子育てでキャリアを中断。社会から取り残されているように感じます…...。【YUUKIのmoshimoshiコンプレックス】

「職場では中堅の立場で、もっとキャリアを積みたかったけれど、子どもが欲しかったからそれを断念しました。これは自分で選んだ道だけど、同期はどんどん上の役職に就いていて、後輩にも経験年数で抜かされていく。子育て真っ只中の私は、社会から置いてきぼりにされているような感覚になることがあります。もちろん子どもは可愛いけど、ふとしたときに『母親じゃない自分だったら、どうなっていたんだろう……』と想像してしまうし、何も変わらずに仕事を続けられているパートナーを見ると、正直、羨ましいなぁって思ってしまいます」（30歳、会社員）

YUUKI：相談してくれて、ありがとう。 お悩みを読ませてもらって、キャリアの中断によって、自分の価値が失われていくように感じてしまっているのかな……と感じました。

でもね、相談者さんが、子育てに入る前に仕事で積み上げてきた経験は、決して消えてしまうものではないし、今はそこにプラスして、“子どもを産んで、育てる”という大きな経験を積み重ねている真っ只中。キャリアやまわりの目を気にして「自分はダメだ」と自分自身で決めつけてしまうのは、すごくもったいないと思います。

YUUKI：私は子育て経験がないので、どれだけ大変かは、きっと想像を超えるものだと思うんだけど、「あの時ああしなければ……」と過去の選択が正しかったのか悩んでしまう気持ちはよくわかるよ。

でも、ひとつだけ言えるのは、そうした“もしも”に答えはなくて、考え始めるとキリがないということ。だったら今の状況を思い切り楽しむしかないんじゃないかな。きっとその中に、今の自分だからこそ気づけることがたくさんあるはずだから。

例えば、母親になったからこそ感じる日常の不便さや「もっとこうだったらいいのに」という視点って、実はすごく貴重なもの。「こんなサービスがあったら助かるかも！」といった実感から生まれるアイディアが、相談者さんだけの新しい道を開いてくれることだってあるかも。

私は、自分の生きる場所やスタイルが変化することって、本当にすごいことだと思っていて。だから相談者さんにも、「変わってしまった」じゃなくて、「私は進化しているんだ」って、今の状況を誇りに思ってほしいな。そうやって自分の変化をポジティブに受け止められたら、きっと以前の自分では出合えなかったであろう新しい景色を見逃さずにいられるから。

YUUKI：メッセージの中に、「何も変わらないパートナーが羨ましい」と書いてくれていたよね。もしパートナーが家庭のことに無関心で、相談者さんにばかり負担がかかっているのなら、まずは二人でしっかりと話し合うことが大切だと思います。

でも、ただ“変わらない”ことに羨ましさを感じているのだとしたら、それは相談者さん自身が「変化した自分」をネガティブに捉えてしまっているからかも。

でも、変化していく時間や経験は、あなたの中にしっかりと積み重なっていて、それ自体があなたの魅力になっていくはず。

そうやって自分の変化を肯定して、「変われるって、むしろラッキーかも」と思えれば、パートナーや仕事仲間のことも以前ほど気にならなくなってくると思います。

何度も言うけれど、キャリアを一時中断したり、子育てに専念したりすることは、決して「社会から遅れている」なんてことではないからね。むしろ、そうした時間があるからこそ見えてくることや、語れることがきっとある。今しかないこの時間を、もっと自分の都合のいいように解釈して、楽しく過ごしてね。きっと素敵な未来が待っているから。応援しています！

『何度だって生まれ変わろう』

立場、肩書き、名前、環境…自分の意思以外からも迫られる選択に、追い込まれる事もある。でも来るものは全て、あなたは力に変えられるから。たった一度の人生の中で、蛹から蝶のように生まれ変われたと思ってみて。新しいスタートを楽しんで羽ばたいてみよう、何度でも。（YUUKI）

イラスト・撮影／YUUKI　取材・文／海渡理恵　企画・構成／福井小夜子（yoi）