自分の体について、どのくらい知っていますか? 自分をケアするためには、自分の体をよく知ることが必要です。また、他者とコミュニケーションを取る上でも、自分とは違う体について正しい知識をもっておくことが欠かせません。yoiでは、男性同士でも話題に上る機会が少ないという男性の体や性器にまつわる悩みやギモンを聞き込み調査。プライベートケアクリニック東京・東京院の院長である小堀善友先生にお答えいただきました。 

男性器のギモン38

Q39.妊活を始めてから、「排卵日だから」とセックスしようとすると、勃たなくなってしまいました。原因と対策を知りたいです。

39個目のギモンは、【妊活を始めてから、「排卵日だから」とセックスしようとすると、勃たなくなってしまいました。原因と対策を知りたいです】。子どもをつくることに前向きなはずなのに、なぜか体は反対の反応で…。パートナーとも気まずくなってしまい、妊活がつらくなってきました。どうしてこのようなことが起こるのでしょうか? また、対策することはできるのでしょうか?

A39.緊張の神経である「交感神経」が優位になると、勃起しづらくなります

小堀先生勃起は、リラックスしている状態の、副交感神経が優位のときに起こりやすくなるものです。だから、一人でマスターベーションするときは、問題なく勃起することができるのですが、いざ「排卵日だからセックスしなくちゃいけない」という義務感を感じたり、「何とか赤ちゃんを作りたい」というふうに頑張ろうと考えたりすると、逆に緊張の神経である「交感神経」が優位になってしまい、勃起できなくなってしまうのです。頑張ろうとすればするほど、かえって勃起できなくなってしまうのが、男のジレンマです。

男性が勃起しづらくなってしまうのは、パートナーに愛情がなくなったわけでなく、真剣に考えているからこそ勃起がしづらくなっているのです。その点をご理解ください。

対策としては、ED治療薬が非常に効果的です。基礎疾患がない人は、90%近くの人に効果があります。副作用が少なく、有効な薬ですので、ご利用いただくことをおすすめいたします。

妊活 勃起不全

小堀善友(こぼりよしとも)先生

プライベートケアクリニック東京・東京院 院長

小堀善友(こぼりよしとも)先生

日本泌尿器科学会専門医、日本性感染症学会認定医、日本性機能学会専門医、日本性科学会セックスセラピストなど多数の資格を保有。金沢大学医学部を卒業後、獨協医科大学越谷病院(現・ 獨協医科大学埼玉医療センター)の泌尿器科に勤務したのち、アメリカ・イリノイ大学に招請研究員として留学。2021年より、プライベートケアクリニック東京 東京院の院長を務める。主に男性性機能障害、男性不妊症、性感染症を専門にしており、ホームページのブログやSNSではメンズヘルスについての情報発信にも取り組む。著書に『泌尿器科医が教えるオトコの「性」活習慣病』(中公新書ラクレ)、『妊活カップルのためのオトコ学』(メディカルトリビューン)、『泌尿器科医が教える「正しいマスターベーション」』(インプレス)などがある。

取材・文/井上ハナエ 企画・構成/木村美紀(yoi)