「フェムテック協会認定資格2級(認定フェムテックエキスパート)」を取得している伊藤千晃さんが普段から愛用しているあらゆるジャンルのフェムテックアイテムをご紹介。今回は伊藤さんが考えるセルフプレジャーやセルフラブについてのお話です。
そもそも腟を見たり触ったりすることは、女性の健康管理にとても大切
伊藤さん:「セルフプレジャー」というと、“快楽のためだから、女性が口にすることではない”という空気が日本には強く根付いていると思います。そもそも、自分の腟を見たり、触ったりすること自体が恥ずかしい行為と思い込み、抵抗感がある人も多いのではないでしょうか。
以前は、私もその一人でした。けれども、『ワフィト』などをプロデュースされている植物療法の第一人者・森田敦子さんのお話を聞く機会があり、それまでの自分が持っていた概念がガラリと変わりました。
「自分の腟を見たことがある? 触ってみないとダメですよ」と、言われたときは正直度肝を抜かれましたが、森田さんに堂々とそうおっしゃっていただいたことで、どこか救われたような気持ちになったことをよく覚えています。セルフプレジャーはセルフラブにもつながりますし、自分の腟を知ることは、健康にもおおいにつながること。なので、恥ずかしいことでもなんでもなく、むしろ大切なことだと知ることができたんです。
腟やデリケートゾーンを見て、触って、得られる情報ってすごく多い。私自身、かゆみやにおいが気になるときは、気持ちが落ち込んでいたり体調が優れなかったりすることがよくあります。そうならないために健康管理はもちろん、フェムケアを日常的に行うことのメリットは、この連載でもたくさんお話ししてきました。私はたまに腟を触ってみたり、鏡を使って目視したり、健康な体でいられるように、あらゆる角度からチェックするようにしています。
パートナーとセルフプレジャーを共有しよう
伊藤さん:恥ずかしいかもしれないけど、セルフプレジャーについては、パートナーとオープンに話し合うことも大事だと私は思います。お互いをより深く知るきっかけになるはずだし、いいコミュニケーションをとるためにも。そういったことが必要な時代に、日本も差し掛かっているんじゃないかな。
そうしたうえで、『iroha』の製品のような取り入れやすいセルフプレジャーアイテムを一緒に使ってみるのもいいと思います。最近はセルフプレジャーグッズをフェムケアアイテムと一緒に取り扱っているお店も増えていて、より手に取りやすくなっていると思います。
セルフプレジャーやマスターベーションといった言葉を目にすると、“見てはいけないもの”と思うこともあるかもしれませんが、思い出してみてください。海外ドラマの『セックス・アンド・ザ・シティ』や『ゴシップガール』では、すごくオープンにそういった話題が出てきましたよね。それくらい明るくおおらかに、セルフプレジャーが自然なこととして受け入れられる日が来ることを願っています。
伊藤千晃さんおすすめ「セルフプレジャー・セルフラブ」アイテム
はじめてのセルフプレジャーにぴったり
iroha stick はまなす色 ¥1850/iroha
伊藤さん:水原希子さんプロデュースで、女性の性の健康を考えて作られたセルフプレジャーアイテム。カジュアルな気持ちで使える可愛いリップスティック型で、初めてのセルフプレジャーにぴったり。これをデリケートゾーンに当ててみて、自分の体がどう反応するかを試してみて。お値段も手頃なので、女友達への粋なプレゼントとしても推し!
落ち込んだとき、気持ちが揺らぐとき、背中を押してくれる言葉たち
SELF LOVE CARD/伊藤さん私物
伊藤さん:フェムテックフェスで、「このおしゃれなカードはなに?」と、気になり、購入。セルフラブを深めるためのコミュニケーションカードで、それぞれに自己肯定感を高めるための50の質問が書いてあるんです。私は自分をつい責めてしまいがちなPMS期によく使うのですが、どれもいい質問ばかりで“自分自身を褒めてあげなきゃ”という気持ちになれるし、今の自分もより深く知ることができる。友達同士で使っても盛り上がりますよ。
セルフプレジャーの大切さを教えてくれた一冊
森田敦子さん著『潤うからだ』¥1320/ワニブックス
伊藤さん:植物療法の第一人者である森田敦子さんが書いた、生理や妊娠、出産、腟まわりなどのこと。セルフプレジャーというと敬遠してしまう方も多いと思うけど、まずこの本から入ってみるのがおすすめ。セルフプレジャーが“女性の健康にとっていかに大切か”ということを気づかせてくれた一冊。興味がある方もない方も、ぜひ手に取ってみていただきたいです。
ベスト¥16500/Firsthand(ファーストハンド レイヤード ミヤシタ パーク 03-6805-1828)、ニットドレス¥41800/LEINWANDE (ラインヴァンド カスタマーサポート customer@leinwande.com)、ニットパンツ¥51000/faible and failure(office. koizumi. contact@officekoizumi.com)
撮影/松岡一哲(人物)、田村伊吹(静物) ヘア&メイク/松永奈巳 スタイリスト/藥澤真澄 画像デザイン/前原悠花 取材・文/通山奈津子 構成/渋谷香菜子