キャリア、人間関係、結婚・出産etc.…20代後半から30代のyoi読者には、コンプレックスの種がいっぱい。そこで、“セルフラブ”を体現し、毎日を自分らしく楽しむ元CHAIのメンバー・YUUKIさんが、yoi読者にモヤモヤへの向き合い方をアドバイスするこの連載。毎回テーマに合わせてYUUKIさん自身が制作したアート作品とともにお届けします。第7回目は「喪失感と孤独感」に関するコンプレックスについて。

YUUKI

アーティスト

YUUKI

2024年春にバンド活動を終了したCHAIのメンバーで、ベース、作詞、アートワークを担当。現在は、クリエイティブプロジェクト「YMYM」にて、アパレルやライフスタイルグッズのデザインを手がけるほか、作家としてアート作品の制作と発表へ精力的に取り組んでいる。また、アートとカルチャーが融合したマーケットイベント「Art Culture Street.」を定期的に主催し、幅広い活動を展開。

お悩み:5年間つき合った彼にフラれました。この喪失感と孤独感をどうすれば解消できますか?

5年近くつき合った彼氏にフラれました。 あまり考えないようにしているのですが、 まわりで結婚していたり、長く続いていたりするカップルを見るとモヤモヤしてしまいます。 たまにすごく寂しくなり、誰かに愛されたいなと思います」(23歳、会社員)

愛は与えられるものではない。自分で自分を愛してあげて!

YUUKI  アート CHAI お悩み相談

YUUKI:悩みを打ち明けてくれて、ありがとう! 5年間も一緒に過ごした恋人とのお別れは、とっても辛いよね。喪失感を抱くのは当然のことだと思う。でも、その寂しさを埋めるために周りに愛を求めてしまったり、カップルに嫉妬したりしてしまうのは、自分自身を十分に愛せていないからかも

恋人がいてもいなくても、自分で自分を大切にできたほうがきっと幸せだから、相談者さんは、恋人と別れて自分に集中できる今がチャンスだと思って、自分を愛する練習をしてみるといいんじゃないかな。

例えば、筋トレをしたり、エステに行ったり……何でもいいんだけど、それを「誰かに愛されるため」じゃなくて、「自分に自信を持つため」にする。そうすれば、恋愛だけでなく、いろんな素敵な関係を築けると思います。

YUUKI  作品 イラスト CHAI お悩み相談 連載

YUUKI:もちろん、外からの愛で自分を満たしたくなる気持ちもよくわかるよ。私の場合、寂しさや焦りを感じると、人肌が恋しくなるというより、物欲が爆発しちゃうんだよね(笑)。それで爆買いをして、一時的に満たされた気持ちにはなるんだけど、あとで「なんでこれ買ったんだろう…?  持ってるのと一緒じゃん!」って後悔することがよくある。

だけど、私は、衝動買いに走ってしまった寂しさや焦りの“根本的な原因”をしっかりと探るようにしています。そうすると「恋人が欲しい」「誰かに認めてほしい」とか、自分の本当の気持ちが見えてきて、その願望を認めるだけでも気持ちがラクになるんだよね。 

それと同時に、自分がすでに持っているものに目を向けるのもすごく大切。例えば、困ったときに助けてくれる友達がいる、温かい家がある、ホッとした気分になれる可愛いお布団がある……こんなふうに、すでにある幸せに気づいていくと、寂しさや焦りがやわらいで、「与えてほしい」という感情が薄れていくから。

恋愛ドラマを観て、主人公みたいにどん底の今を乗り越える

YUUKI  イラスト CHAI お悩み相談 アート

YUUKI:相談者さんにもうひとつ伝えたいことは、もし今、「5年間が無駄になった」と思っていたとしたら、そんなことは絶対にないからね。むしろ、もっと素敵なパートナーに出会うためのいい準備期間になったと考え方を切り替えちゃったほうがいいと思います。恋愛に失敗なんてないし、それを乗り越えれば今よりもっと魅力的な自分になれるんだから!

今感じている喪失感や孤独感も、実は幸せになるための通過点。そう思ったら、ちょっとワクワクしてこない? 人生は思い通りにならないほうがドラマチックで面白いし、幸せになったときの喜びも倍増するもの。

だって、恋愛ドラマの主人公だってだいたいドン底から始まるじゃん? そこを乗り越えていくからこそ、魅力がどんどん増して、最後には幸せになるもの。たくさんの恋愛ドラマを観て、主人公のサクセスストーリーを参考にしてみたっていいかもしれない。もしかしたら、「ここからもっとドラマチックな出会いが待ってるはず」って、前向きな気持ちになれるかもしれないし。相談者さんの幸せを応援しているよ!

YUUKI 連載 お悩み CHAI  恋愛 

今回のアートのカイセツ。

『愛はここに、はじめから』


「恋人がいない時は1人なのが不安で、恋人がいるときは浮気が不安で。結局そばに誰がいたとしても不安になってしまうのは、自分で自分に愛を感じられてないからだと思う。周りを見ず、比べず、求めず、ただまっすぐに。自分の奥底にある小さな愛情を静かに感じて、満たされていいんだよ。そうすればほら、そばに誰がいてもいなくても、どっしりとブレない、自分に愛された自分のまま、また誰かを愛せるよ」(YUUKI)

イラスト・撮影/YUUKI 取材・文/海渡理恵 企画・構成/福井小夜子(yoi)