吸水ショーツなどを販売するフェムテックブランド『Be-A Japan』が、保健体育の教師を目指す帝京科学大学の学生に向けた「学校教育における生理とスポーツを考える」授業を行いました。
これまでも、初潮を迎える前の小学生を対象にした授業や男子校での授業など、より広い対象者に積極的に生理について伝える取り組みを行なってきた『Bé-A』。今回の特別授業の目的は「将来、自身が教師の立場になったとき、生徒の生理とどのように向き合うのか」ということを学生たちに考えてもらうこと。グループディスカッションも行われた授業の様子をレポートします!
『Bé-A Japan』代表取締役CEOの髙橋くみさん(右)と、同CPOの中村千春さん(左)
教師を目指す大学生に向けた「生理」特別授業
今回の授業は、帝京科学大学 教育人間科学部 学校教育学科に在籍する、大学2年生の男女約40人を対象としたもの。『Bé-A Japan』代表取締役CEOの髙橋くみさんと、同CPOの中村千春さんが登壇し、基本的な生理の仕組みからその症状の個人差まで、自身の体験談も交えながら伝えていきます。
また、学生など若いうちからスポーツに取り組んでいる人に多いのが、生理が止まっているのに放置してしまうこと。生理が止まるということは、“生理が止まるほどのなにか悪い影響”が体に起きているサイン。将来的に不妊の可能性が高くなるとも言われています。「生理がこないほうが楽でいいや」とそのままにしている生徒に対して、周囲の大人が危険性を理解して注意を促すことが必要。その役割を、親だけではなく担任の先生や部活の顧問の先生も担ってくれたら…生徒にとってかなり心強い存在になるはずです。
生理用ナプキンに初めて触れる男子学生も
「生理なので授業を休みたい」と頻繁に言う生徒、どう対応する?
学生たちに「自分だったらどう伝えるか」考えてほしい
今回の授業の発端は、『Bé-A』の取り組みをテレビ番組で観た帝京科学大学 教育人間科学部 学校教育学科の岩沼聡一朗准教授が、『Bé-A』に直接問い合わせをしたことから実現したものでした。
「保健体育の教員を目指す学生たちに『自分だったら生理についてどんなふうに伝えるか』について考えてほしい。それが今回の特別授業を行った動機でした。日本は、女性アスリートへの支援や女性指導者の育成などは進んできていますが、より対象者人口の多い“体育の授業”というところまでカバーすべき時代になっていると感じています。そんなとき、『Bé-A』さんの取り組みに非常に心打たれ、オファーいたしました。学校の先生が生理について理解しておくことはもちろん必要ですが、先生が全部やらなければいけないわけではない。それぞれが頼れる“周囲の人”が増えることが大事なんだ、と今日の学生たちの発表から私も学びました」(岩沼准教授)
つい2〜3年前までは「テレビ番組で生理のことを取り扱うのはちょっと……」と、『Bé-A』の活動をメディアで紹介してもらえないこともあったそう。現在ではネットニュースのトップに上がるなど、確実に生理に対する見方が変わっています。この日、授業を受けた学生が教師になる頃、生理にまつわる教育がどのように進歩しているのか、今から楽しみですね。
取材・文/堀越美香子