今年のバレンタインは、大切な人にSDGsチョコレートで想いを伝えてみませんか? 人や環境に優しく、語らずにはいられないバックグラウンドを持つ板チョコレートをyoi編集部が厳選。手に取るだけで心温まり、社会貢献にもつながる4ブランドをご紹介します。

✔︎SDGsチョコレートとは?
環境や人に配慮したサステナブルな方法でチョコレートのこと。例えば、自然を守る農法や植樹活動を通じて環境保全に取り組むほか、生産者に正当な報酬を支払うフェアトレードを実践。さらに、児童労働の排除や、地域の人々の生活の活性化にもつながっている。

『LITTLE MOTHERHOUSE(リトルマザーハウス)』の「IRODORI CHOCOLATE(イロドリチョコレート)」

「LITTLE MOTEHRHOUSE」 チョコレート  SDGs

「IRODORI CHOCOLATE」左・春花(はるはな)、右・紫陽花(あじさい)各¥1512/LITTLE MOTEHRHOUSE  ☎︎03-6264-3031

「途上国から世界に通用するブランドをつくる」という理念の下、2006年にバングラデシュでスタートした「MOTHERHOUSE」。これまで素材や職人技に注目してバッグやジュエリーを手がけてきた同ブランドが、コロナ禍に京都発の「dari K」とともに途上国の食材を生かしたチョコレートの製造を開始。

看板商品「IRODORI CHOCOLATE」は、日本の四季を色で表現した美しいグラデーションが魅力。フルーツや茶葉、塩など自然由来の素材で味と色を付け、一品ごとに四季折々の情景を感じられる。「春花(はるはな)」は、甘酸っぱいいちごとパッションフルーツで春の華やかさを表現。「紫陽花(あじさい)」は、レモンとブルーベリーで紫陽花の繊細な色合いを再現している。どちらもホワイトチョコレートの上品な甘さとフルーツの酸味が絶妙なハーモニーを奏でる心弾むテイスト!

【SDGsポイント】
インドネシア・スラウェシ島で育つ高品質のカカオ豆を使用。このカカオ豆は、多様な生態系を保全しつつ、気候変動へのリスクを軽減する「アグロフォレストリー」という栽培手法によって育てられている。この取り組みは、地域の人々の生活向上に寄与するだけでなく、環境保全にも貢献しているという。

『kiitos(キートス)』のチョコレート

kiitos チョコレート  SDGs

「GIFT BOX A-set」(3種類のセットで、5種類の中から好きな3枚を選べる)¥3900/kiitos  ☎︎080-3930-2864

鹿児島発の「kiitos」は、チョコレート作りの全工程を自社で手がける〝Bean to Bar〟の工房。ガーナやコスタリカなど、世界各国から厳選したカカオ豆を使用し、その個性を最大限に引き出したチョコレートがそろう。原材料は、カカオ豆ときび砂糖のみで、カカオ本来の芳醇な香りや深い味わいを堪能できる仕上がり。「Trinidad and Tobago Ortinola(トリニダード・トバゴ オルティーラ農園)」(写真左下)は、ミルキーななめらかさとスモーキーな風味が特徴で、あとからはちみつのような甘さが広がる一品。鹿児島の象徴・桜島をモチーフにしたフォルムも印象的。

【SDGsポイント】
「kiitos」は、障がいを持つ方々の就労支援を行う特定営利活動法人「Lanka」が運営。絵が得意な人はパッケージの絵柄を担当し、集中力に優れた人はカカオの皮をピンセットで取り除く作業など、一人一人の得意分野を生かしてチョコレート作りの全工程に携わっている。

『Tony‘s Chocolonely(トニーズ・チョコロンリー)』のチョコバー

Tony's Chocolonly チョコレート  SDGs

「Tony‘s Chocolonely」各47g¥378 PLAZA カスタマーサービス室 ☎︎0120-941-123

カカオ業界の違法な児童労働や強制労働をなくすため、2005年にオランダ人ジャーナリストのトニーが設立した「Tony's Chocolonely」。その確かな味わい、ポップなデザイン、そして強いメッセージ性が欧州で絶大な支持を集めている。片手に収まるサイズのミニチョコバーは、写真上からアーモンドシーソルト(ダーク)、ミルクチョコレート、ダークチョコレート、ヘーゼルナッツ、キャラメルシーソルトの全5種。ほどよい甘さと、濃厚な味わいが魅力。

【SDGsポイント】
「Tony's Chocolonely」は、創業時から「スレイブフリー(強制労働のないカカオ生産)」を目指して「5つの調達原則」 を掲げ、カカオ農園との公正な取引を実現。その取り組みが評価され、「Sustainable Brand Index™」(北欧とオランダで実施されているサステナビリティ・ブランド調査)で3年連続、オランダで最もサステナブルなブランドに選ばれた。いびつな形をしたチョコレートバーの表面は、業界内の不平等を象徴している。

『OUCHI(オウチ)』のチョコレート3種

OUCHI チョコレート SDGs

「OUCHIチョコレート3種 ギフトセット」¥1944/OUCHI  info@ouchi.support

東京・足立区にある「OUCHI」は、精神障がいを抱える方が地域社会での生活を取り戻せるようサポートを行う福祉施設。そこで製造されているのが、チャーミングなイラストが目印の板チョコレート。ギフトセットのラインナップは、障がい者支援施設『ココロネ淡路』で製造・販売されているコーヒー豆を粗く砕いて散りばめた「コーヒーチョコレート」、沖縄県産の塩がカカオの味を引き立てる「ソルトチョコレート」、カカオの酸味とナッツのような風味を楽しめる「ダークチョコレート」の3種。食べ比べを楽しんで。

【SDGsポイント】
フェアトレードのハイチ産カカオを使用し、環境負荷を軽減する“Bean to Bar”製法で、一枚一枚丁寧に作られている。製造工程では、専門スタッフがサポートのもと、精神障がいを持つ方々がそれぞれの個性や特性に合った作業を担当し、ソーシャルインクルージョンを実現。さらに、オンラインだけでなく、上野にある「SOCIAL GOOD ROASTERS」(エキュート上野店)や、「TODAY'S SPECIAL」(恵比寿店、日比谷店)でも販売されており、福祉や精神障がいへの認知向上に貢献している。

撮影/坂田幸一 取材・文/海渡理恵 企画・構成/福井小夜子(yoi)