私たちの心と体にまつわる悩みや課題を解決してくれる「フェムテック」の基礎知識について、医療ライターで『365日機嫌のいいカラダでいたい。現代を生きる私たちのヘルスケア・アップデートブック』の著者でもある及川夕子さんに教えていただきました。今回は、生理の選択肢と「吸水ショーツ」について。
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Q3.「吸水ショーツ」を使ってみたいけれど、どう選べばいいのかわかりません
医療ライター
ライター/エディター。メノポーズカウンセラー。医療、健康、女性の社会課題をテーマに、雑誌、WEB、書籍などで幅広く活躍。著書に『365日機嫌のいいカラダでいたい。現代を生きる私たちのヘルスケア・アップデートブック』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『はたらく細胞LADY 10代女性が知っておきたい「性」の新知識』(講談社)など。
A3.難しいルールはナシ! ライフスタイルに合わせて選びましょう
吸水ショーツとは、クロッチ部分が液体を吸収する構造になっているショーツのこと。生理中や尿もれが気になるときに活躍してくれます。多くの製品では、クロッチ部分に抗菌・防臭加工がされ、ムレやにおいが気にならない仕様になっています。
身頃の素材はさまざまで、オーガニックコットン使用のものもあれば、速乾性のある素材で乾きやすさが自慢のショーツもあります。もうすぐ生理がきそう.....というタイミングからはきはじめたり、尿もれが気になる場合は日常使いしたり、活用シーンはいろいろ。量が多い日用と日常用の2種類を使い分けるのも一案です。
吸水ショーツの吸水量は製品ごとに異なり、少ないもので10ml、多いもので160mlほど。量が多い日には、ナプキンやタンポンと併用して使ってもいいでしょう。羽ナプキンに対応できるよう、クロッチ部分が羽をしまえる構造のショーツもあります。
吸水ショーツを選ぶときに、難しいルールはなし。選び放題といっていいほど、国内外のブランドから発売されています。デザインがシンプルなものもあれば、レースづかいの凝ったものも。形も、ヒップハングやハイウエスト、ボクサータイプとさまざまです。製品によって吸水量や価格が変わってくるので、自分のライフスタイルに合うものを選びましょう。
ほかに経血もれ対策アイテムとしては、内側に防水布がついた防水機能つきのペチパンツ(ペチコートパンツ)やパジャマ、ルームウェアなどが登場しています。ペチパンツはショーツの上からはいて、ボトムが経血で汚れてしまったり、下着が透けたりするのを防いでくれます。パジャマの下にはけば、量が多い日も安心して眠れます。
生理の選択肢は広がっている! 自分にとってベストな選択を
もともと優秀な日本の生理用品ですが、ゆううつな生理期間をより快適に過ごすためのアイデアが続々投入され、日々進化を続けています。あなたの今のケアがベストとは限らないので、時々新しいものに目を向けてみると、新たな発見がたくさんあるはず。
最近では、オーガニックコットン100%のナプキンや、吸水力がアップするプラスオンタイプのもの、ショーツ型使い捨てナプキン、布ナプキンなど、素材やライフスタイルに合わせて選べる進化系ナプキンも続々と登場しています。
●ナプキンにプラスするタイプ
いつも使っているナプキンに重ねるだけで、吸収力が約2時間分アップ。使用後はトイレにそのまま流せる。
●ショーツタイプ
ナプキンとショーツが一体化しているタイプ。腰までしっかりカバーしてくれるので、経血量の多い日や睡眠時に安心。
●吸水サニタリーショーツ(吸水ショーツ)
経血を吸収できる機能がついているショーツ。生理中や尿もれが気になるときに。繰り返し使えて環境にも優しいからと、取り入れる人が増えている。2021年にはユニクロから思春期の女の子向けの製品も登場し、吸水ショーツが一気に身近なものに。
●月経カップ
シリコンでできている小さなカップ状のもの。腟内に挿入して経血を溜め、一定量溜まったら捨ててまた装着する。繰り返し使える上、自分の経血量がわかるというメリットも。
●生理管理アプリ
生理周期を記録することで、妊娠しにくい日・しやすい日や次の生理を予測。パートナーに生理周期や体調などの情報を共有できるアプリや、ピルを飲んでいる人には飲み忘れの管理をしてくれる機能つきのアプリも。
生理痛対策についても、新たな解決策が登場してきています。イスラエルのiPulse Medicalから登場した「Livia」は、電気刺激を利用して生理痛をブロックする小型デバイス。お腹に専用のパッドを貼って使います。オーストラリアのOviraが発売する「Noha」という小型の機器も、電気刺激を利用して生理痛の信号が脳に送られるのを防ぐことで生理痛を緩和します。日本でも、TENSという電気刺激で生理痛を緩和する医療用機器「月経痛緩和デバイス セラフィナF」の販売を開始しました。
取材・文・構成/国分美由紀
出典/『365日機嫌のいいカラダでいたい。現代を生きる私たちのヘルスケア・アップデートブック』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)