双子のマナとカナ、ユウキ、ユナの4人から成る、NEO - ニュー・エキサイト・オンナバンド、CHAI(チャイ)の連載『CHAISM(チャイズム)』。メンバー一人ずつにフォーカスするスペシャル月間のラストに登場するのは、ベース担当のユウキさん。好奇心をエネルギーに変えて意欲あふれる彼女の姿を「RAINBOW FLOW」と表現した撮影&インタビューでは、ユウキさんが今関心を持っているテクノロジーや、音楽活動と並行して行なっているファッション&アート制作の話。さらには、独自のイメージによる心のバランスのとり方を教えてくれました。

CHAI・ユウキ「探究心とイメージ力で、境界を軽やかに超える」【連載】CHAISM vol.14_1

偏見を持たない柔軟な心を持つ第一歩は、“知る”こと

——今のユウキさんの気分を色で表すと「レインボー!」とのことで、シャボン玉や光をあやつる『RAINBOW FLOW』をコンセプトにした撮影に。なぜ今、レインボー気分なのか分析すると…?

レインボー気分になったのは…、北米ツアーで経験したことの影響が大きいかな。ツアー中は忙しい中でもつねにインプットのアンテナを張っていて、道端で見かけた広告の色合いとか、ちょっとしたことからも刺激を受けまくる日々を過ごしてたの。そうして自分の中に新しい気づきやアイデアがどんどん溜まっていってたんだけど、ツアー中はライブに集中していたからアウトプットする機会がなくて。だから帰国して余裕ができた今、これからやりたいことや表現したいことがワーッと一気に湧き出てきた。自分の内側から外に光がパーンと発射していくような感じで(笑)。そんなイメージを言葉にしたのが“レインボー”。最近は「どんなことをしよう?」「どう表現しよう?」とばかり考えていて、だからすごく元気! 「あれもこれもしたい!」ってモードです。

——いろんなことを吸収して創作欲が高まっている今、すでに何か制作をはじめていたりしますか?

すぐに制作に取りかかるというより、今はインプットしてきたことを人と話して、やるべきこと&やりたいことをクリアにしたり、それを実現させるために必要なことを教えてもらったりしてる。アメリカから帰国後の1カ月で、13人もの友達に会いました!

これまでの私は"友達といえばCHAIのメンバーだけ”って感じだったんだけど、コロナ禍に入ってから友達が増えて。私とは違うセンスや職業の人たちで、それぞれ異なる視点を持っているから、刺激的な話ができてすごく楽しい!

——そういった友達とコミュニケーションを取るときに大切にしていることはありますか?

相手をカテゴライズしないことかな。性別、年齢、国籍、結婚しているかどうかとか、そういったフィルターを通して会話をしたり、相性のよさを決めつけたりしないようにしています。

CHAI・ユウキ「探究心とイメージ力で、境界を軽やかに超える」【連載】CHAISM vol.14_2

——フラットにコミュニケーションを取ることを心がけているんですね。ちなみに最近、友達と話して何か刺激を受けたことはありますか?

「Web3.0」や「メタバース」、「NFT」といった新しい世界のキーワードについて教えてもらってから、自分でもこれらの分野について勉強しているところ。『だれにでもわかる NFTの解説書』という本を読んだら、面白くて赤線をいっぱい引いちゃった。YouTubeにアップされている解説動画も片っ端から観るほどに関心がわいて、もう自分で調べられる限界まで調べた気がするから、これからはもっと詳しい人に話を聞きに行かないと!

——素晴らしい探究心ですね!

10年くらい前に、ガラケーからスマホに世の中が切り替わったときあったでしょ? あのとき私、「ガラケーでも別にいいじゃん」とか「皆が持っているからって同じものを持ちたくない」とか、スマホについてよく知らないがゆえになかなか手を出すことができなかったの。でも今や、スマホは自分の生活になくてはならないアイテム。まったく新しいモノやコトが自分の世界に入ってきたときとか、なじみがあるものが変化するときって戸惑うけど、そうしたときに偏見を持たずにちゃんと受け入れられる心を持っていたい。そのためには、まず「知る」ことを大切にしています。

私がやっていることは、誰にでもできることだよって伝えたい

CHAI・ユウキ「探究心とイメージ力で、境界を軽やかに超える」【連載】CHAISM vol.14_3

——ユウキさんは、音楽活動にとどまらずファッションやアート制作も行うなど、多岐にわたる活動をされていますよね。何故あらゆることに挑戦するのでしょうか?

単純に、それぞれに興味があるからしているだけのこと。誰かががやっているのを見ると、私にもできるかもしれないって思うの(笑)! あと、「私がやっていることは、誰にでもできることだよ」って、私の姿を見た人に思ってほしくてやっているところもあります。

世の中には、やりたいことがあるのにやらない理由を探して、自分にストッパーをかけている人が多いなと感じていて。そういう人はきっと「挑戦してダメだったら恥ずかしい」とか、「失敗したら時間の無駄」とか、「才能なくて落ち込むくらいならやらないほうがマシ…」と考えてしまっている気がする。そうした決めつけを払拭する理由に、私がなれたらいいなって。あっちもこっちも興味だけでつまみ食いしている私を見て、「ユウキちゃんがやっているなら私にもできるんじゃない?」、「ユウキちゃんよりも、私のほうがうまくできるんじゃない?」と思ってほしい!



——ユウキさんご自身は、昔からなんでも躊躇せずにチャレンジするタイプでしたか?

そんなことないよ。子どもの頃は、自信がなくてなかなか一歩を踏み出せなかったタイプだったし、何かあったわけではないけど人生をあきらめてる感じの子だった。でも、そういった考えから抜け出した今は、毎日が楽しくて仕方ない! たとえるなら、主人公が年をとるごとに若返るストーリーの映画『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』みたいなイメージ(笑)!? 私の場合は年齢を重ねるほどに心が若返っていってる感じで、毎日気持ちが青春してる!

