世界の生理事情をのぞいてみると、より広い視野で自分の体と向き合えるのでは……? そう考えたyoiは、世界5都市に暮らす女性たちに、“半径10mの生理事情”をリサーチ。今回は、スウェーデン出身のモデル・ヘーク 恵利加さんが登場。
※今回の記事はヘークさんへの取材をまとめたもので、スウェーデンのすべての生理事情を代表するものではありません。
モデル
1995年8月12日生まれ、スウェーデン出身。日本人の母とスウェーデン人の父を持つモデル。2014年に日本でもモデル業をスタートさせ、現在は両国を行き来しながら活動している。パーソナルトレーナーとしても活躍中。
8歳のときに性教育がスタート。若者が気軽に体や心について無料相談できるクリニックも充実
Q.ヘークさんの「生理」に対するイメージを教えてください。
スウェーデンでは「生理」について性別や立場など関係なく、誰とでもオープンに話すことができます。これは、8歳のときに性教育が始まることが大きく関係しているかなと思っています。授業では、男女が同じ教室で生理や性行為など、セクシャルヘルスについて幅広く学びます。例えば、生理の授業では、そもそも生理とは何か、生理用品の使い方、さらにはPMSといった月経にともなう症状やデリケートゾーンのケア方法などについて具体的に教えてくれるんです。
また、スウェーデンには、13歳〜24歳の人が無料で利用できるユースクリニック「UMO」が各地域に設けられています。そこには医師、助産師、看護師、カウンセラーなどが常駐していて、セクシャルヘルスやメンタルヘルスなどについて無料で相談できるんです。そして、20歳以下は、避妊具や緊急避妊薬を無償でもらえます。若者が気軽にこの施設を利用できるよう、授業の一環として何度か見学に行くこともありましたね。
Q.スウェーデンでは、どんな生理用品が人気ですか?
スウェーデンはタンポンが主流で、サイズやアプリケーターの有無、オーガニック素材やエコを意識したものなど種類がとても豊富。そのため、私はスウェーデンに帰るたびに買って日本に持参しています。
最近、スウェーデンでは環境と人体に優しい、アプリケーター無しのタンポンが人気。また、月経カップや吸水ショーツといったサスティナブルなアイテムを使う人も年々増えていて、私もスウェーデン発のフェムテックブランド「INTIMINA」の月経カップを愛用しています。
Q.生理期間中は、どのように過ごしていますか?
3年前に生理痛やPMSを抑える効果もあるミレーナ(IUS、子宮内に装着する避妊リング)を入れたので、生理期間中も普段と変わらない日々を送っています。ちなみに、スウェーデンは20歳まで医療費が無料(※銅の子宮内避妊具〈IUD〉の費用は、年齢に関係なく誰でも無料)のため、学生のときからミレーナを入れている人が多く、むしろ私はかなり遅いほうでした。
あと、生理期間中に限った話ではないのですが、学校の授業で教えてもらった通り、デリケートゾーンは専用のソープで洗ってケアするようにしています。
まだまだあります! 生理にまつわるエトセトラ
生理用品の無償化を求める声が大きくなりつつあります!
2020年に、スコットランドで生理用品をあらゆる人に無料提供する法案が通ったことを受けて、スウェーデンでも、生理用品の無償化を求めるムーブメントがあります。ちなみに、スウェーデンの会社やジムのお手洗いには、無料の生理用品が置かれていることが多く自由に使うことができます。
構成・取材・文/海渡理恵