世界の生理事情をのぞいてみると、より広い視野で自分の体と向き合えるのでは……? そう考えたyoiは、世界5都市に暮らす女性たちに、“半径10mの生理事情”をリサーチ。今回は、ベトナム在住、ダナンとホイアンでオーガニックコスメ&ライフアイテムグッズのショップ「taran.」を経営するRyokoさんが登場。
※今回の記事はRyokoさんへの取材をまとめたもので、ベトナムのすべての生理事情を代表するものではありません。
お昼寝タイムを設けて無理をしないベトナムは、ナプキン一択。タンポンや月経カップがローカルに浸透するのはもう少し先
Q.Ryokoさんから見た、ベトナムにおける「生理」のイメージを教えてください。
日本では生理用品を購入すると、紙袋や黒いビニール袋に詰めてくれますが、ベトナムではそういったことはありません。また、「生理=タブー、恥ずかしいこと」という意識もないので、親しい間柄であれば気軽に話すことができるトピックですね。
起床時間が早いベトナムには、お昼寝文化があり、昼休みが1時間半〜2時間ほどあります。しっかりと“休息時間を取ること”が当たり前の国なので、生理でつらいときは無理せずに休めるムードがあるように思います。
Q.ベトナムでは、どんな生理用品が人気ですか?
ベトナムでは、ナプキンが最も使用されています。『ユニ・チャーム』のブランド「Diana」が、トップシェアを誇っていて、おおよそ8〜12個入りで約150〜200円。私自身は日本製のナプキンを愛用していて、帰国時やネットで購入しています。こちらのスーパーにも「ソフィ」や「ロリエ」が売られているのですが、価格は15個入りで約500〜700円。ベトナムの平均月収が3〜4万円ということを鑑みると、少し高いと思いますね。
私が暮らすベトナム中部では、ナプキン以外のアイテムを使っている人は、ほとんど聞いたことがありません。スーパーやドラッグストアでもタンポンや月経カップ、吸水ショーツが売られているのを今まで見たことはなくて。もちろん、ネットでそういったアイテムを購入できるので、高所得者層やエコ意識の高い人の中には使用している人もいるようですが、値段はかなり高め。フェムテックアイテムがローカルな人にまで浸透するのはまだ先のように思います。
Q.普段、どのように生理と向き合っていますか?
私はPMSや生理痛がかなり強いタイプなので、日本から持参した漢方を飲むほかに、EMSシートやインドのスパイク鍼指圧マットを使って血流を促すようにしています。
ベトナムはレディースクリニックをはじめ、病院の数がすごく少ないため、気軽に病院にかかることができません。そのかわりに、日本では処方箋が必要な強い鎮痛剤やピルをドラッグストアで簡単に買えるのですが、体への負担が大きいため、私は飲むのを避けていますね。
私の周りの経血量が多いことに悩むベトナム人女性は、生理期間中は、造血作用があるマンゴーを食べないようにしている人が多いんですよ。また、飲み物は白湯や温かいお茶にしたり、シャワータイムを短くして体が冷えないように心がけているそうです。
1.インドのスパイク鍼指圧マット「シャクティマット」。この上に寝転がるだけで、深い睡眠やリラクゼーション効果が期待できる。2.浴槽で使えるEMSヒップトレーニングマシーン「MYTREX AQUA LIFT」。3.むくみに効く漢方「五苓散」。4.頭皮用のEMSヘッドブラシ。5.「taran.」の薬草バスソルト。6.「せんねん灸太陽」の貼るタイプのお灸「火を使わないお灸」。7.全身のむくみ取りマッサージのときに使う「taran.」のグリーンパワーオイル。8.デリケートゾーンを洗うときに使う「taran.」の「タマヌ石鹸」。ホルモンバランスを整えるゼラニウムとラベンダーの香り。
取材・文/海渡理恵