今回のお悩みは…
「セックスには『相性』があるとよく聞くのですが、性的にも性格的にもベストなパートナーに出会える方法ってあるんでしょうか?」(20代・女性)
セックスにまつわる悩みについて、みんなでワイワイと語り合う連載。今回も前回に引き続き、30代の女性3名をお招きして、読者から寄せられたお悩みをテーマにあれこれ語り合いました!
今回の参加者は…
はっしーさん:30代会社員。二人の子持ち
いたさん:30代フリーランス。既婚
シャンさん:30代会社員。独身
「体の相性」は本当に存在するのか
シオリーヌ 難しい問題ですね〜。「相性」って、あると思いますか?
いた 私の知り合いにめちゃめちゃ体の相性にこだわる女子がいて、「全然違う」って言うんですよ。そう言われると、「私も知ってみたいな、その相性のよさとやらを…」って思ったりしますね(笑)。
シオリーヌ 相性って、本当に個人によると思うんです。「この人とは相性ぴったり!」って思って幸せを感じるのはいいことだなと思うけど、私は「相性はあとから作っていける説」を信奉していまして…。
一同 なんですかそれは!
シオリーヌ そもそもファーストマッチングで100%うまくいくなんて、奇跡だと思っているんです。初めてなのになんの不満もなく、「パーフェクトなセックスができました!」なんていう経験はそうそうないのでは。むしろ、回数を重ねて「自分はこうされるのが好きだな」とか、「相手はこういうふうにしてほしいんだな」みたいな気づきを積み重ねていくなかで、だんだんとベストパートナーになっていくのではないかと思っているんです。
いた そういうふうに話し合いやコミュニケーションでよくなっていくというのは、セックスに限らずあらゆる面に言えることですね〜。
大事なのは「話し合いができる」という相性
シャン でも話し合いをするのって、結構コストがかかりませんか? まず「話し合いをしたいと思える相手なのか」とか、「そもそもそれを受けとめてくれる相手なのか」によっても全然変わってくるし。性格的には合っていても、セックスについて話すのを相手が嫌がることもあると思うな。
シオリーヌ 確かに、面と向かってまじめな話をされると引いちゃう人や黙っちゃう人は結構いる。パートナーと話し合った経験がなかったり、話し合うというビジョンが見えない人にとっては、「ファーストインプレッションがすべて!」になるんだろうな。そうなると、それが「相性」という言葉になるのかなあ。
シャン 「話し合いができる相性」というのがあるような気がしますね。
一同 確かに…!
シャン 例えば対男性にそういう話をするときって、慎重に言葉を選んだり、非難していると思われないような言い方を探したり。「プライドを傷つけないように…」とか考えたりもして、話し合うまでの過程もまた難しいなと思います。
シオリーヌ 世の中では、男性がリードして、それに女性がついていくような関係性がこれまで多かったというのもありそう。そこにもコミュニケーションのとりづらさの理由があるかもしれないですね。
パートナー選びに重要なのは…自己分析?
いた どうしたら、そういう話し合いができるカップルになれるんですかね?
シオリーヌ やっぱり、パートナー選びが超大事なんじゃないでしょうか?
いた 「体の相性」とか言う前に、話し合える相手なのか?っていう。
シオリーヌ でもそれは、自分がどういうパートナーを求めているのかによると思うんですよね。私自身は、自分は「デミセクシュアル」の傾向があると思っているんですね。デミセクシュアルというのは、深い信頼関係のある人にしか性的欲求がわかないというセクシュアリティ。私は、相手をすごく信頼して大好きにならないと、そもそも欲求がわかないという人間なんです。
一同 うんうん。
シオリーヌ だから、「この人はちゃんと対等に話をしてくれる人だな」とか、「何か問題が起きたときに、一緒に解決策を探っていける人だな」といった信頼が芽生えて初めて、そういう関係になりたいと思うんですよね。でもそうじゃなくて、「今この瞬間、楽しいセックスができるパートナーを探したい」という人だったら、相手探しの視点が全然変わってくる気がして。「自分が今、どういうパートナーを求めているのか」を、まず自分がよく知ってないといけないと思いますね。
はっしー つまり、自己分析ですね!