CHAI・ユウキ「探究心とイメージ力で、境界を軽やかに超える」【連載】CHAISM vol.14_4

CHAI・ユウキ「探究心とイメージ力で、境界を軽やかに超える」【連載】CHAISM vol.14_5

——今のマインドにたどり着けた、ターニングポイントとなったでき事はありますか?

何かひとつのでき事をきっかけに今の境地にたどり着いたわけじゃなくて、CHAIになって、セルフラブがうまくなっていくのと比例して気持ちも若返っていったんだよね。CHAIのメッセージにウソがないようにするためには、私自身がセルフラブができていないといけない。本を読んだり、映画を観たり、人と話したりして、現在進行形でセルフラブできていないポイントをひとつひとつクリアするようにしています。

セルフラブを実践していく中で気づいたことは、ポジティブとネガティブって「ポジティブが上=いい状態、ネガティブが下=悪い状態」じゃないってこと。たとえると、地球の北極と南極がぞれぞれポジティブとネガティブみたいな球体のイメージで、上も下もなくただ極地がある。それを踏まえたうえで、私の心がその球体の中心にいる状態を意識すると、感情が安定するし“私らしい”と思えるんです。

そうして心のバランスをニュートラルに保とうとしているけれど、それでもイライラや満たされない感情がプイッと顔を出したときは、その気持ちに無理やりふたをすると心がよどんじゃう。自分の気持ちに「だよね〜! わかるよ〜」と声をかけて、どんな感情にも寄り添ってあげるようにしています。さらに、「何にイライラするの?」「どの言葉が嫌だったの?」と自問自答していくと、玉ねぎの皮がむけていくようにイライラがはがれていって、最後は“本当の私の気持ち”がちゅるんっと出てくる。その"本当の気持ち”をすくい上げて「ほら、それでいいじゃん!」って認めてあげるんです。

日々の選択は「自分がイキイキ輝けるかどうか」が基準

CHAI・ユウキ「探究心とイメージ力で、境界を軽やかに超える」【連載】CHAISM vol.14_6

——今大切にしている言葉は「Wellness(ウェルネス)」だそうですね。

あるとき「Wellness」って言葉を知って、意味を調べたら「輝くようにイキイキしている状態のこと」だと。「私が目指しているのはコレじゃん!」ってピンときたんです。日々のすべての選択は、生き生きと輝く私になれるかどうかで選んでいきたい。イキイキと輝いていたいからやる or やらない、食べる or 食べない、みたいにどんな小さな選択でもね。

——ウェルネスをかなえるためには、体や心の健康をよい状態に保つことが必要だと思います。そのために、意識していることはありますか?

体の変化を受け入れることがひとつ。年齢を重ねてシワができたり、シミができても、「これが今の私なのね!」とフラットに受けとめるようにしています。

もうひとつは、旬の食材を食べること! オーガニック野菜の定期宅配便を利用していて、何の野菜が届くかは毎月届いてからのお楽しみなんだけど、収穫されたばかりの土が付いたツヤツヤした野菜からは自然の力をすごく感じる! 実は、なす、しいたけ、グリーンピースと嫌いな野菜が多かったんだけど、新鮮な野菜を食べるようになって、食わず嫌いだったことに気づきました。焼いたり蒸したりして、オリーブオイルと塩をかけるだけのシンプルな味つけで食べています。

あらゆる境界線をぼかすクリエーションを模索しつづける

CHAI・ユウキ「探究心とイメージ力で、境界を軽やかに超える」【連載】CHAISM vol.14_7

——これからユウキさんはどんな表現をしていきたいですか?

CHAIでの表現は、ワールドワイドでありたい! 日本人というアイデンティティは、世界で映える個性。それを表現に使うことで、キャッチーな存在になれるかもしれないけれど、やっぱり国籍や人種という枠で見られてしまことになっちゃうのかな?とも思ったりするんです。今は、あらゆる境界線をグラデーションにできるような表現法がないかと模索しているところ。壁や線を感じない、唯一無二感のある発信をしていきたい! そのためにこれからもいろんなことを吸収し、そして自分の中にある“どの色を極めて光らせていくか”を追求していきたいです。

CHAI・ユウキ「探究心とイメージ力で、境界を軽やかに超える」【連載】CHAISM vol.14_8

CHAI

バンド

CHAI

双子のマナ ( Vo.&Key. ) 、カナ ( Vo.&Gt. ) 、ユウキ ( Ba.&Cho. )、ユナ ( Dr.&Cho. )で編成された、4人組の“NEO - ニュー・エキサイト・オンナバンド”。2017年にリリースの1stアルバム『PINK』がチャートを席巻。2020年には、USの老舗レーベルSUB POPと契約し、2021年には、3rdアルバム『WINK』を発売。その勢いは日本国内にとどまらず、ワールドワイドに活躍中! 公式サイト■https://chai-band.com

ワンピース¥120,000/TAN(TAN)  スニーカー ¥31,000/Jennyfax(Jennyfax)  チョーカー¥60,500・ピアス¥40,700・ブレスレット¥74,800・リング¥49,500/SARARTH カスタマーサポート(SARARTH)

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Jennyfax  mikiosakabecontact@gmail.com
SARARTH カスタマーサポート  customer@sararth.com
TAN  contact@tanteam.jp

撮影/野田若葉(TRON) ヘア/夛田恵子(mod's hair) メイク/YUKA HIRAC(VOW-VOW) スタイリスト/小林聡一郎 動画撮影・編集/梶 祐輔 取材・文/海渡理恵 撮影協力/AWABEES 企画・編集/高戸映里奈(yoi)

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