BOOKS」です。
「COUNTER BOOKS」の入口。
ガラス張りの開放的な店内は、書店ブースとカフェ&バースペースで構成されています。ブックコーナーの書籍は、約2000冊以上! “食べる”、“働く”、“考える”などといったカテゴリーごとに、「COUNTER BOOKS」のオーナーと選書家、スタッフが選書。近所のお店の店主や住民が選んだ本が並ぶ棚「READ THE NEIGHBORS」は、訪れるたびに新しい視点との出合いが楽しめます。また、書籍は購入すれば、カフェ&バースペースでそのまま読むことができます。
ジェンダーやメンタルヘルス、食にまつわる本が多数。
カフェ&バーでは、世界各国からセレクトしたこだわりのお酒やコーヒー、紅茶、ソフトドリンクを提供。また、ポルトガルの名物料理「ビファーナサンド(ポークサンド)」やスープなどの軽食(※土日祝のみの提供)のほか、ローズマリークッキーやバナナブレッドといった自家製のヴィーガン焼き菓子も用意されており、小腹を満たしてくれます。
お酒の中でも特に人気なのが、「哲学」「ロマンス」「ファンタジー」といった本のジャンルに着想を得て作られた5種類のオリジナルカクテル。今回、エディター木村は、ウォッカ、ラズベリー、ラベンダーで仕上げた「Romance-ロマンス」、ライター海渡は、ジン、ハーブ、キュウリが爽やかに香る「Science Fiction-空想科学」を読書のお供にオーダーしました。
(左)「キュウリのスライスが入ったフレッシュで爽やかな一杯。すっきりとしたお酒が好みの人は絶対好き!」(ライター海渡)「Science Fiction-空想科学」¥1300、「ラズベリーの甘酸っぱさがいい。ラベンダーを香ってから飲むことで、芳醇さが増します」(エディター木村)「Romance-ロマンス」¥1200
「COUNTER BOOKS」で“気になる一冊”をシェアトーク
海渡:個人的にここの本のセレクトがすごく好み! 現代社会のムードをとらえているし、この暗澹たる世界も実は面白いかも?と思わせてくれるような本や雑誌がそろっていて、ワクワクしました。
木村:新たな視点をくれる本がそろっているし、カテゴリー別に並べられているのもよかったよね。個人的に、「食」に関する棚がいちばん興味深かったです。
インディペンデントマガジンやZINEも並ぶ。「COUNTER BOOKS」のオリジナルエコバッグは大型の写真集もすっぽり入るサイズ。
海渡:木村さんが購入した一冊は?
木村:はい、私は「食」に関する棚から、世界史を「女性と酒」という視点からたどる『女たちがつくってきたお酒の歴史』(マロリー・オメーラ著、椰野みさと訳)を選びました。面白そうでしょ? この本によると、古代メソポタミアやエジプトでは、お酒づくりの中心には女性たちがいて、その文化を育んでいたとのこと。でも、家父長制が発展するにしたがい、男性たちがその役割を奪い、女性たちを排除したという歴史が…。
海渡: 今でこそ女性の作り手が増えたけど、お酒づくりをしている人は男性が圧倒的に多いイメージだから驚き。お酒の見え方が変わるね!
木村:でしょ。お酒づくりから女性が排除されるきっかけとなったのは、ハンムラビ法典という説があるそうよ。お酒の歴史と、ジェンダーの歴史は切っても切れないんだなあと。時代・場所によっては、女性がお酒を飲むことや酒場に出入りすることが許されなかったことも…。それを知ると、お酒のうまさがますます沁みる。
海渡:へぇ、紀元前までさかのぼるのね。私も読んでみたくなりました。
木村:ぜひ! 海渡さんは何を?
海渡:今回、私は『縁食論:孤食と共食のあいだ』を(藤原辰史著)を選びました。孤食でもなく、共食のような強い共同体意識に縛られない“縁食”の可能性について唱えた一冊で、家族や友人といった深い関係性だけでなく、緩やかなつながりの中で食事を共にすることの心地よさってあるよなと改めて思いました。
木村:あるある。家でも会社でもない、誰かの気配を感じられる場所を持つって、今の時代をヘルシーに生きるひとつの方法だと思う。まさに「COUNTER BOOKS」はそういう場所だよね。カウンターでお酒を飲んで隣の人やスタッフと話したり、一人読書に没頭したり…。普通のバーだとお酒を飲まない人は肩身が狭かったりするけど、ここはどんな過ごし方をしていても、居心地がいいのがいいね。
海渡:そのとおりだね。安心感を感じながら、自分のペースで文化的な時間を過ごせる…こういう場所がもっと色んなところに増えたらいいなと思いました。
木村:こうやって、お互いに本から得た知識をシェアしながら考えを深めたり、一人でも、いつもとは違った過ごし方ができそうで面白い! おいしいものと一緒に、心に栄養を得ている感じ。
著者や編集者を招いたトークショーも定期開催しているみたいだから、次回はそういったイベントにも参加したいね!
海渡:すごく楽しそう。また近々遊びにきましょう〜!
「COUNTER BOOKS」
住所:東京都目黒区鷹番3-4-25 GAKUDAI PARK STREET Tokyo
営業時間:月曜〜金曜は12:00〜23:00、土曜〜日曜・祝日は10:00〜23:00(コーヒーは22:00L.O.、その他は22:30L.O.)
公式サイト:https://www.instagram.com/counterbooks/
撮影/wacci 取材・文/海渡理恵 企画・構成/木村美紀(yoi)