価値観のすり合わせ、本当はつき合う前にしておきたい!
いた このご相談では、「性的にも性格的にもベスト」なパートナーの見つけ方が知りたいということですが…。
シオリーヌ どちらかと言えば、最初はたぶん性格から入ったほうがいいんじゃないでしょうか。性的な相性はブラッシュアップできる部分な気がする。性格の相性をあとから合わせるほうが、難しい気がしませんか?
はっしー 夫の大学時代の知り合いに、体の相性が大事でとにかく一回セックスしてみてからつき合うかどうかを決めるという人がいたそうです。そういう人も、それが自分のやり方としてうまく行っているんだったらいいのかなって。
シオリーヌ うん、そういう人もいますよね。私も悪いとは思わない。だけどいろんな人がいるから、そこのすり合わせは超大事ですよね。片方がそう思っていても、もう片方は本当に好きになって信頼できた人とじゃないとセックスしたくないっていう人かもしれなくて、そこに齟齬が生まれたらもう最悪じゃないですか。
一同 悲劇が起きる…!
シオリーヌ だから、セックスへのスタンスをお互いにちゃんと明示しておきたいですよね。
はっしー ちゃんと言っておけばいいんですかね?「私はこういうポリシーです」って。
シオリーヌ そう! だから本当は、つき合う前にそのポリシーをすり合わせしたい!
はっしー つき合う前に確認すべき必須項目に入れてほしいくらいですよね。
シオリーヌ マッチングアプリでも、よくそういう悲劇が起きてるじゃないですか。真剣交際を目的として登録している人と、セックスパートナーを探している人がマッチングしてしまったり。(セックスに対するポリシーを)最初に開示できたら、悲劇はもっと防げますよね。
相手にすべてを求めすぎてない?
いた 性格的にベストなパートナーですら、出会うのって難しいですよね。
はっしー 本当に〜! この方はこれまでに、「性格的にはよかったけど性的には…」みたいな人も、その逆の人もいたんでしょうかね。「どっちも求めるのは無理なのか⁉︎」みたいな。
いた 私は性的な経験がそんなにあるほうじゃないんですが、もしかしたらこの方も「性的にベストなパートナーが見つかったら、自分の中に新たな世界が開くかも」って、誰かが自分の新しい扉を開けてくれるという夢を見ているのかもしれない。でもそれって、二人で開けていかなきゃいけない世界なのかなと思います。
シオリーヌ なんなら最初は自分で開けたほうがいいですよね。自分のことは、自分がいちばんよくわかっているから。それこそ、自分の体がどうされたら心地いいかは、探求し放題なわけで。最近は女性用のプレジャーグッズもいろいろ出てきてますからね!
シオリーヌ的・ベストなパートナーの見つけ方は?
シオリーヌ 私、友達のマッチングアプリのプロフィール添削をすることがあるんですよ。そのときにすごく大事だと思っているのが、自分はどういうパートナーを求めているのかをこれでもかというくらい言語化すること。マッチングアプリって、いいねがたくさんついたりすると、それが自己承認につながる感じがすると思うんです。でも、本当に探しているのは、たったひとりのベストマッチングじゃないですか。そこで万人ウケを目指してもしょうがないと思って。
仕事を続けたいのか、家庭での家事分担はどうしたいのか、話し合いができる人がいいのか、言わずとも察してくれる人がいいのか、そういうことを延々と友達からヒアリングして、それがわかるプロフィールにするわけです。そうすると、いいねは減るんですけど、この人とだったらいいかもと思える人とのマッチングがすごく増えるんですね。だから、出会いの場に行くよりも前に、自分がパートナーに何を求めているのかを考える自己分析がいちばん必要かなと思いますね。
はっしー 私の友達も、結婚したいと思ったとき、相手に求めることを書き出して、絶対に譲れない3つを選ぶということをやっていましたね。つまりは「自己分析」ですよね。
シオリーヌ 「私に向いている結婚はどんなのだろう?」っていう。なんだか就活みたいですね!(笑)
撮影/業天大和、軍司拓実 動画編集/Chii 取材・文/板垣千春 企画・編集/種谷美波